罠を仕掛けてみる
歩き始めて3日目、今日は雪が少し遠方の魔力溜まりまで行き、何ヵ所か見てくるって事で僕達は少し開けた原っぱでテントを張り雪が帰るのを待つ事になった。
「ヒオ、面白い事を教えてやるよ」
「何?」
「罠を仕掛けて狩りをしよう」
「やるっ」
僕がラクストと供に罠に必要な物を揃えているとアレスもやってきて、一緒にやる事になった。
まず最初にラクストから獣道を教えて貰った。
獣道はちゃんと教えて貰わないと、なかなか解らなくて、それがすぐ解るラクストって凄いなって言ったら、ラクストが、こんなのは慣れだよって笑ってた。
獣道がわかると、その道の脇にある木にローブをかけて、その先に作った輪を見えないように足元に隠していき、なるべく人間の匂いが残る事のないように気を付けながら仕掛けていく。
小さい輪から、ローブの太い大きい輪までテント周りの山の中に何ヵ所も仕掛けていく。
それでもかかるのは数ヶ所あればいい方らしい。
広い場所には昔ながらの鳥をとる罠。
木の棒を支えに容器を立て掛けるやり方。
僕が棒に紐を付けて引っ張るんじゃないのっていったら、そんなの何時間もかかるのに、やらないよって言われた。
「えーでも、今入った紐っ、ていうのも楽しいのに」
「やってもいいけど、俺はやんないかんな。待ってらんないぞー」
むー、楽しそうなのに、僕のだけ紐つけようかな。
アレスは細かい作業が楽しかったらしく、輪を仕掛けた後の痕跡隠しに凝っていた。
そこからの僕達2人は何となくソワソワしながら時間を過ごし、ラクストに罠を見に行くのは明日になってからだぞって笑われたりして
この日毛玉は遠くには行かないからって言って、少し山に入っていった。
僕は心配したけれども、ラクストが毛玉は弱くないから大丈夫だよって。
そうなのか、毛玉も成長してるんだよね
何となく嬉しいやら、僕はまだまだなのにって悔しいやら。
僕も絶対強くなってやる。
でもその前に今の僕に出来る事から。
僕も皆を守りたいのだ。
そして、その日の夕方、山から戻ってきた毛玉はその真っ黒の長毛に枝や草を沢山絡めて帰ってきた。
さらには首に付けた小さなマジックバッグからウサギを5羽、鷲程の大きさの鳥を3羽、そしてなんと、イノシシのような魔獣を1頭捕らえてきていた。
「凄い、凄いよ毛玉。なんて凄いの」
僕のその言葉に毛玉は嬉しそうに、そして、誇らしそうに顔を上げた。
僕達の夕食はその中から、ウサギのシチューとなった。
シチューが出来るまでの間、そしてテントに戻って寝るまでの間、毛玉はアレスにずっと抱かれていて身体中に巻き付いている草や小枝をとって貰っていた。
アレスも頑張ってきた毛玉を甘やかすように、全身のゴミをとても丁寧にとってくれていた。
テントに戻ってからの毛玉は僕が動いても起きない程に熟睡していて、伸ばされた身体はヘソ天で前足は上に伸ばされ時にピクピクと痙攣している。
まだ狩りの夢でも見ているのだろうか?
僕も本当に誇らしいと思った。
翌朝、さぁ、今日は僕達の罠の結果を見に行く。
まず獣道の罠から、最初の罠は何もなし、次も、そのまた次も、でも4つ目でウサギがかかっていた。
その次はなし、さらに次となった時、ラクストが止めた。道の先で獣の荒い息づかいが聞こえる。
それは罠から逃れる為に抗っている獣の息づかい。
さすがにその場にはラクストに止められて行かなかった。
そこにいたのは大きな牡鹿だった。
アレスの仕掛けた罠にかかっていたのだ。
アレスもとても嬉しそうにしていたよ。
草原に仕掛けた罠には鳥が2羽、ラット系の魔物が1匹かかっていた。
罠での狩りの面白さを感じた日になった。
ただこの日の狩りのスペシャルはこの日の夕方に帰ってきた雪だった。
この日、雪は帰ってくるなり、僕が昔みたヤクの3倍は大きい魔獣を空間魔法から取り出した。
それでも雪は毛玉の狩りの結果を聞いて、とても誉めてくれたし、僕達の罠の話は面白そうに笑って聞いてくれた。
そんな中、ラクストとアレスは今日も解体を頑張っていた。
さすがにここまで大きいと僕では、手も足も出ない。
でも僕と、アレスはラクストに魔獣の説明を受け、解体の仕方を教わった。
ラクストが言うには、ここまで大きいと普通のナイフでは歯が立たない、まして、骨もとても太いので切断は無理であると。
なので冒険者によっては大型の魔獣の解体の為に大きなナイフやノコギリを持っている人もいるらしい。
まぁ、勿論大型の魔獣が討伐できると言うことはランキングの高い冒険者でないと出来ない事なので、マジックバッグも携帯しているのは当然のとなる。
ラクストもちゃんと一式持ってたよ。
でも普段はそのまま収納してギルドで解体に出すんだって。
確かに、冒険者達は携帯食の事も多いし、こんなにゆっくり旅をする事事態が少ないって。
依頼を受けて生活しているのだからと、確かにね。
僕達はお料理もするし、解体も勉強なのでラクストが頑張ってくれたけどね。
いらない所とかは雪が土魔法で掘った穴に入れて火の魔法で焼いて埋めたよ。
雪も肉があるのなら無理して内臓を食べたりはしないって、なるほど・・・
夜ご飯はステーキとなり、皆、大満足で夕食を終えた。
ラクストは疲れたーった伸びてた。
それほど大きい牛さんだった。




