110.B級ダンジョン攻略
「ここどこ?」
イザベラにそう聞く。
小さな森の中、目の前には紫色の大穴、森の隙間から見える遠くの光景は………だだっ広い荒野が広がるだけで、特に何も無い。
「アメリカ合衆国北東部、ニュールマニカ州のB級ダンジョン……72年間放置されてるやつね」
「…その72年間って…何か意味あるの?」
わざわざ言うということは、何か理由でもあるのではないだろうか。
「その分、中の奴らが強化されてるわね。あと、魔石が消費されて、全体的に暗くなってる」
「…どれくらい強いの?」
「言ってもBランクよ。せいぜいAランク程度ね」
……あれ?
「もしかして、Sランクダンジョンを早々に潰したのって…時間が経てば経つほど強化されていくから?」
「…それも半分あるわね」
「もう半分は?」
「あぁ……今は知らなくて良いわ」
イザベラは少し考える素振りを見せたあと、そう言う。
「そっか」
まあいいや。
「早速行こ〜」
そう言う死神が私の手を引く。
それに従って、私はダンジョンの中に入った。
…踏み入れて最初に感じたのは、第一層にしてはかなり濃密な、空気中の魔力であった。
「…これ、空気魔法かなり使いやすい?」
「そうだね。2層しかないから、空気魔法を使ってちゃちゃっと攻略しちゃおう」
「わかった」
とりあえず第一層を歩き回って、目に付いた魔術生物は全て首を落とした。
イザベラと死神と話しながら、首を落とした魔術生物の血を飲みながら、攻略を進め、第一層を制圧。
第二層へと続く道を通り、第二層へと行く。
「第二層は龍がいるから気をつけて」
そう死神が言う。
「多分、黄龍が来るわ。砂魔法に気をつけて」
「…?黄色なのに電気魔法じゃないんだ」
そう聞く。
「?…あんた何言ってんの?電気魔法を使うのは白龍よ」
そうイザベラは答える。
「…そうなんだ」
黄色=電気タイプのイメージがあるのだけど。
「あぁ、ソフィアちゃんが元々いた世界はそういう常識あるよね」
死神はそう擁護してくれた。
「ゴゥゥ!!」
あまり美味しく無さそうな色合いの龍がそう吠えてくる。黄色…といってもかなりくすんだ…芥子色と言った方が良いような色合いだった。
…どう殺そう…せっかくだし自壊魔法でも試そうかな。
「…やってみれば良いんじゃない?」
イザベラがそう言う。
バッと急激に接近、鱗に触れて自爆魔法を発動。
私は神からの制限で何も起きないけど、黄龍はそうではなかった。
「ッ______!!!!!」
声にならない激しい咆哮を上げながら、黄龍は悶え苦しみ、幾らかの鱗が弾け飛び、露出した肉や血は小爆発を起こし、自壊し、ばらばらになる。
振り向くと、死神は両手で自分の顔を覆いながら嬉しそうな笑い声をあげていた。
…何か面白いことでも…?
首を傾げると、こう言ってきた。
「やっぱり◆◆ちゃん最高」
…どこが最高なのだろうか。




