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4-13「勉強嫌いに勉強させよう 魔法陣編」

一応、注意事項↓

魔法陣編と言ってますが、別に魔法についての講義があるわけではありません、念の為


今回、前後編の後編となります

 問題の形式を変更したのが功を奏し、黙々と問題を解くフレイを尻目に、俺も次の一手の準備に取り掛かる事にした。

 と言うのも、実は次の一手として繰り出そうと考えている物はあるのだが、肝心の問題がまだ出来ていないのだ。なので、今から問題を考える。

 幸いにして思いの外、フレイが問題に取り組んでくれているので、その時間もある。ホント、『□+□=10』のような問題を先に用意しておいて正解だったと、しみじみ思う。

 もし、この形式の問題すら嫌がるようなら、早々に詰んでいたところだ。

 さて、そんな事を考えている間も勿体ない。なるべく早く作って終わないと、流石にフレイも問題を解き終わってしまいかねない。

 俺は3×3のマス目を紙に描き、子供の頃に解いた覚えのあるとあるパズルの再現を始めた。


 しばし無言の時が流れる事、数分。

 チラチラと俺の手元を気にしていたフレイが、遂に我慢できなくなって俺に話しかけてくる。


「さっきから、何書いてんの?」

「ん~? 次の問題作ってるんだよ」

「えぇ!? まぁた、計算問題!?」

「まあ、計算と言えば計算だね」

「もう嫌だー!」


 流石に、何問も解いている内に勉強嫌いが再発して来たようで、駄々を捏ね始めるフレイ。

 だが、今作っている問題は確かに計算問題――ってか足し算の問題ではあるが、これはこれまでとは一味違う。何が違うのかと言えば、コレは勉強と言うよりは遊びの領分なのだ。しかも、であるにも関わらず、計算力も自然と身に着ける事も出来てしまう。まさに、勉強嫌いには効果抜群の問題であると自負している。

 そんなわけで、ああでもない、こうでもないと脳内で試行錯誤しながらも、ようやく問題は完成した。



--------------------------------------------

2□□

□5□

□38

---------------------------------------------


 難易度がどの程度なのかは、正直、自分じゃ分からない。

 多分、3×3マスの問題だし、そこまで難易度は高くない――――はずだ!


「何、このマス目?」


 計算問題と聞かされて身構えていた所に、虫食い状態のマス目と数字が描かれた紙を渡されポカンとした顔をして、こちらを見やるフレイ。

 この紙をどうしたらいいのか分からず、戸惑っているのがよく分かる。


「これは足し算を使ったパズルの一種さ。君は、パズルをやったことあるかい?」

「ジグソーパズルくらいはやった事があるけど、コレがパズルなの?」

「これも立派なパズルさ。じゃあ、ルールを説明しよう」


 察した人も居るかもだけど、これは魔法陣と呼ばれる数学パズルの一種である。

 ルールは単純。

 1から9までの数字を一つずつ使って、マスの縦と横の数字を足した時にその答えが一緒になるように抜けた数字を埋めていく、ただそれだけである。

 つまり、この問題で言うと、「2」「3」「5」「8」の数字は既に提示されているので、それ以外の「1」「4」「6」「7」「9」の数字を空欄に正しく埋めてくわけだ。


「なんか、難しそう……」

「一つずつ、着実に埋めていけば、何だかんだで解けるもんだぞ」

「えぇー……絶対難しいよ~」

「めげるの速いな~。じゃあ、ヒントをもうひとやろう! このパズルは、数字を正しく埋めると縦も横も足した数は15、だ。これなら、なんとか解けそうじゃないか? たとえば、こことか」


 そう言いながら、俺はマスの真ん中の縦の列を指さす。


「この列は、既に5と3が確定してるだろ? で、この列の数字を足した数が15になる。これも決まってる事だ。と、言う事は?」

「う~ん、と……15から、5と3を引く? と……あ! 7、だね!?」

「そうゆう事! なら、今度も同じ手順で……」

「一番下の横の列が解ける!」


 要領が分かってきたのか、フレイは嬉々として魔法陣に取り組み始める。

 先程までの黙々と問題を解いていた時と違って、鼻唄混じりにペンを走らせており、その表情はいかにも楽しげに笑っていた。


   ◆


 その後、最初の問題を解いたフレイに次の問題をせがまれ、頭を抱える事になったのは余談である。

 なにぶん数学が得意だったわけじゃないので、問題を新たに作るのにも能力的に限界がある。

 以前解いた記憶を必死に思い出し、思い出した数字を書き出して、実際に解いてみながら悶々と問題を考え続けてようやく完成した第二問をフレイに渡す。

 フレイのやる気は満々で、それは第二問の魔法陣を渡しても変わる事なく、すぐさま机に向かった程なので、とりあえず良しとする、か?

 そもそも、家庭教師として、この依頼は成功って事で良いのかな? その辺も、どうなんだろ?

 それと、俺が思うに、フレイの頭は悪くないと思う。むしろ、賢い。勉強嫌いさえなくなれば、現状でも足し算、引き算に問題点や不安な点はまず無い。その辺も合わせて報告したら、達成扱いにしてくれるんじゃないか? 等と思いながら、俺ははアンドリュース家の屋敷を後にした。


 しかし。


---------------------------------------------

□  60  □

□  35  □

40  10  □

--------------------------------------------


 なんとか記憶を頼りに作り出した問題なんだけど、数字が二桁なんだよねぇ……。

 ――――フレイに解けるかな?


作中の数学パズルは実際に解けます。

実際の所、難易度も低く設定されてますので、興味があれば暇つぶしにどうぞ!

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