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その転生者はスキルも魔法も【視て盗む】〜異世界転生ものが大好きな男の異世界転生〜  作者: 空茶日
第1章 辺境の村シーズ

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第4話 違う、そうじゃない



 Cランク冒険者パーティー”フェザーテイル”がシーズ村に到着した翌日のことだった。


「そうきたか」


 急に魔力の巡りが良くなった気がしたので、秘密基地でステータスをチェックしたのだが。



───────────────


ルイン


レベル1


魔法;なし


スキル:【視て盗む】【魔力操作】


称号:転生者


───────────────



 お分かりいただけただろうか?


 奥さん、【魔力操作】ですってよ!


 間違いなく、魔法を使うなら持っておいて損はないスキルだろう。実際に魔力循環が、体感で分かるレベルでやりやすくなっているしね。


 とにかく、自力でスキルが生えることが分かったな。これはかなりでかい。


 というのも、最初にスキル【視て盗む】を見た時に思ったのだ。


『もしかして俺って、コレ以外でスキルの取得ができないんじゃないか』と。


 明らかにユニークくさいスキルだ。そのくらいのデメリットがあってもおかしくないと考えていた。その懸念が良い意味で裏切られて、かなりホッとしている。


 そして、


「これはメチャクチャ楽しいな」


 そう。いくら頑張っても報われることなんてほとんどなかった前世と違って、できるようになった事は体感で分かるし、スキルという目に見える形でステータスにも表れるのだ。これが楽しくない訳がない。


 前世からずっと、こういう『異世界転生もの』が大好きだったのだから尚更だ。


 さらに言えば、俺には【視て盗む】がある。他の人よりスキル習得は容易だろう。容易というか、もはやズルのような気がしないでもないが気にしてはいけない。いいね?


 結論、俺がこの考えに至ったのも当然である。



「決めた。冒険者になろう」



 冒険者ほど多種多様なスキルに触れられる職業も、そうはあるまい。というか、俺には他に思いつかない。


 家はウィル兄さんが継ぐから、どのみち俺は家を出ないといけないし。


 普通に働くのは前世で嫌と言うほどやったんだ。どうせなら、この世界でしか体験できないことがしたい。


 色んなスキルを手に入れて、それを使って楽しく生きていく。そしてまた、新たなスキルを手に入れる。


 最高の永久機関じゃないか!



「そうと決まれば、"フェザーテイル"の3人が村にいるうちに、冒険者について色々聞きたいな」


 さて、どうすべ。と秘密基地から帰宅しながら考えていたその時。


「おっ、ガルフが言っていた子じゃないか」

「昨日ぶりじゃのう、ルイン坊」

「この子が昨日話してた子ね!」


 件の冒険者たちが現れた。なんてタイムリーな。


「ガルフさん! それに、アルさんにテレーゼさんもこんにちわ!」

「おう!」

「こんにちわー!」


 アルはニカっと笑って、テレーゼは軽く手をフリフリしながら応じてくれた。


 方向的にこれからボアがいる森に行くっぽいな。今、冒険者について聞くのはやめとこう。


「これから森ですか?」

「おうよ。まずはガルフに探知魔法を使ってもらって、ボアを軽く間引きながら巣の捜索だな。流石に今日は無理だろうが、数日中に位置が分かれば上出来だ」


 探知魔法! ぜひ俺も覚えたいです。


「そうなんですね。気をつけてくださいね」

「おうよ。んじゃ、行ってくるわ」

「またね!」


 軽い挨拶を済ませた後、3人は森へ向かっていった。




 それからしばらく。


「よし、行くか」


 え? もちろん後を追うよ?


 これはチャンスだ。冒険者が魔物との戦いで、スキルを全く使わないなんてことはおそらくないだろう。


 『異世界もの』のテンプレだと、追って行った先で危険な目に遭ったりするんだろうけど、安全圏の木の上から遠目で見る分にはボアも手は出せまい。


 そんなに離れて、ちゃんとスキルが視認できるのかって?


 それについては問題ない。



 ……前世から『眼』の良さには自信があるんだ。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




「アル! そっち行ったわよ!」

「了解だ!」


 ボアの巨体から繰り出される突進を、危なげなくサイドステップで回避するアル。すれ違いざまに胴を斬りつけるが、浅い。


「ブルルルルルル!」


 ザッ……ザッ……。


 怒りの形相で振り返ったボアが、足を何度も踏み鳴らす。


「また突進が来るぞい!」

「おう。次で仕留める。俺だけで大丈夫だ! 2人とも、魔力と矢は温存しとけ!」

「分かったわ! よろしく!」


 ザッ。ザッ。ザッ……ダッ!!


 ボアが再度、アルに向けて突進した。



「フンッ! 【スラッシュ】!」



 真正面から迎え討ったアルは、上段の構えから凄まじい速度で剣を振り下ろす。

 激突の瞬間、1人と1体を中心に衝撃が吹き荒れた。


 はたして、最後に立っていたのは……。


「……ブル…ルゥ……」


 顔面を中心から割られ倒れ伏したボアを、剣を向けたまま油断なく見下ろすアルであった。



「お疲れ、アル!」


 もう危険はないと判断し、テレーゼとガルフがアルのもとに寄ってくる。


「これで3体目か? とりあえず今日はここまでにしとくか」

「そうじゃな。血抜きをして持てる分だけでも村へ持って帰れば、皆も喜ぶじゃろうて」

「今夜はお肉ね! 楽しみだわ!」


 それから手早く処理を済ませ、あっという間に帰り支度を整え帰路に着く3人。


 しかし、歩き始めてすぐにガルフが足を止め、何処か遠くを見つめた。


「……あの距離から見えとるか。大したものじゃ」


 立ち止まったガルフに、アルが声をかける。


「どうした? 行こうぜ」

「そうじゃな」


 今度こそ、3人は村へ帰還したのだった。





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




 かなり離れた場所にある木の上。


「やっぱりガルフにはバレてたか」


 ガルフの視線の先にいたのは、もちろん俺だ。


「まぁ、探知魔法持ちを誤魔化せるとは思ってないけどさ」


 視線が通る場所を探すのに、だいぶ手間取ってしまった。

 結局さっきの戦いしか見ることができなかったが、アルの【スラッシュ】はこの目に焼き付けたぜ!


 例の説明文にあった『条件』ってのが、よく分からないからちょっぴり不安だが……。


 さぁ、ちゃんと”視て盗め”てるかな。


「どれどれ。『ステータス』」


 ヴォン


───────────────


スキル:【視て盗む】【魔力操作】【突進】


───────────────



「違う、そうじゃない」



 どうしてこうなった!



SZKMSYKさん好きなんですよね

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