12.東部最大の城塞都市エストブルク
「『東部最大の城塞都市エストブルク。統一王国形成前はフーロイ王国の首都として使われていた。周囲を大きな城壁で円形に囲っているのが特徴』らしいわ」
城塞都市エストブルク?の城壁が、今見えてきた。
…ところでちらちらっと出てくるその統一王国って何?
「『統一王国。正式名称をフーロイ=ゼン統一王国と言い、大国になりたての新興国家』」
なるほど。あまり覚えていても使えなさそう。
大きな城壁の前、検問所。
「第23旅団第6大隊所属のソフィア・シヴグラードと申します!階級は大尉で、現状大隊長代理の任を負っていて、第6大隊第1中隊第1小隊を本部帰還のために直接指揮しています!」
馬鹿で生真面目そうな雰囲気を装う。
「大尉殿!一応確認のため手帳の方を確認させてください!」
「あっ忘れてた!えと…えと」
ポーチをガサゴソとするふりをして、手帳を出す。
検問役はチラリと中身を確認して手帳をこちらに返す。
「確認しました。おかえりなさい大尉殿」
にこりと笑い敬礼してきた。
…?まあいいや。
「はい!」
敬礼を返す。その後、双方が部隊に指示を出して、スムーズに検問を通過した。
「まったく……恐ろしいわね」
「どこか行きたいところとかある?レナ」
レナの行きたいところとかが終わったら、資金調達としよう。
レナも長旅で疲れてるだろうし、一旦羽を伸ばしてもらうべきかな。
「…いえ…とりあえず資金調達から始めましょう」
「流石血を分けた者同士、思考が一緒ね?」
「レナがそれで良いのなら良いけど」
「はい。お金が溜まってから楽しみます」
「そう。我慢できて偉いよ」
わしゃわしゃと撫でる。
「あんたにはレナが大型犬にでも見えてるわけ?」
来たのは武器屋だった。
勿論買うためではなく、売るため。
どうせ使わないような品はここで売ることにする。
お嬢様を装いつつ、従者を引き連れ、威圧。
ここで槍や剣みたいな私の血液魔法で作れそうな武器類はある程度売却した。
残りは銃殺隊の予備武器や大量の銃杖、あと大砲、爆弾くらいになった。
「店側はお金すっからかんでしょうね」
そういう商売でやってるんだし本望なんじゃない?
不動産屋にて。
「どこか売っている屋敷はありませんか?国民軍の方で仮宿舎として利用するつもりなのですが」
また令嬢風を装いつつ、従者を引き連れ、威圧。
「ちょうど良いところに!実はいわく付きで貴族方に売れていない屋敷がありましてね…お安くいたしますよ!」
謎のいわく付き物件を安く買えた。
一応買う前に内見はぱぱっと済ませたため、その良さも大きさもある程度分かっている。
ほんとにいわく付きじゃなければ優良そうな物件だった。
「…シヴグラードから生まれた存在がシヴグラードの屋敷に住まう…なんとも因果な運命ね」
何か言った?
「何も。知っても気にしないでしょ」




