第117話 君の名は
目と目が合う〜(ry
さて、いかがしたものか。
『ピュ? ピュイ〜』
つぶらな瞳で俺を見つめる赤ちゃんドラゴン。全身が綺麗な白一色で、体長は50cmくらいかな。めっちゃ可愛い。……いやいや、そうじゃない。どうするか考えないと。
なんでハーピーの巣なんかに、ドラゴンの卵があったのか。気になってしょうがないが、きっとその辺は今考えても分からないので後回しだ。
────女神様案件じゃなければいいなぁ。
……
…………
………………
正直に言えば、先の展開はなんとな〜く読めてしまっていたり。
この世界ってテイムスキルを持ってる人はそこそこいるんだけど、みんな牧畜関係の仕事とかに行ってしまうから、"従魔"という存在は冒険者の間ではほぼ見かけなかったりする。
街中では、たまに小動物系の魔物をペットにしてる人も見かけるんだけどね。
しかし! 俺が見てきた物語の転生者達はみんな、スライムだったりフェンリルだったり、グリフォンなんかの相棒モンスターと一緒に楽しい楽しい大冒険を繰り広げているのだ。
その中には、当然ドラゴンを相棒にしている物語もあった。
ということは、だ。つまりはそういう事である(?)。
この赤ちゃんドラゴンを見た瞬間の俺の心境はぶっちゃけ、『ついに来たか』くらいのものだ。むしろ待ち侘びていたまである。ちょっと遅かったんとちゃう?
……このルイン。この程度では、もはやピクリとも驚くことはないと思っていただこう。
「とりあえず、まずはなんでもいいから情報が欲しいね。ってことで、【鑑定】」
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ブレスドラゴン
レベル1
魔法
なし
スキル
・パッシブスキル
なし
・アクティブスキル
【ヒールブレス(微)】【祝福のブレス(微)】
称号:なし
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……これはどっちの意味のブレスだ? いろんなブレスを使えるようになる、とかではない気がする。
多分、祝福(何かしらのバフ系と予想)してくれるドラゴンだからブレスドラゴンでいいんだよね? てか【祝福のブレス】って、ブレスブレスじゃん。
なんて考えていると【鑑定】された際の不快感に、赤ちゃんドラゴンがむずがり出した。
『ピッ!? ピュイ〜ッ!』
「ごめんて。悪かったて。冗談ですやん」
ジタバタするドラゴンをあの手この手で宥めていると、ふと心が通い合ったような感覚が俺を襲った。
えぇ……。今ので通い合っちゃうのか。たまげたなぁ。
「えっと。一応聞くけど、俺と一緒に来る?」
『ピュイッ!』
地面を片手でバシバシ叩く赤ちゃんドラゴンから『責任とって!』みたいな意思が伝わってきた。お前メスだったんかい。それにしても、生まれたばかりのくせに"おませさん"である。将来が心配だ。
ヒョイっと抱き上げて、そのまま俺の頭に乗せてあげるとガッシリしがみついてグデ〜っと落ち着きだした。順応が早い。あと、お願いだから爪は立てないでね。
「さて、忘れない内にやることやっちゃわないと」
……
…………
………………
周りにあるハーピーの卵を処理して、巣を【ファイアボール】で焼き尽くしたら、もうこの場所に用はない。
「じゃあ今から仲間達のところに転移するから、驚いて爪を立てないようにね。フリじゃないからね」
『ピュイ!』
てな訳でカトレア達の所まで転移で戻る。
すると案の定、びっくりした赤ちゃんドラゴンが遠慮なく俺の頭に爪を突き立てた。
……フリじゃねーって言ってんだろ!
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ルイン
レベル 21
魔法
【点火】【ファイアボール】【ウォーターハンマー】【氷の盾】
【ウィンドカッター】【ウィンドシールド】【アースクエイク】
【ライトニング】【ダーク】【シャドウボール】【シャドウニードル】
【ヒール】【転移】
スキル
・パッシブスキル
【魔力操作】【剣術】【槍術】【盾術】【鎌術】【危機察知】【並列思考】
・アクティブスキル
【視て盗む】【インビジブル】【気配察知】【身体強化】【跳躍】
【突進】【乱刀】【水鏡】【炎剣】【首刈り】【通打】【破砕撃】
【投擲】【ドレインタッチ】【雄叫び】【鑑定】【テイム】←NEW
称号:転生者 格上キラー 女神の使徒
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「ただいま」
「おかえりなさ……その子はどうしたのかしら?」
戻った途端、カトレアに胡乱げな眼差しを向けられてしまう。真っ先に俺が原因じゃないかってところから疑うのはやめようね。
──あんなことこんなことあったでしょう(事情説明中)
「なるほどねぇ。たしか冒険者ギルドにもテイムした魔物に関する規約はあったわよ。ペット魔物と同じく、『従魔の首飾り』を着けてあげれば大丈夫だと思うわ」
「ギルドに戻ったら手続きしておくよ」
『ピュイッ』
頭をペシペシして、はしゃいでいる赤ちゃんドラゴン。それを見て、みんな触りたそうに瞳をキラキラさせているが、今はステイだ。ふれあいタイムは後でね。
改めて周囲を見渡すと、どうやらまだ作業は終わっていないようだ。
「こっちはもう少しかかりそうだね。手伝うよ」
「助かるわ。早く終わらせて王都へ帰りましょう」
って言ってもやる事はもうそんなになさそうだね。さっさと残りのハーピーの素材や、討伐証明部位の右耳を剥ぎ取って後始末をしてしまおう。
手分けして作業を終わらせ、王都に戻ったのはちょうど夕暮れ時の事だった。
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「お疲れ様でした! ギルドの者が現場を確認次第、報酬がギルドカードに振り込まれます。……それと、その子の従魔登録もですよね?」
「うん。よろしくね」
現在、王都の冒険者ギルドの受付カウンターで、依頼達成の報告と赤ちゃんドラゴンの従魔登録手続き中である。
他のメンバーは周りの冒険者達に、俺の頭の上におわす赤ちゃんドラゴンの事をあれやこれやと聞かれている。見た感じ特に悪意は感じないね。王都の冒険者も、中々ノリが良さそうでなにより。
「それでは、まずその子の名前を教えていただけますか?」
「名前?」
「はい。登録するのに名前を記入する必要がございまして」
やっべ、全然考えてなかった。
ま、いいや。こういうのはフィーリングが大事って、それ1番言われてるから。ということで、咄嗟に思いついた名前を口に出す。
「じゃあカグラで」
『ピッ? ピュイ〜!』
──ペシペシ! ペシペシ!
お、これは喜んでくれてるな。祝福とか、もろ神聖なイメージがあるので、神楽からパク……あやかりました。
「カグラちゃんですね。キチンとテイムされているかの確認もこの場でしちゃいますので、ご協力をお願いします」
そう言って、手元の紙に色々な事をカキカキしていく受付嬢。それから、謎の魔道具を俺たちに向けて何かしたりしてたが、これで多分テイムできているか分かるんだろう。
再び何かカキカキし始めた受付嬢を横目に、赤ちゃんドラゴン改めカグラと戯れること数分。
「お待たせしました! こちらが『従魔の首飾り』になります。外を出歩く時は、ちゃんと着けてあげてくださいね」
「お、ありがとう。ほい、カグラ。じっとしてろよ」
『ピュイ』
我ながら器用に、頭の上に乗せたまま装着してあげる。
「手続きは以上です。それでは、また何かありましたお越しください」
「了解。またね」
これで、今日やることはもう終わったかな。俺は受付を離れてみんなと合流する。
「ルイン、もう手続きは全部終わったのかしら?」
「この後はどうする? もう宿に戻るか?」
「ルイン! お腹空いたぞ!」
「オイラもだぜ! 帰りがてら、屋台で何か買い食いしていこうぜ!」
腹ぺこコンビの圧が強めなので、ローグの意見を採用しよう。
「じゃあ、軽くだよ。ちゃんと宿の晩御飯も食べられるようにね」
『おー!』
こうして、ギルドを後にした俺たちは、本日新たに加わった仲間と共に宿への道を歩き出した。
余談だが、俺に『ドラゴンライダー』というあだ名が付けられたそうな。
…………ドラゴンが俺の頭にライドしているから、らしい。
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カグラ ブレスドラゴン
レベル1
魔法
なし
スキル
・パッシブスキル
なし
・アクティブスキル
【ヒールブレス(微)】【祝福のブレス(微)】
称号:ルインの従魔
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