3-EXTRA「彼の後を追わされて①」
この話は天使アズエル視点の前後編です
主様が放った光に包まれるように、ハセ・タケユキの姿は影のように掻き消えていった。
ふぅ~、これで仕事が終わったー!!
「よし、寝よう」
「寝るな! バカたれ!」ゴチン!
私の呟きを聞き逃さず、私は主にボコられ――――もとい殴られ――――でもない、アイノムチを受ける。
いい加減、本当に私の頭は破裂すると思う。それでなくても、変形してくるんじゃないかな? ――――いや、もうしてる? してたらどうしよう?
このパワハラは、どこに訴えれば良いのでしょうか?
「訴えたければ訴えよ。尤も、それを受理するのも、裁くのも儂じゃがの」
「とんでもない独裁体制!?」
「人聞きが悪いわ!」ゴチン!
「~~~ッ!!」
私は頭を抱えて、悶絶する。
さっきの人も言ってたけど、最早、某海軍の英雄よろしく素手で大砲を撃てると思う主様。
私の頭が砲弾の代わりに吹っ飛ぶ日もそう遠くはないに違いない(遠い眼でしみじみと)。
――――いや~私が悪いのは分かるんですけどね…。
「まったく……。そんな事より、先の奴はちゃんとヴァイスに送り届けたのだろうな?」
「…………へ?」
「…………」(疑心に満ちたジト目の主様)
「…………」(忘れ物を思い出して滝の様な冷や汗を流す私)
「ア~ズ~エ~ル~!?」
「えぇ~と、ですね? ちゃんと、ヴァイスには行ってると思いますよ? 行ってるはずです。行ってます! えぇーそうですとも! 間違いありません! 彼はヴァイスに行きました!!」(めっちゃ必死に!!)
「……ヴァイス、には? のう、アズエルよ?」
「……」
「説明せよ」
「えぇーそのーですね? なんと言いますか……。意見の食い違いとー言いますかー。その~……」
「アズエル?」
「ひぃ! うっかり座標設定を忘れてました!」
「アホか!!!」(それと同時に、主様の高速回し蹴りが私の脇腹に命中!)
途端、私は流星になった――――
「つまり、面白がってスキルを吟味してて時間が無くなり、焦って適当に使えそうなスキルを詰め込んで安心し、座標を設定するのを忘れていた、と。そうゆう事か?」
「まったくもって、その通りです」
何光年も吹っ飛ばされてから転移で戻って来た私は今、正座して主様の説教を受けている。
「はぁ~……」
「ため息を吐くと、幸せが逃げるらしいですよ?」
「誰のせいじゃ誰の!? まったくお主という奴は~!」
主様はそう愚痴ると、創造神専用のデバイスを取り出して何やら操作し始めた。
その間も、私はずっと星座である。――――足が痺れてきた。もう限界が近い……。
そんな事はお構いなしに操作する主様は、やがて表情を曇らせた。
――――あぁーコレはヤバいパターンだわ。
私は悟った。長い経験によって。
コレは絶対、直後に小言と一緒に渾身の拳骨が来るな! と。




