111.革命家の日記VI
すごく個人的な疑問というか…どうでも良い話なのですが、読者諸賢に一度お聞きしたかったことがあります。
私、ここ数年でよくチェスをやり始めるようになりまして、その前は将棋をよくやっていました。
私、こんな小説を書いている癖に、一部のマイナーな言葉だったり、理論だったりは覚える一方、普通の記憶力は弱くてですね、チェスをやっている内に将棋のルールを忘れてしまったのです。
で、本題です。
チェスと将棋、どっち派ですか?
どちらをよくやりますか?
あぁ…もちろん、『どちらも』という方もいるでしょう。
私は先程言った通り、ここ数年はチェス派です。
まぁルールとかは完全に把握しきれていないアマチュア未満なんですけど。
あ、ここは一切本編とは関係ないです。
伏線なんて張ってませんからね。
……もっとも、張っていたとしても、私の記憶力だと忘れてしまうんですけど。
ウーリャ視点
「この中に旧帝国勢力と内通する裏切り者がいる」
私の一言で評議会は凍りついた。
私は今、ルーシル民主解放軍最高司令官として壇上に立ち、この発言をした。
…正直、このようなことはしたくなかったものの、仕方がない。評議会は多少の腐敗はあるものの、停滞を生まなかったのだ。
人民は評議会を受け入れ始めている。
このままでは第2次革命なんて到底実行できないため、計画を変更、クーデターの方針に切り替えた。
にわかに会議場全体が騒がしくなる。
コホンと1つ咳払い。
それだけで会議場は多少静かになった。
「…人民のため、民主主義のために存在する我が軍は、設立当初から、この素晴らしき民主国家を穢す不届きなる『裏切り者』を炙り出すべく、諜報活動に邁進して参りました。本日はその『結果』を報告すべく、この壇上にあがらせていただいたわけであります」
そう言いきり、指を鳴らす。
すると軍服を着て、武装した『兵士』らが会議場に雪崩込んだ。
数は87名、評議会員の数とちょうど同じである。
先頭の兵士に軽く頷くと、兵士は敬礼を返してきて、『自分の担当』の評議会員のもとへ移動していった。
後ろに続く兵士たちも同じようにする。
「指示があるまで、席を立たぬようお願いします」
兵士たちが配置につく中、あくまで平坦な声で、そう評議会員達に呼びかける。
会議場は閉め切られ、評議会員の後ろには銃剣が光る。
全兵が配置についたのを確認して、口を開ける。
「本日より、民主解放軍は戒厳令下に入りました。評議会の持つ行政権と立法権は我々が預からせていただきます」
そう言ってヒラリと一枚の紙切れを壇上から投げる。
それは民主解放軍最高司令官として、私が署名した書類である。
「では、これから評議会員一名一名に自分の罪を懺悔していただきましょうか。あぁ、あくまで任意ですよ。帰宅を希望するのであれば、無言で席を立って、扉へ向かってください」
私の言葉を鵜呑みにした馬鹿が数人立ち、『私は帰らせてもらう!』なんて抜かして出口へ向かう。
「まぁ、家に帰すとは一言も言ってないんだけど」
そう呟くとほぼ同時に、扉を開けた評議会員達は扉の外の兵士に掴みかかられ、会議場を去った。
数刻の後、数度の銃声。
「反動分子が数名見つかったようです。さぁ、続けましょう」
凍りついた評議会員一人一人の顔を見ながら、微笑んで、そう言う。
「わ、私は人民のため、日々職務に邁進して参りました」
リストによると、こいつは功績が薄いらしい。
「では、具体的に功績をあげてもらいましょうか。人民のために何をしたのですか?」
「あ、それは…その…」
評議会員はそう言い淀む。
「…連れてけ」
後ろの兵士は銃を担ぎ直し、評議会員の肩をガシッと掴んで、出口へ向かう。
「俺は元軍人として、人民を守る軍の待遇改善のため頑張ってきた!何もやましいことなどない!」
無骨で若々しい評議会員はそう言いきった。
リストには『些細な汚職』に関して書かれているが、私としては利用価値がある者を無闇に殺すなんてことはしたくないので、残す。
「ええ、貴方は素晴らしき愛国者です。これからも職務に邁進することを期待していますよ」
「わ、私は…軍のために色々な増税法案に賛成してきたっ!ど、どうか助けてくれ!」
この評議会員はこちらに媚びを売ってきた。
…そんなことで生き残れると思われたら困る。
「連れてけ」
その評議会員はなおも命乞いをするので、兵士に指示し、銃床で殴らせる。
やっと静かになった。
この粛清劇の結果、評議会員は48名が処刑、26名が投獄処分となり、残りは13名となった。
同日、評議会は民主解放軍への全権限委譲を『全会一致』で可決。
最高司令官の私が実質的な国家指導者となった。




