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思いを込めて

「ん?」

朝?・・・僕、昨日・・・

あっ、そうだ女神様の像の所でママに話しかけていたら雪がきて、女神様から預かった物があるって・・・

あっロザリオ。

僕は慌てて昨日、雪に渡されたロザリオを探す。

「あった」

ロザリオは僕の枕元に。

とても綺麗なハンカチの上に置いてあった。

「ママ」

ロザリオを手にしギュッと握りしめる。



「ヒオ、起きたか」

「雪、おはよう」

僕はベッドから飛び降りて雪にパフンと抱きついた。

「雪、ロザリオ本当にありがとう。凄い嬉しい」

「良かったな、女神様に感謝しなければな」

「うん」

雪の暖かい身体に抱きつき感謝のギューをした。

「雪、僕ね残りのケースね女神様への感謝も込めて大事に大事に作るね」

「そうか。だがヒオ、やりすぎるのは良くないぞ。お前はすぐに力を込めすぎるからな。力は昨日までぐらいに押さえていきなさい」

「うん。わかった」

僕はとてもいい返事したんだけど、なんとなく雪からはあきらめたような視線を向けられた。

大丈夫だもんね。

僕、大事に大事に作るもんね。


「ううーん」

その時ベッドの上から苦しげな声がした。

僕が伸び上がってベッドを覗くと、うつ伏せに寝たラクスト。

ちょっと近づくと

「お酒くさ」

そうラクストからは物凄いお酒の匂いが。

「ラクスト臭い」

僕は鼻を摘まみながら言った

「昨夜はアレスとギルマスと共に大量の酒を飲んでいたからな」

「そう。アレスは?」

「そこのベッドの下に毛布にくるまっているぞ」

「えっ?」

僕が反対側にまわって見てみると毛布のミノムシが1つ。

そーとそのミノムシの毛布をめくるとあちこち跳ねた髪をしたアレスが。

まだ熟睡していて起きる気配はない。

そして

「アレスもものすごくお酒臭い」

そうラクストぐらいに臭い。

僕はそーと毛布を元に戻した。



これは2人とも当分起きてこないだろうな。

でも僕、お腹空いたんだけど

「ねぇ雪」

「ん?」

「ラクストとアレスはこのままにして朝御飯食べに行こうよ。下のお食事も美味しそうだったよ」

「そうか、ではそうしよう」

雪は起き上がり、前後に大きく伸びをしながら、あくびをした。

「あれ?毛玉?どこ?ご飯に行くよ」

その僕の言葉にラクストの頭の横の毛布の固まりがゴソゴソと動き毛玉がピョコンと頭を出した。

そして、横にいるラクストの匂いを嗅ぎ

「ラクスト臭いー」

そう言って鼻にシワをよせると、今まで自分が被っていた毛布をラクストの頭に向けて後ろ足で蹴って被せ、満足すると伸びをしながらワザワザ、ラクストの頭を踏みながら僕の方へきた。

「ううっ」

とラクストの呻く声が聞こえたけれど、皆、無視して食事に向かった。


「おやっ、今日はラクストさんとは一緒ではないのかい?」

下の食堂に入った僕達に恰幅のいい、おばちゃんが話しかけてくる。

「うん。今日はラクストもアレスもまだ寝てたの。僕達お腹がすいたから、先に降りてきたの」

「そうかい。なんにする?」

「えーとね」

僕は周りを見回してみる

近くには冒険者らしい3人組のお兄さん達。

朝からしっかりとお肉を食べてる。

「雪と毛玉はあのお兄さん達と同じのを」

「雪、3人前でいい?」

僕は雪の方に視線を向けて訪ねる。雪は声には出さずに頷いた。

「毛玉は一人前?」

「ニャ」

「はいよ。で、お前さんはどうするんだい」

「僕はね。パンと卵焼きと薄焼きのお肉。後スープも」

「あいよ」

おばちゃんは返事をすると僕の頭をポフポフしてから歩いていった。


おばちゃんの出してくれたご飯はとても美味しくて大満足だった。

最後にミルクもしっかりと飲んで、お部屋に戻った。



お部屋では、まだラクストもアレスも寝てる。

これはお昼までは起きる事はなさそうだね。

それでもいいんだ。だって僕は今日もケースを作るつもりだったので。

僕は早速アレスの寝ている反対側のベッド横に座り昨日と同じように作り始めた。

 

一度作っているのでケースを作るのは実は大変ではない。それでも僕は1つ1つに思いを込めて作りたい。

今までだって皆が癒されるといいと思って作っていたけれど、昨日ママのロザリオを受け取ってから、僕の気持ちはさらに強くなっていた。


とつても大事たからこそ、綺麗にしていたいと思う。

僕のテントのお部屋に綺麗なケースに入れて、愛するママのロザリオを飾る。

それはとても幸せな事に感じた。

だから皆も、このケースにいれた遺品を見て、いつか幸せを感じてくれたらなって、癒されて欲しいなって


早く遺族が癒されるように、被害者の人が癒されるようにと、いっぱいの思いを込めて。



この時、僕は雪が僕の手元を見て、ため息をつきながら首を降っていた事に気付いていなかった。

そして、それを真似るように毛玉がため息をつきつつ首をふり、毛玉の為に出してあるクッションの上でクルクルと2周すると頭を前足の下にかくすようにして寝てしまった事も。


魔力が多いよって言ってくれれば良かったじゃないかー


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