23.S級ダンジョン攻略②
第2層。上を見上げると第1層より増えた星っぽい光達が私を照らしているのが見えた。
「ここには軽めのボスがいるはずよ」
そうなんだ。
「例えば龍とかね」
言われた通り、前を向くとそこにはいかにもボス戦っぽい大きな円形のステージ?とその上に立つ紫色の龍が見えた。
『食べたい。もっと強い者の死体を』
『食べたい。自分で殺した死体を』
『食べたい。もっと強い者の死体を』
『食べたい。自分で殺した死体を』
『食べたい。もっと強い者の死体を』
『食べたい。自分で殺した死体を』
頭が段々速く回り始める感覚を味わう。
…つい口角が上がってしまった。
どう殺そう。
どう動くんだろう。
どんな攻撃を出してくるんだろう。
対処法は?
空気中の魔力で殺せるのかな。
自分がアイツに使える手段はどれくらいあるんだろう。
どんな味がするんだろう。
相手が一歩動く前にとりあえず一太刀することにした。
どんな反応をするんだろう。
あの硬そうな鱗は突破できるのかな。
もし無理なら振動を通して内部にダメージを与える感じで行こう。
どんな風に鳴いてくれるんだろう。弱点の判別に使えるだろうか。
脳?心臓?あ、神様詳しいのかな。
でも聞く暇無いし、戦いながらで良いや
喉に一太刀。第1層より深く打てるようになってる。
かなりダメージが入ったらしい。悲しそうな鳴き声を上げ、血を吹き始めた。
いや、ホントにかなり?偽装?
甘そうな血。
鱗は結構低めの強度らしい。
ちゃんと強度があるなら装備として一部に普及してるだろうし、そのことを考えていなかった自分に反省。
血の独特な匂い。早く食べちゃいたい。
脳と心臓…いや、喉をそのまま攻めて斬首?
とりあえず空気中の魔力で伝導させて、出血させた喉部分の甘そうな血に、血液魔法を使って個体としての形を与えて、首を千切ることにした。
指を鳴らすと同時に吹き出ていた血が止まり、途端に石のような赤黒いものがボトボトと落ち始め、龍は鳴くことすらできないようで、詰まった音と、カヒュッという呼吸音しか聞こえなくなる。
「さようなら」
可哀想なので介錯する。サッと指を横に振り、龍のボロボロな首を完全に斬った。
甘い蜜が胴体から吹き出し、雨のように降った。
私は上を向いて軽く口を開けて、飛び込んでくる血を飲んだ。
とてもとても甘かった。
『食べたい。もっと強い者の死体を』
『食べたい。自分で殺した死体を』
食欲が抑えられない。
『食べたい。もっと強い者の死体を』
『食べたい。自分で殺した死体を』
とりあえず頭から手を付けることにした。
『食べたい。もっと強い者の死体を』
『食べたい。自分で殺した死体を』
______目が覚めた。
「おはよう」
「…おはよう」
辺りを見渡すと、血塗れのステージ?の中央に私が寝転がっていたことがわかった。
「…次、行こっか」
「……そうね」




