15.まさかの任務
『東部方面司令部命令第905号。
第23旅団宛
一、第23旅団第6猟兵大隊は東部方面管区内南部ノネトリ地区北東部においての魔力計測活動をすること。
二、前項において示される当該地点において放置されているものと考えられる国民軍兵士の死体欠損状況を確認すること。
三、前回報告と詳細を照らし合わせつつ、前二項について中心的に東部方面司令部に報告すること
補足事項、1か月前の報告において、死体状況、魔力計測値に3年前との差異は認められなかった。
詳細は別途同封されている資料を参照すること』
「偽装報告ね」
そうだね。
多分この命令で調査することになってたのは私の生まれた戦場跡で、3年前からずっと実地調査がされていないっぽい。
「こんな怠慢があったからあんたは邪魔されず成長できたわけね」
そういうことらしい。
「では、行ってまいります」
旅団本部で大佐に出発する旨を報告をする。
「あ、おう!頑張ってくれよ!」
「『ほんとに行くのか』って顔ね」
そだね。
「護衛は付けないの?」
飛行魔法を試してみようかなって。
「飛行…魔法?そんなものないわよ?」
いや、なんとなーく考えてたの。まず、戦場跡で見た感じ的に、空気には魔力伝導性があるでしょ?
「そうね。確かにあるわ」
私の固有魔法の血液魔法って要するに、水魔法と違って血蛆という種族が血液のような魔力伝導性ある物質に、魔力を伝導して、自在に操ることができるから成立してるわけでしょ?
「そうね」
つまり、血液魔法の延長として、上手く魔力伝導性のある空気を操れれば飛べるんじゃない?
「そう……ね?」
ということで。
ブワッ。
「……飛んだ…しかも安定してるし」
柔らかいもの…バランスボールに乗っている感覚が近い。
10分ほどすると慣れて、自在に空中を飛べるようになった。
…これ応用したら血無しの、空気だけで相手を絞めたりできそう。
「ほんっとに…規格外ね」
まぁそれはともかく、ノネトリ村に飛んでいくことにした。
「ここら辺ね」
ぱっぱと終わらせて帰ろっか。
収納しておいた紙やペンを取り出して、色々なことをできるだけ忠実に、詳細に書いた。
そして最後にはこんな総括を書く。
『___以上が現地調査報告の結果となります。1か月前の報告と大きく状況が変わっており、また全死体の消失という短期間での非現実的なまでの変化は第三者による何らかの魔術的介入があったものと断定するに十分な証拠となり得ると愚考いたします。第23旅団第6大隊大隊長代理ソフィア・シヴグラード大尉』
「教えちゃうのね?」
まぁ…良いかなって
「こんな話を聞いたら国家規模で大荒れでしょうね」
…?
「気にしなくて良いわ」




