木工のお店を見に行こう
「ラクスト、今日街の木工のお店に連れてって」
「なんだ?急に」
「昨日、散歩中にいろんなお店をお外から覗いたの。とっても素敵なお店がいっぱいあったんだよ。連れてって」
ラクストは朝練を終えシャワーでさっぱりしてきたところだ。
「いいけど、今日はギルマスにケースを渡しに行って、魚も買って貰うんだろう?それからでいいのか?」
そう僕は今日もケースを届けに行くの。今朝も毛玉と一緒に朝からケース作ったんたよ。
魔法の練習にもなるしね。
毛玉も色々と工夫して、カラスを溶かしたり、形を半分ぐらい残して、グラデーション作ったりと、楽しみながらの魔法の練習をしたの。
昨日ののと合わせて(夜も食事の前に少し作ったの)50個ギルドマスターに渡すの。
「うん。とりあえず今日は一番行きたいって思った所に行くの。僕達もうしばらく、この街にいられるんでしょう?」
「あぁ、まぁ急ぐ旅ではないがな」
ラクストが苦笑いしながら雪の方を見て、僕の頭をポンポンって。
僕も雪の方を見てニへって笑った。
「後、数日ぐらいはかまわぬよ。ケースもまだもう少し作らなければならないしな。今日は我はここでゆっくりと過ごそう。ゆっくりしてくるといい」
「いいの?雪ありがとう。」
僕は雪にパフンと抱きつくと雪のお腹にグリグリして嬉しさを表した。
「かまわぬよ。最初からヒオがケースを作り終わるのを待つと決めてあったのだから」
「うん。僕、頑張って作るね。皆さんにちゃんと届いて欲しいんだ」
「ヒオ、僕も頑張るニャ」
「うん。よろしくね」
「さて、それじゃあ、今日は街におでかけな」
今日も僕は楽しみがいっぱいなのです。
「こんにちはーギルドマスターさんはいらっしゃいますか?」
ギルドに不似合いな幼い子供の声にギルドが一瞬シーンとなる。
「こんにちは、今呼んできますね」
カウンターにいた副ギルドマスターがそう言って奥に下がっていった。
しばらくするとギルマスが奥から出てきた。
「おう、今日はどうした」
「えーと」
僕はここでケースの事を言っていいのか迷って、ラクストをみる。
「ギルマス、奥にいいか?」
その一言でギルマスは察して奥に案内してくれた。
「ギルドマスターさん、これが今日持ってきたケースです」
そう言ってウサギさんリュックから50'個のケースを出す。
「こんなに・・・それにこの飾りは・・・」
ギルマスは蓋についている飾りに手を触れて絶句してる。
「それはね毛玉が付けてくれたの。ステキでしょう」
「毛玉・・・そうか魔法も使えるのだったな。それにしてもこの数を1度に・・・」
「ギルドマスターさん、後いくつくらい必要ですか?」
「いや、もう」
「ダメよ」
「えっ」
僕のいきなりのダメ出しにギルドマスターが驚いた表情をする。
「ちゃんと、必要な数を言って。僕はちゃんと皆さんが癒されて欲しいの」
「あっ、あぁ」
「ギルマス、ヒオはちゃんとやり遂げたいんだ。自分のできる事を探して、ケースを作るって決めたんたから」
そのラクストの言葉にギルマスはため息をつき、頭を下げた。
「ありがとう。では後74必要なんだが」
「うん。わかりました」
「じゃあ、また持ってきますね。それとギルドマスターさん、今日はお魚を買って?」
「?・・・は?魚?」
ギルドマスターが本当にわからないって感じで首を傾げる。
僕はウサギさんリュックから昨日、雪と毛玉と取ってきた魚を出す。
「キングドラフィッシュ?」
おーそんな名前なんだ。強そうな名前だね。
「このお魚さん美味しかったよ」
「とこでこんな・・・買おう。ちょっと待ってくれ」
ギルドマスターさんが急に立ち上がってドアを開けて外に声をかける。
「カヤフちょっと来てくれ」
そう声をかけると直ぐに副ギルドマスターさんが来た。
副ギルドマスターさんカヤフさんて言うんだ。
「カヤフ、このキングドラフィッシュの買取りを頼む」
一瞬驚いた顔をした副ギルドマスターは直ぐに書類を持って戻ってきて、計算を始めてくれた。
僕達は全部で20匹の魚を買取りに出した。他の6匹はこのまま持って行くの。ラクストが解体できるんだって。
お魚さんの買取りが終わって僕達はギルマスに手を振ってギルドを後にした。
ギルマスがとっても喜んでいて、オレも食いたいって悩んでたよ。
だから僕、教えてあげたよ。とっても美味しかったよって。
その後、ギルマスがどうしたのかはわからないけど。
「さてと、じゃあ後は木工か?どこに行きたいんだ?」
「昨日は中央の広場の屋台まで行ったの。その後にそこから色々見て廻ったの」
「あぁ中央の広場な」
ラクストはそれだけ聞くと、僕をまた肩に乗せて歩き出した。
「凄く綺麗だったんだよ。でもお店の中までは見に行けなかったから、今日は中まで入って見てみたいんだ」
「へーそんなに良かったのか?」
「うん。欲しいなって思うけど、作りたいなとも思うの」
「ふーん」
ラクストに肩に乗せられて広場まできた僕は辺りを見回してみる。
「あっ、ラクストあそこのチェストが店頭に飾ってあるお店の方へ行って」
「ん」
店頭に置いてあるチェストやっぱり素敵だ。
角を全て丸みをもたせてあって、それでも女性ぽくなくて。引き出しを引くための取っ手も飾り彫りがしてあって。
僕はチェストの形も素敵だと思うけれど、その飾り彫りに興味を引かれていた。
「ラクスト、これ凄く綺麗だよね」
「あぁ、確かにいいな」
ラクストも僕の示したチェストをみて感心してる。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは」
中から若い男の人が出てきた。
「あの、店内の商品も見せてもらってもいいですか?」
「もちろんです」
僕達は店内に入り、整然と並べられた商品を見ていく。
中には大きさの違うチェストが所畝ましと並べてあった。
お店の入り口付近は小さめのチェストが多くて引き出しも3段から4段ぐらいの物が多い。
これだったら僕の身長でも届くし、部屋にあってもいいような気がする。
「このチェストはこのまま1つで使って頂いてもいいですし、複数買って重ねて使って頂いてもいいように、重なる部分の飾りがはずせるようになっているんですよ」
そう言ってお兄さんは飾りを外すと、もう1つ重ねて6段のチェストにしてくれた。
そして四角にあった飾りは正面に小さな穴が開いていて、そこにさすと普通の飾りとなった。
「おっ、これいいな。ヒオの部屋に置いて置けばいいんじゃないか?
5つぐらい買っておけば、もう少し大きくなってからは重ねて使えばいいしな」
「他にも開き扉タイプの同じ大きさの物もありますので組み合わせて頂く事もできますよ」
なるほど、組み合わせるとか、なんと実用的。
そして、やはり飾りも素敵だ。
「どうだ?ヒオ。気に入ったか?」
「うん」
「じゃあ、これを貰おう。引き出しタイプを4つ、開き扉タイプを2つ」
「ありがとうございます」
やった、テントの僕の部屋、今は僕の魔法で簡易の棚はあるけど、チェストが入ったら素敵かも。
あっ、じゃあラクストやアレスの部屋も何かあるといいな。
楽しみだ。




