第60話 11階層にひと狩りいこうぜ
ちなみに作者はモンハンをやった事はないです。いつかやりたい。
──カタカタッ
「いつ来るのかなぁと思ってたけど、ここで来たか」
──カタッ、カタカタッ
聖女セシリアが当たり屋みたいなことをしてきた翌日。俺たち"アルゴスアイズ"の姿はダンジョン11階層、石造りの通路にあった。
先のオレの発言は、目の前を徘徊するスケルトン2体を見て放たれたものである。ダンジョンなら絶対どこかで出ると思ったよ。アンデッド系の魔物。とりあえず【鑑定】。
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スケルトン
レベル11
魔法
なし
スキル
・パッシブスキル
【不死】
・アクティブスキル
なし
称号:なし
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アンデッドってスキルだったのか……。
「どうやって動いているのかしらね」
「それは昔オレも考えたことがあるな」
「今鑑定したら【不死】ってスキル持ってたよ」
「そういうことだったのね」
疑問が解けてスッキリした顔のカトレアとビルの横で、ローグがちょっと暗い顔をしている。
「オイラとは相性悪そうだぜ……」
俺たちの中で、スケルトンに有効な攻撃手段を持ってないのはローグだけだもんね。
「魔法もあまり効かないのよね。光魔法は例外だけど」
訂正。ローグとカトレアの2人だ。
「今後のためにも、何が効率良いか色々試してみよう」
「賛成だ。じゃあオレから行くか?」
「ボクがやるぞ!」
ここでエルルが意気揚々と名乗りを上げた。……あからさまに骨に有効そうなハンマーをその手に持って。
「おけ。じゃあまずはエルルからいってみよう」
「おー!」
…………結果、ハンマーで叩き潰せば楽勝だった。
「知ってた」
「スケルトン系統にはやっぱり打撃武器ね」
この世界でも常識のようだ。
「次はオレがやろう」
「おけ。じゃあ次はビルがいってみよう」
…………結果、【シールドバッシュ】で1撃だった。
「知ってた」
「粉々になってたわね」
この階層もレベリングに良いかもしれない。
「ドロップは……赤い石?」
スケルトンが光に還った後に、ルビーみたいな赤い石が落ちてた。これは多分魔石じゃないかな。ほい【鑑定】。
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魔石
魔力が結晶化したもの。純度によって価値が変わる。
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ほらね。
「ここはドロップ率も結構高いね。少しこの階層で経験値ついでに生活費も稼いでいこうか」
「良いんじゃないかしら。階層がローグのレベルに追いついちゃったし」
「異議なしだ」
「だぞ!」
「だぜ!」
ということで、この階層での狩りが始まった。
カトレアの探知魔法があるので、めちゃくちゃ効率が良い。他のパーティーは魔物とのエンカウントは、完全に運に左右されるから大変だな(他人事)
そしてカトレアに導かれるままに進み、スケルトンと遭遇。……次はオレがやらせてもらおう。
「いくつか試したいから俺が行ってもいい?」
「いいぞ。一応いつでも【カバー】できるように備えておくから好きにするといい」
「ありがとう」
お礼を言ってスケルトンでの検証を開始した。
【水鏡】……普通に斬れるけど、2つになったスケルトンが普通に襲ってきた。これは没だな。下半身だけで動く姿はまさしくホラーだった。
【炎剣】……2つになるところまでは【水鏡】と同じ。ただ、その後が問題だった。燃える骨が襲いかかってくるのである。俺に影響はないが、ただ面倒くさくなっただけだった。
【通打】……実はこれが本命だ。思った通り、ビルの【シールドバッシュ】と同じような結果になった。粉々である。
【ヒール】……ゲームなんかではお馴染みの『アンデッドには回復魔法』も一応試してみたところ、これも1撃で天に還った。ただ、ちょっと恍惚とした感じの骸骨フェイスがとても気持ち悪かったので、あまり使いたくない。
「ってな結果だった訳なんだけど」
「普通に【通打】で良いんじゃない?」
「俺もそう思う」
この結果ならそうなるわな。
「じゃあ、ここからは効率的にじゃんじゃん狩っていこうか。1撃当てないと経験値入らないかもしれないから、カトレアとローグも軽くペチペチやってね」
「「了解」」
さぁ、一狩りいこうぜ。
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がむしゃらに11階層のスケルトンを狩りまくった結果。
「【サーチ】! ……全然魔物の反応がないわね」
どうやらほとんど狩り尽くしてしまったようだ。その甲斐あって俺、カトレア、ビルのレベルがそれぞれ1ずつ上がってレベル14に。ローグに至っては2も上がってレベル13になった。
「ヤベェ。朝と体のキレが全然違う気がする。1日でレベルが2も上がると違和感がすげぇぜ……」
それは慣れてくれとしか言えない。
「マッピングもいい感じに進んで地図はほぼ埋まったし、12階層に降りちゃおっか」
「もうここにいてもしょうがないし、良いと思うわよ」
「それにしても宝箱が全然見つからんな」
「それな」
今のところ発見数は0である。これは俺たちの運が悪いのか、ただ単にそれだけレアなのか。両方な気がするなぁ。
「とにかく12階層の転移装置を解放したら、ギルドで素材を換金しよう」
なんせ俺たちの手元には、11階層ほぼ全てのスケルトンの魔石があるのだ。レベルのおかげで重くはないけど、かさばり過ぎて邪魔ってレベルじゃなくなってる。
ほら、ローグが魔石入りの袋を背負ってるせいで、パッと見サンタクロースみたいになってるじゃん。早く売っぱらってあげないと。
という訳でね。チャチャッと転移装置で帰還後、ギルドに向かうことにした。
※ ※ ※
──パタンパタン
ギルドに到着後、受付カウンターに向かって歩いていると、カトレアに話しかけられる。
「すごく周りから見られているわね。……怯えた目で」
「そうだね。というか、あれだけ暴れたら冒険者達のまとめ役みたいな奴が「ナメられてたまるか!」とか言って出てくるかと思ったんだけど、いないのかな?」
「あいつならちょっと前にリアラにボコボコにされて、この都市を出ていったぞ」
第3者の声がしたのでそっちを見ると、ギルド長のフィアーナがいた。
「……何をしたんだ、そのまとめ役」
「聞きたいか?」
好奇心は猫をも殺す。下手にツッコむのはダメ、絶対。
「やめとくよ。それよりどうしたの? 何か用?」
「あぁ、さっきまで聖女様が来ててな。お前に伝言を預かってる」
「セシリアが?」
今度は何だろうね。昨日の今日でどうしたというのか。
「ああ。『無事に巡礼を終えることができましたので、明日王都に戻ります。近いうちにヴォルクスに行けるように計らいますので、またお会いできる日を楽しみにしていますね!』だそうだ」
……いや、無理に来なくて良いんだよ? だってこれ、絶対に厄い事が起こるフラグじゃん。
「アッハッハ! やるじゃないか色男。いつの間に聖女様とお近づきになったんだ?」
楽しそうに笑うギルド長。横ではカトレアが、呆れやら怒りやらを宿した瞳で俺を見ている。……痛い痛い! 視線が刺さってるって。
「ルイン、あなたね……。ソフィを泣かせたら殺すわよ」
「ちゃうねん」
「そういえばルインはタラシだって、ソフィが言ってたぞ!」
「ちゃうねん」
「ルイン、お前いつか刺されそうだな」
「ちゃうねん」
もはや俺にできる事は、心を殺してなんとかこの場をやり過ごすことだけであった。
ちなみに、スケルトン魔石の1日の売却量は歴代1位を記録したらしい。
カトレアは完全にソフィの味方です




