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その転生者はスキルも魔法も【視て盗む】〜異世界転生ものが大好きな男の異世界転生〜  作者: 空茶日
第3章 Cランク昇級試験

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第29話 冒険者ギルドで熊さんに出会った


 Cランク冒険者昇級試験当日の朝。


 俺は時間に余裕を持って、冒険者ギルドへ向かった。異世界ものには欠かせないテンプレイベントにワクワクしてしまって、早く目が覚めてしまっただけとも言う。


 いつもより、ちょっぴり勢いよく入口のスイングドアを開く。オッスお願いしまーす!


「……おい、あの子供が受験者か?」

「だな。腕の方も"フェザーテイル"のお墨付きらしい」

「マジかよ! あの年でそんな強ぇの!?」


 周りからそんな声が聞こえてきた。ギルド内では全く目立つ行動はしていないのに、意外と知っている人は知っているものらしい。


 とにかく、まずは受付に行かないと。おっ、アンナさん発見。


「おはようございます、アンナさん」

「おはようございます、ルインさん。昇級試験、頑張ってくださいね。お時間がくるまでは、2階の会議室でお待ちください」


 すでに話が通っているのか、スムーズだな。


「分かりました。それでは」

「ご武運を」


 受付カウンターを離れ、階段を2階に上がると会議室はすぐそこだ。足早に向かい、扉を開けると。


「……」

「……」


 街の熊さんに出会った。



  ※  ※  ※



「おはよー! ルインの方が早かったかー!」


 エルルが会議室に入ってきた。


「ビル! この子がエルルだ。俺たちと同じ受験者の」

「おぉ、今話していた子だな? オレはビルだ。よろしく頼む」

「ボクはエルルだぞ! ビルはおっきいなー!」


 あっという間に打ち解けた俺とビルに、エルルが加わる。


 そう。話してみると、この熊さんはすごく良い熊さんだった。


 彼に聞いたところ、獣の血の方が強く現れた獣人族らしい。見た目は2足歩行の熊が重装備している感じ。デカい盾を持ってるし、どこからどう見てもタンクですね。


 「……子供が2人もいるじゃない。どうなってる訳?」


 エルル登場から間を置かずに、最後の1人が到着した。


 ウェーブがかった青髪の女の子で、歳はたぶん15、6くらい。この子は人族かな。気が強そうな感じだ。


 少々ピリついた空気が流れかけた瞬間、我らがエルルによって爆弾が投下された。


「子供ってもしかしてボクもかー? あっはっは! よく間違われるけど、ボクは今年で21だぞー!」


「「「……はぁっ!?」」」


 受験者達の心がひとつになった瞬間である。


「……え、あ、ごめんなさい。……もしかしてあなたも?」


 エルルのせいで、俺の年齢まで疑われ始めてしまった。


「いや、俺は普通に12歳だよ」

「そ、そう」


 露骨にホッとしている。……さてはこの子、結構面白い子だな?


 この流れで、ギルドの担当者が来る前に軽く自己紹介を済ませる。


 ビルがやはりタンクで20歳。熊人族で、話した感じ性格はおおらかなお父さんタイプ。

 青髪女子は名前がカトレア、魔術師で歳は15歳らしい。おそらくツンデレだろう(偏見)

 エルルに関しては、説明はシンプルだ。『デカいハンマーでぶっ叩く女ドワーフ』、以上。


 そこに俺を加えた4名が、今回のC級昇格試験の受験者である。



「おっ、全員揃ってるな」


 4人でワチャワチャしていると、程なくしてギルド長ルーカスがコンニチワしてきた。


「あれ、ギルド長が直接説明するの?」


 みんなが思ったであろうことを、俺が代表して聞く。


「万が一にも不正があってはいかんからな。現地にも俺が同行する」

「なるへそ」


 迷惑系冒険者は絶対にランクアップさせないという、ギルド側の鋼の意志を感じる。昔、なにかあったのかな? ……あったんだろうな。


「とはいえ、ある程度は事前に説明が済んでるしな。今更説明することはほとんどない。東の森にある洞窟に拠点を構えた野盗どもの殲滅、以上だ。方法は問わん、4人で連携して達成しろ」

「その情報のみで、どうやって達成するかを見るってことね」

「その通りだ」


 青髪魔術師のカトレアが確認をとると、間髪入れずに是、と返ってきた。


「他に質問はあるか? なければ早速出発しようと思うが」


 ……どうしようかな。この試験内容を聞いてから、ずっと気になってることがあるんだよね。知ったところで『だからなんだ』って話ではあるんだけど。


 うーん、聞くだけ聞くか。


「ん? ルインか。なんだ?」


 挙手した俺にギルド長が尋ねる。




「それ、本当に野盗?」

「……」


 俺とギルド長の目が合う。その反応で大体分かったよ。


「「「?」」」


 他の3人は、俺の質問の意味が分かっていないようだ。


 ややあって、


「野盗じゃなければ、なんだというんだ?」

「……いや、やっぱいい。別にそのやり方を否定したい訳じゃないし」

「そうか。聡いな……伯爵が気に掛けるだけの理由はある、か」


 変な空気になってしまったが、改めて出発だ。




 ギルドを出て東門へ向かう途中、ツンデレに違いない魔術師カトレアに話しかけられる。


「ねぇルイン。さっきのギルド長への質問は、どういう意味だったのよ」

「あ〜、俺も確信がある訳じゃないんだ。はっきりしたらちゃんと言うよ」

「約束よ?」


 それだけ言って、彼女は先を歩き始めた。


 ……本当に確信がある訳じゃないけど、ほぼ間違いないだろうとは思ってる。だって、そんなに都合よく野盗が近場に拠点を作る訳がないもん。


 まぁ行ってみれば分かる事だ。

 とりあえずは4人での連携を確認しつつ、敵の拠点を探し出さなくては。


 前衛3人に後衛1人。ビルとエルルはガチガチのインファイターっぽいから、俺は遊撃に回ろうかな。


 【ヒール】覚えたから、回復役も一応できるっちゃできるし。


 さぁ、もうすぐ東門だ。

 言っちゃ悪いが、Cランクの昇級試験程度で躓く訳にはいかないんだ。


 ここから先は気を引き締めていこう。

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