次の旅に出よう
木を拾ってきた2日後、僕達はギルマスの所に行き、この街を出て旅を再開すると伝えた。
「世話になった」
ギルマスはそれだけ言うと深々と頭を下げた。
それにならって冒険者の人達も皆、頭を下げる。
「お世話になりました」
僕の元気な挨拶に皆、顔を上げて笑ってくれた。
「ヒオ、ありがとうな。残りも必ず皆に渡すからな」
「はい。よろしくお願いします」
「毛玉もありがとうな」
ギルマスはちゃんと毛玉にも御礼をいって毛玉の頭を優しく撫でてくれた。
毛玉も嬉しそうに「ニャウ」と鳴いてギルマスの手に頭を押し付けるようにスリスリした。
「じゃあね。バイバイ」
さぁ、次の旅に出よう。
ただ、やはり自分の足ではなくラクストの肩の上だが。
「ねぇラクスト、今度は何日ぐらいで次の街なの?」
「んーそうだな、俺らは歩きだし、どっかの誰かがすぐ寄り道するからなー」
僕の方を見ながら言うげど、寄り道しないよ、立ち止まるだけだもん。
ラクストはプッと膨らませた僕の頬をつついた。
「通常なら3日程だが、まぁ5日ってところかな。今回も皆が進むメインの通りではないほうを通るから、魔獣も出るだろうしな」
「ふーん。雪も行くところがあるの?」
「まぁ、数ヶ所確認には行くが、お前達は普通に進めばよいよ」
「そっか。よーしじゃあ旅を楽しもう」
ガッツポーズする僕、その僕に倣うように毛玉が横にあった大きな岩に飛びのってからポーンと飛び降りた。
「おー毛玉カッコいい」
「ウニャン」
ザシュ
アレスが最後のゴブリンを切り捨てる。
街道を進む僕らの前に最初に立ち塞がったのはゴブリンでアレス1人で対応した。
10体以上のゴブリン。
ラクストがたまにアドバイスをおくり、アレスに間合いの取り方などを教えていく。
こんな時のラクストはカッコいいね。
「ふう」
アレスが大きく息をつき、剣を降り汚れを払った。
「なかなかいいな」
「ラクスト、ありがとう」
凄いね、討伐も訓練なんだね。
アレスは王子ではあるけれど、A級冒険者としてのラクストを尊敬していて、おごることなくラクストからのアドバイスをもらい日々の鍛練をおこなっている。
僕と毛玉は雪と一緒に少し離れた場所でそんな2人を見てた。
毛玉は自分も行きたそうな雰囲気を出していたが、今回は我慢と決めたようで、たまにウニャウニャ言いながらじっと2人を見ていた。
この頃毛玉は雪に狩りの仕方と討伐の仕方を教わってる。
いつかは僕も皆と討伐とかしたいけれど、人である僕の成長は遅い。
剣とかはまだ持てない・・・
それでも僕には魔法がある。魔法で援護する事もできるはず。やはり魔法、頑張らなきゃね。
この日はある程度進んだ所で野営する事にした。
この頃随分温かくなってきて、僕としてはお風呂したいけれど、冒険者の普通は濡らしたタオルで身体を拭くくらい。
川があったら水に入ったりはするみたい。
でも服を全部脱いでった事はないんだって。何かあったらいけないから。
僕、お風呂入りたいんたけど。
テントの中お風呂作ったらダメかな。
間に合わせでいいから、土魔法で簡単な湯船作ってみようかな。
ラクストとアレスがテントを設営してくれているので僕はそれを眺めてる。
「よしっと、ヒオ、テントできたぞ。今の内に出来上がったワードローブを皆の部屋に置こう」
「うん」
そうワードローブ、数も多かったので雪の空間魔法で全部預かってもらっていたの。
僕のチェストも一緒に
まず最初にアレスの部屋のワードローブを設置する。
アレス、3つも置くので僕もついていって部屋の大きさとかを見て必要なら広げないといけないし・・・と思っていたらどうも違うらしい。
「この部屋には2個しか置かないんだよ。ヒオ達と一緒にいない時に必要になったらいけないだろう?だから1つは僕は自分のマジックバッグで持って置くんだよ」
「なるほど」
確かにずっと一緒とは限らないもんね。
この後、ラクストと僕の部屋にもワードローブを置いて、アレスがお城から預かってくれていたらしいお洋服を自分達のワードローブにいれた。
そして僕はチェストを、2段重ねた状態でワードローブの横に置いた。
残りのチェストはテーブルを置いてる部屋に2段と1段に分けて置いてみた。
毛玉が早速、階段状になっているチェストを登り上の方で身繕いを始めた。
そうそれも考えて階段状にしたの。
猫は少し高い所が好きだものね。
そしてもう1つ、というか2つ僕は買ったものがある。
それを僕のベッドの横に置いて満足げに眺めてみる。
それは籐で編んである大きな籠、形のいびつな卵形、片方の縁は低く、もう片方の縁は高くしてあるのでクッションを入れてそこに横になってもクッションが滑ってしまう事がない。
ウルフサイズの雪が寝ても大丈夫なサイズと毛玉がへそ天しても大丈夫なサイズの2つ、
実はこれも街で親方に相談して、他のお店の職人さんに作ってもらったの。
籐のチェストとお揃いぽく、色は揃えてもらった
「何これ、ヒオ。このベッド僕の?僕が貰っていいの?
」
毛玉がチェストの上から飛び降りて一目散に籠まで走ってくる。
「もちろんだよ。これは毛玉のベッドだもの。ほらクッションもおくからね」
籠の中に毛玉のクッションを入れてあげると毛玉はすぐさま中に入りクッションの上で3周ぼどクルクルと回ると。そこに丸くなった。
とっても嬉しそうにノドをグルグルとならしながら身繕いをし、目を細めている。
「ありがとうヒオ。大好き」
「喜んでくれて僕も嬉しいよ。僕も大好き」
そんな会話を毛玉としている横でおっきな籠にクッションが入ったベッドに雪が寝転がり、こちらはもう目を閉じてる。
雪も気に入ってくれたみたい。フフフ。




