101.神同士【幕間】
イザベラ視点
まだイザベラが神となり、100年も経っていない頃。
それはいつも通り、新人上位神として転生部でせこせこ働いて、久しぶりに得た休日に、アイツが来たことがきっかけだった。
アイツは私の仕事仲間であり、取引先であり、個人的な友人でもある。
もっとも、古い友人なんかではなく、仕事で関わっているうちに仲良くなった…というだけなのだけれど。
「ね〜イザベラ〜聞いた?エリスちゃんが記憶消されて放り込まれた世界の話」
「エリスちゃん…って言ったらアレよね。定期的にやらかして、記憶を消され、転生させられて、その度に上位神に成り上がってくるって伝説の」
私はそう返す。
「そうそう。私の大親友」
「へぇ…」
…正直どうでも良い。
「今回は、その世界にいるあらゆる生き物の魂を吸い取ってとんでもない神になっちゃったらしいよ。最近聞いたでしょ?『アリヌストリア世界神事件』って。まあそうなる過程で1個世界を潰してるんだから、また処罰され、転生させられるのは当然なんだけど」
…アリヌストリアってエリスが転生した姿だったんだ。
「また転生させるわけ?幽閉でもすれば?」
そう聞く。
「幹部神達は『次は更生してくれるに違いない』なんて言って記憶を消して転生させてた。あぁ、今回は一味違うかも」
ソイツは人差し指を立てて、ニタッと笑う。
「どうして?」
少し興味が湧いた。
「なんと、魔法がない世界で、天才の父と金持ちの母の下に生まれる…なんて転生なの」
「へぇ…?でもそれって、魔法を使わずに、またエリスが神に至るだけの話じゃない?」
過去にも試されているんじゃないだろうか。
「その対策に、私が派遣されるってわけ」
ソイツは人差し指で自分を指差して、そう言う。
「………はぁ?」
死神部の神の癖になんでそんな役目を?
「初めから幹部神達の目的は一つ。優秀な人材であるエリスを更生させて、利用すること。だから、最悪、更生しなければ神にならせずに殺し、人間としての記憶を持たせた状態で転生させれば良い」
私にゆっくり顔を近づけながら、ソイツはそう語る。
「ふーん。その世界での人生を踏み台に…更生するまで、転生させ続けるわけね…」
「で、貴女に一つオファーがあるの___
そうして私はオリビアにも言えないような、秘密の取引をした。




