3-11「なんやかんやで登録完了」
一方的に絡まれて、(スキルを駆使して)自衛したら、ギルドマスターの執務室に連れて行かれた。
今の俺の状況を説明すると、こうなる。
「なんで、こうなった……?」
しかも、絡んできた張本人たるエドガーは、呆然と剣(の残骸)を見ていたと思ったら、いつの間にか居なくなっていた。――――お前が一番の原因だろうが!?
んで結局、その場に居た(被害者のはずの)俺のみ事情聴取の為、執務室送りと相成った。
――――納得いかん!
とは言え、相手はギルドマスター。この場の最高責任者である。まぁ逆らえるわけないよね。
「とりあえず、お前だけでもいいから執務室まで来い」と言われて、「分かりました」と間髪入れずに答えましたとも。
そんなこんなで、ギルドマスターの執務室。
近代建築に慣れている現代っ子の感覚からすれば石造りの壁に包まれた執務室と言うのは、なにやら重厚感があった。一方で、同時に物珍しさというか、ヨーロッパ辺りの古城とかそんな類の観光名所にでも来たようなある種の昂揚感もある。
部屋自体は、間取りが広く取られていて、来客用と思しき大型のテーブルと数脚のイスが部屋の中央に設置され、奥には執務の為の専用テスクがあった。
「まぁその辺に適当に座れ」
ギルドマスターが、テーブル周りにあるイスを示しながら、言う。
その後は、ホントにただの事情聴取に終始したので割愛する。
一応、一連の騒ぎは完全な正当防衛で自分は被害者である、という点は主張させて貰った。
一通り話を聴いたギルドマスターも、その点は納得してくれたようで、すぐに解放される。
まぁ実際、俺は何も悪くないしな。
謂れのない因縁を吹っ掛けた挙句に逃げたエドガーに対しては、後ほどペナルティーを科すとの事だったので多少は溜飲が下がったものの、なんとも言えないモヤモヤ感は残ったが概ね解決と言った所かな。
「なんというか、災難でしたね」
執務室から解放されて再びギルドのホールに戻って来た俺は、呼び出しを受けた俺が戻ってくるのを待っていた受付嬢さんに呼びかけられカウンターまでやってきていた。
「どうも今日はツイてないみたいで」
「気を落とさないで下さいね。と、では、こちらがプレートになります。ご確認ください」
受付嬢さんが手渡してきた物は、クレジットカードくらいの大きさの金属製のプレートである。
表面には俺の名前が彫り込まれ、裏面には意味の分からない幾何学模様。
会員証のようなものだろうか?
「そのプレートが、貴方がギルドの所属である事を示す身分証となります。では最終登録を行いますので、一旦プレートをこちらに置いて頂けますか?」
促されるまま、水晶をくり抜いて作った硯みたいな置物の上にプレートを乗せる。
「では続きまして、こちらの水晶玉に手を乗せてください。――――はい。もう良いですよ」
言われるがままに水晶に手を乗せて数秒で作業が終わったらしい。
何をされたのか、全く分からないが問題なく終わったようだ。
「個別魔力パターンの登録が完了致しましたので、以上で登録は完了となります。
これで貴方も晴れて冒険者となります。今後のご活躍に期待してますね」
途中、ゴチャゴチャしたが、とりあえずコレで目的は果たせたようである。




