4-EXTRA「とある酒場の雑談」
「あぁー! 畜生!」
「そんな荒れてどうした?」
「どうしたもこうしたもあるか!? 折角、苦労してブラックホーンブルを仕留めたっつうのに、帰りにフォレストウルフの群れに出くわして鎧はボロボロ、剣に至っちゃコレだぞ!」
「あ~あ、見事に折れてら」
「ブラックホーンの報酬をまるまる使って修繕だよ! これが飲まずに居られるか!?」
「ハハハ! そりゃツイてないな、お前も! そうゆう事なら、ホラ! 飲め、飲め! 飲んで忘れちまえ、んな事!」
「…そういや、この前からアイツ見かけねぇな?」
「アイツ? 誰の事だ? この辺じゃ昨日まで居た奴が今日には居ないなんて珍しくもねぇぞ」
「アイツだよ。エドガー!」
「……あぁ! あの獲物ぶっ壊された間抜けか!」
「ありゃ痛快だったな! 新人に突っかかって武器折られたアイツの呆然とした面ったら、今思い出しても笑えてくるぜ」
「いい気味さ! あの野郎、実質、Bランク並の実力あるからってこっちにまで自分の考え押し付けてきやがる! 居ねぇなら、いっそ清々すらぁ!」
「むしろ、あの新人の方がやべぇだろ。武器を圧し折るなんて、あんな簡単に出来ることじゃねぇ」
「いや、アレ偶々らしいぞ?」
「……そうなのか?」
「あぁ。なんでもエトガーの奴の武器が元々刀身にヒビ入ってたんだとさ。ヒビ入った武器を振り回したから折れたってだけらしい」
「なんでぇ、そんな理由かよ。単なるラッキーパンチじゃねぇか」
「そりゃそうだろ。本人があんな調子だぜ? どう見たら、強く見えんだよ? ありゃ単なるネズミだっつの!」
「ガハハハハ! 違ぇねぇ! 『野ネズミ』とはよく言ったものだ」
「まぁ、あいつの《アイテムボックス》のスキルは惜しいがな」
「《アイテムボックス》?! すげぇな! 今度、パーティーの荷物持ちに誘ってみるか!」
「止めとけ。何人か誘ったが、断られたらしいぞ? しかも、しつこく誘った結果、メイちゃんに嫌われたらしい」
「は? なんで、そこにメイちゃんが出てくんだ?」
「なんでも無理矢理パーティー組もうとして脅したら、メイちゃんが仲介に入ってきた睨まれたんだと」
「ってか、あの野ネズミ、なんたってメイちゃんと馴れ馴れしんだよ」
「なんか樹海の調査で知り合ったって話だぞ。それ以来、何かと目に付けて貰えてんだと。ケッ!」
「「「「「「ヤキ入れてやろうか、あの野郎!!」」」」」」
「…しかも、あの野郎、この前はメリッサちゃんとも親しげに話してやがっだせ!」
「なぁに!? 俺らの癒しを、どっちもかよ?!」
「「「「「「もういっそ、殺すか!?」」」」」」
「……おめぇら、マジで実行すんなよ?」
「「「「「「………………」」」」」」
「冗談だよな? そうだと言えよ!?」
「まぁそれはさて置き……」
「えッ? さて置くの!? むしろ話の捨て置き!?」
「なぁんか王都の方ででかい盗難あったんだとよ」
「清々しくスルーしやがった!? しかも、話題になんの脈絡もねぇ!」
「へぇ、なにやらかしたんだ?」
「しかも、食い付いたッ!?」
「ゴチャゴチャ、うっせーぞ! ……それで?」
「悪いの、俺!? 俺が悪いの!?」
「何でも本が盗まれたらしいぜ」




