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人外っぽい少女、人外になる。  作者: 倉石 雨


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102/255

102.嗚呼、血が欲しい

ミオ視点。

不老不死になって、一つだけ…欠点が増えた。


それは吸血衝動。


何故か、液体を飲めばある程度抑えられるものの、1週間でやはり限界が来る。


その限界が、今日である。


「多分、私と契約したせい。元とはいえ、死神だったから、死を間近で感じ続けるのと同じ状態になり、本能が暴走気味になってるんだと思う」

目の前のリムリーはそう言う。


「治す方法とか…」

私はそう問う。


「…本能は治せない」


「そっか…」


「その代わり、私の血を飲んで」


「えっ…でも、神様の血って…」


「別に、契約している相手なら良いから…ほら」

そう言うと、リムリーは着ていたドレスを破き、首筋を露出させた。


…神の肌…血…

それは普通の白い肌なのだろうけど、私には高価な…とても高価な肉のように見えた。


「で、でも…リムリーには迷惑をかけたくない…」

そう言って私は頭を抱える。


っ…


『飲みたい。強い者の血を』


『飲みたい。強い者の血を』


『飲みたい。強い者の血を』


…ソフィア姉の血を飲んだ記憶がフラッシュバックする。


頭が痛い。


あの蕩けるような柔らかい肌…歯を突き立てれば流れ出てくる赤黒く濃い血…甘く感じて…どんどん欲しくなる。


「飲んで良いから…私は大丈夫だから」

そう言うリムリーの声が、酷く遠くに聞こえた。


…『喉が渇く』。酷く『喉が渇く』。


…早く…飲まないと…喉が枯れてしまう前に。


嫌!だめ!


理性が幾ら叫ぼうと、行動は変えられない。


「っ……!ごめん…なさいっ!」

私はまるで何者かに操られているかのように、ゆっくりと、一歩一歩リムリーへ近づく。


リムリーの前で立ち止まり、自分の意志に反して、艶かしい手でリムリーに絡みつき、カプリと首筋に噛みつき、血を飲む。

濃厚で…サラサラとしていて…甘く美味しい。


私の最後の理性は…そこでプツリと消えた。



重い瞼を開ける。


「おはよう、ミオ」


そこにはリムリーがいた。というか、現在進行形で膝枕をされていて、顔を覗き込まれる形になっている。


「おは…よう。私…何やらかしちゃったの?」

本能に身を任せてしまったところまでは記憶がある。


「えっと___


リムリーによると、別に獣のように貪っていた訳ではなく、性格と目の色は異なっていたものの、いつも通り会話をできる感じのようで、『昂っている』時の私が一番近いと言われた。


実際、自分の身体を見てみると、纏っていたスーツシャツは第1ボタンが外れ、ネクタイはどこかへ放り捨てられ、少しだけ血が付着していた。

確かに、『昂っている』時の行動に似ている。


「あぁ、そういえば、『リムリーと一生一緒にいたい』なんて言ってた」


リムリーのそんな付け加えに顔が熱くなる感覚を覚えた。

…わざわざ言わないでよ、そんなこと。

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