14.国民軍東部方面司令部
「なんでわざわざこんなとこ来たの?」
まぁ、雇われたんだし最低限色々やるべきかなって。
目の前にあるのはそこそこ大きなガラス張りの建物。看板には国民軍の紋章と『東部方面司令部』の文字が書かれていた。
門は開いていて、黒服の衛兵が椅子に座り居眠りしていた。
また門の端には『ご自由にお入りください』の文字。
「どこまで緩いのよ」
門をくぐるとカウンターがあって、武器を預けるよう言われたので、私自身は何も持っていない旨を伝え、引き連れていた4人の人形達には武器を預けるよう指示を出した。
第23旅団の本部がある事務室はどこかを聞いて、言われた通りの部屋へ向かう。
着くとそこにはこの間、会った大佐がいた。
「お!ようこそ!」
目の下のクマが痛々しい。
敬礼をして、雰囲気で報告をする。
「第6大隊、ただいま報告に参りました」
「おお、なんだ?」
「第6大隊第1中隊の仮宿舎を確保いたしました」
「それは素晴らしい。君はうちの旅団一有能だな」
大佐は誰もいない、放置された事務室を見渡し、首を傾げ、苦笑しつつそう言う。
「もしあれならお手伝いいたしますよ」
「すまん…頼む」
人形達にも指を鳴らして指示を出す。
人形達の仕事ぶりは凄まじいもので、文字通り機械的に旅団の書類処理を終わらせた。
そのまま4人の人形は私への報告書を書き上げる。
私はその報告を纏めて、私自身の仕事も合わせて報告書を作成。
ついでに口頭での報告も大佐に行った。
「___以上で報告を終わります。こちら詳細な報告書となりますのでご確認の程よろしくお願いします」
大佐は驚いたような表情を段々和らげ、握手を求めてきたのでそれに応じた。
「…パーフェクトじゃないか。ソフィア大尉!出世に値する素晴らしい出来だ!」
「あんたなんで、これで人間じゃないの?」
やれることとやりたいことは違うのだ。
「これでしばらく大佐殿はご自宅に帰れますよね?ご結婚されているのでしょう…そしておそらくお子さんも…早くご家族に会いに行かれては?」
「なぜ…妻子の話を?」
「薬指に指輪、壁に貼られた可愛らしい子供の絵、若干膨らんだ胸ポケット…おそらく奥様からの手紙でしょう?」
「ふむ…大尉は鋭いな…良ければ結婚記念日に妻へ送るプレゼントの相談をしたいのだが」
「奥様のことは大佐殿が一番知っているのだと思いますし、私なんかには選べませんよ。それに、プレゼントというのは本人が選んで送るからこそ意味があるのです」
言葉を適当に並べて断る。
「そうか…とりあえず、ありがとう!必ず出世させるよう上に言っておく!」
「いえいえそんな…」
大佐は軍帽を被り、足早に事務室から飛び出していった。
「この人たらし」
?




