表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その転生者はスキルも魔法も【視て盗む】〜異世界転生ものが大好きな男の異世界転生〜  作者: 空茶日
第6章 東の森のスタンピード

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/84

第68話 女神の使徒(無許可)

ちゃんと許可はとりましょう


 冒険者ギルドで顔合わせを行った翌日。


 宿の食堂で朝ご飯をモリモリ食べていた俺は、同じテーブルでパンをパクついているローグを見てふと思う。なんだかんだで「こいつにこの街を案内するの忘れてたな」と。


 せっかくだから、声をかけてみようか。


 ちなみにカトレアはこの場にいない。今日お休みのソフィと、朝早くからどこかに遊びに行った。


「ねえローグ。案内がてら街に出かけない? まだどこに何があるかとか、よく分からないでしょ?」

「モグモグ……ゴクン! それはありがてー申し出だぜ! ぜひ頼むわ」

「ばっちこい」


 秒で話はまとまった。


 食べたら準備しようか……と言いかけたその時、ターシャさんに声をかけられる。


「ルイン、あんたにお客さんだよ」

「俺に? 誰が来たの?」


 と言ってはみたものの、実は心当たりがない訳ではなかったり。


 昨日の顔合わせで、聖エルディライト法国の話が出たからね。なんとなく、そろそろ来ちゃうんじゃないかな〜とは思ってた。そしてその予感は的中する。


「修道服を着た女の子だよ。セシリアって言えば分かるってさ」

「行動力がすごい」


 たしかに来るかもな〜とは思ってたけど、実際に来るまでが早いって。


 彼女が王都に戻ってからそこまで時間経ってないじゃん。聖女って普通、そんなフットワーク軽い存在じゃなくない?


「ちょうど食べ終わったし、すぐに行くよ」

「あいよ。受付のところで待ってもらってるから、早く行ってやりな」

「かしこまり」


 ということで、ローグと一緒に聖女の元へ。


「お久しぶりですっ、ルインさん!」

「久しぶりだねセシリア。全然そんな気はしないけど」


 俺たちを視界に収めた瞬間、ぱあっと光り輝くような笑顔を浮かべるセシリア。ちょっと眩しいので抑えてもろて。


「この人が噂の聖女様かぁ。オイラはローグだ。よろしくな!」

「ルインさんのパーティーの方ですね。よろしくお願いします」


 初対面の二人が挨拶を交わす。それが終わったところで本題に入る。


「それで今日はどうしたの? わざわざ挨拶に来てくれた感じ?」

「それもあるのですが、せっかくですので一緒にお出かけしませんか?」

「えっと……今からローグに街の案内をしようと思ってたんだけど。一緒でもいいなら」


 そう言うと、ローグが横から口を挟んだ。


「オイラはまた今度でも構わねーぜ」

「先約はキミでしょうが。ってことでローグもセシリアも3人一緒でいい?」

「「もちろん(です)」」


 話はまとまったので、早速準備して街へ繰り出そう。とその前に、


「セシリア。教会の関係者達は?」

「街の住人に紛れてますよ」


 愚問だったわ。


 なんで街の住人に紛れる必要があるのかは、ちょっとよく分からないけど。きっと何か深い理由があるんだろう。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




 とりあえず宿を出て、適当に歩きながら作戦会議。


「さて、まずはどこに行こうか」

「美味いものがある店」

「今さっき朝ごはん食べたばっかじゃん」

「そうだったか?」


 ローグが物忘れの激しいお爺さんみたいな事を言い出した。お昼まで我慢しようね。


「ではリーン教会はいかがですか? 実は私たち、この街の滞在中は教会でお世話になるんです」

「そうなの?」

「はい! なので今、改築中なんですよ!」


 それはアリかもしれない。


 ゼン、ロイド、フローラをはじめとする子ども達の現状が、気にならないと言ったら嘘になる。


 エカテリーナさんとも久々に会いたいし。


「ローグ、それでいい? その後に美味しいご飯を食べに行こうか」

「オイラは構わねーぜ」

「決まりですね! それじゃあ行きましょうか」


 そう言ってセシリアは、おもむろに手を"パンパンッ"と打ち鳴らした。


 すると、大通りを行き交っている馬車の1台が、列から外れてこちらに寄ってくる。やがて目の前で停止した馬車の御者台から、初老の男性が降りてきて口を開いた。


「お呼びでしょうか、聖女様」

「ええ。リーン教会までお願いします」

「御意」


 色々おかしい。……なんか没入型のアトラクションでも体験してる気分だよ。


 そして俺とローグが口を挟む隙もなく、あれよあれよという間に俺たち3人は車上の人となった。



 ───ガタンゴトン



「ひどい権力の使い方を見た気がする」

「聖女ですから」

「聖女ならなんでも許されると思っちゃダメだからね?」


 この街にいる間に、セシリアに一般常識を教えてあげきゃいけない。……エカテリーナさんオナシャス。


「そういえば、教会を改築してるって言ってたけど」

「はい!」

「何人ぐらいで押しかけたの?」

「機密事項です」


 えぇ……。


「てかよ、ルイン。街の案内を兼ねてって言ってたのに、馬車で移動したら意味なくねぇか?」


 気付いちゃったか。なるべくそこには触れないようにしてたのに……。


「まぁ、たまにはこんな時もあるさ」

「別にいいけどよ……ん?」


 ローグがさらに何かに気付いた。少し遅れて俺も気付く。


「めちゃくちゃ工事の音してるね」

「突貫工事です! 教会本部から連れてきた大工さんが頑張ってくれてます」

「教会本部に大工さんがいたってことに驚くんだけど」


 御者さんやら大工さんやら、リーン教会は一体どこを目指しているのだろうか。


 そういえばファランダールの屋台では、売る側も買う側も教会関係者だったな。まさに人材の宝庫である。


「あ、着きましたね」


 馬車が教会前で停車する。


 すぐに御者さんが扉を開けてくれたので、ローグ、俺の順に先に降りてからセシリアをエスコートする。たしか異世界転生ものの主人公達は、みんなこうしてたから間違っていないはず。


「ほい、セシリア」

「あ、ありがとうございますっ!」


 ……少しセシリアが挙動不審になった気がするけど、なんだろうか。作法とかマナー的なものをミスった訳じゃないよね?


 俺達が全員無事に降りたのを確認すると、馬車は元来た細い道を器用にUターンして戻っていった。


 ここでセシリアに手を"パンパンッ"ってしてもらったらどうなるか、すごく見てみたい衝動に駆られたが、グッと堪えて教会の方を向く。


「なんぞこれ」

「……すげぇ」


 なんかすごいことになってる(小並感)


 以前来た教会自体は補修などで綺麗にしただけだが、その周りの土地に新築のアパートみたいな建物がわんさか建っている。


 それだけではない。教会の裏手には、これまた立派な邸宅が建てられている。


「セシリア、この立派なお屋敷は?」

「シスターエカテリーナと孤児達の住む家です! 今のように教会に住みこみだと、少し手狭ですからね。ちなみに、私もここにお世話になる予定です」


 この返事はまあ予想通りだ。問題は、


「じゃあ、周りにある集合住宅は?」

「王都から一緒に来た教会関係者の寮です」

「どんだけ連れてきたんだよ!」


 来る時、絶対に大名行列みたいになってただろソレ!


「てかスタンピードのこの時期に、よくそれだけの人間を連れて来れたね」

「神託がありましたからね」

「おぅふ」


 おっと。キラーワードが飛び出したぞ。全力でスルーしよう。


「女神様はなんて言ってたんだ?」


 と思った矢先に、純粋なローグくんが尋ねてしまった。チッ、余計なことをしてくれる。


「女神様はおっしゃいました。『我が使徒ルインがいる限り、ヴォルクスは安全である』と」

「ついにやらかしやがった!」


 しかも特大の爆弾仕込んだ割に、神託そのものは大したこと言ってない!


「ルイン! おまえ使徒様だったのかよぉ!」


 ローグが目をキラッキラさせて詰め寄ってくるが、俺も初耳である。

 ツッコミどころが満載だが、これだけは言わせてほしい。



 ……拒否権はありますか?


 

めがみ「そこに無ければ無いですね」



面白かったらブクマしてもらえると嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ