コロネと共に生きたい チャルメの気持ち《その1》
チャルメはずっと、コロネを見守って来た。何時からかそれが、今までと意味合いが変わっていった。
彼女はいつも元気で活動的だ。
仕事は出来るがお金にシビア。それでいてトンでもない場面で気前が良い。特に食に置いて。
幼いながらも商会を経営したり、理不尽を許さなかったり、適度にお仕置きをしたり。
とても普通の少女には見えなかった。
年齢も10歳くらい違うのに、同世代に思えるほどしっかりしていた。
彼女のことが知りたくて調査を依頼すると、両親の馴れ初めや母であるミカヌレさんの過去のことも知れた。とても壮絶過ぎて、何とも言えなかった。
そんなコロネにはいつもラディッシュが隣にいて、妖精や魔道具のことを相談していたようだ。特にガシェーラル国の遊園地の建設時は、彼以外にも多くの者が関わり、僕は疎外感があった。
エルフの国の王子ラディッシュは魔術も得意で、特に空間転移魔法は瞬時に遠い場所へと移動が出来る、素晴らしいものだった。
彼女は彼から魔法を学び、自らも数種の魔法を取得していった。だから僕も体を鍛え、彼女を守れる力を備えるべく訓練を積んで、隣に並ぶことを望んだ。
たとえ彼女が望まなくても、そうしたいと思って。
彼女はそれを拒まないでいてくれた。
友人として、銀行家として、そして妖精達との関わりを通じて共にいてくれるようになった。
それがどんなに嬉しいことか、きっと知らないだろうね。
成長するコロネは、見違えるように美しくなっていった。
幼い時は、ややぽっちゃりした可愛い感じだったが、背が伸びたことと多忙に動くせいなのか、ホッソリとした印象へと変わった。
彼女は自分の顔の美醜に拘りがないようだが、周囲は違っていた。
仕事も出来て貴族で、美しく優しい女性が放って置かれるはずはない。求婚者が多く殺到していたみたいだし。
でも結局。
大事な相手にしか身元を明かさない彼女は、困難を回避できていたけれど。
ワッサンモフ公爵家の令嬢であることは伏せて活動していても、洗練された優美な動きと口調でバレてしまう。
いくら口調を崩したところで、癖は直らないものなのだ。
今日も彼女は、他国の町の少女を救っていたらしい。
僕は銀行のことで彼女に付いていけなかったが、その穴埋めはタバサさんがしてくれたらしい。とても嬉しそうだったようだ。
僕は深く聞けない。
「僕の時より楽しかった?」とか、情けないことを聞いてしまいそうだから。
だからこそ、可能な限り傍にいたいと思う。
この気持ちが負担に思われないうちは。




