表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その転生者はスキルも魔法も【視て盗む】〜異世界転生ものが大好きな男の異世界転生〜  作者: 空茶日
第9章 シーズ村のルイン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/143

第116話 ハーピーの巣の駆除依頼


今回、"アルゴスアイズ"に新たな出会いが……!?


 さて、先日は兄の誕生日祝いも無事に終了したわけなのだが。



 現在、俺はガーランド伯爵に「あまり遠出はしないようにね」と言われている状況だ。釘を刺されたとも言う。


 そこで本日は、王都の冒険者ギルドで日帰りできる依頼なんかがあれば受けてみようかと、"アルゴスアイズ"の皆でやってきた。



「ハーピーの巣の駆除?」


 依頼ボードの前で、1枚の依頼書を見ていたカトレアに問いかける。


「ええ。この中のCランク依頼なら、これが手頃じゃないかしら?」

「ふむ」


 この世界のハーピーは、大体レベル10前後のCランクに分類される半人半鳥の魔物だ。両手が翼と一体化していて、上半身が人間種、下半身が鳥類のような見た目のテンプレ通りとなっている。


 主な生息地は岩山なんかの岩場。この依頼書には、王都から結構離れた場所にある谷に新たな巣が出来てしまい、行商人らが困っているので駆除してほしいとある。おそらくその谷が岩場になっているんだろう。


 うん。今の俺たちなら特に問題はなさそうかな。


「いいと思うよ。みんなはどうかな?」

「オレも特に異論はないぞ」

「ボクもだぞ!」

「オイラも問題ないぜ」


 見事に満場一致で可決した。


「じゃあ早速この依頼を受注しに行こうか」


 ボードから依頼書を剥がして、みんなで受付カウンターまで持って行く。熊さんに子供達という異色のパーティーは、ギルド内でかなり目立っているようだ。めっちゃ困惑混じりの視線を感じる。


 皆さん、本日は"アルゴスアイズ"を覚えて帰ってくださいね。



 さぁ、受付を済ませたらハーピー狩りの時間じゃい!




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




「ほい、到着」


 ただいま目的地である谷の入口前である。冒険者ダッシュで来た。それでも結構時間がかかったので、馬車だと2、3日はかかるんじゃないかな。


 ……遠出するなって言われてるだろって? 俺たちが日帰りできる範囲なら、遠出じゃないです。



「帰りのことは考えなくていいから楽よね」

「すまないなルイン。悪いが、帰りは転移を頼む」

「任せんしゃい」


 すまなそうにするビルに、問題ナッシングと返事をする。いいんやで。


「にしても、多くない?」


 事前にカトレアに探知してもらっていたので知ってはいたが、実際に見ると多く感じるなぁ。


 前方に見える谷のあちこちに停まっているハーピー達。前世のニュースで観たムクドリかなんかの群れを思い出した。端的に言ってキモいです。


「どうしようかな」

「私とルインの魔法の出番かしら?」

「後は【乱刀】とかもアリかもね」


 先手で数を減らしたいので今回【鑑定】はしない。【鑑定】されたことに気付いたハーピーが合図かなんかを出して、一斉に襲ってくる可能性があるからだ。


 それでも多分対処はできるけど、主導権をあっちに渡して無駄なリスクを負いたくない。


 今回みたいに敵の数が多いと、とにかく面倒なのだ。


 うちは俺とカトレアがいるからいいけど、こういう時に魔術師がいないパーティーは本当にキツいと思うよ。


「じゃあ、作戦を考えようか」


 ……

 …………

 ………………


 打ち合わせも終了したので、いよいよ駆除を開始する。


 目算でおよそ50体。決して少なくない数だが、これくらいは無傷でやれないとね。苦戦なんて当然論外だ。


 谷の入り口付近、十分な距離をとって陣取る俺達。


「じゃあ行くよ。カトレア」

「いつでもいいわよ」


 アイコンタクトでタイミングを合わせる。そして。


「「【ライトニング】」」


 ──バチバチバチィッ!


 俺の魔法は左側、カトレアの魔法は右側の集団に直撃する。


『ギ、ギェェェェェッ!』


 停まっていた岩肌からボトボト落ちていくハーピー。雷撃で死んだのもいれば、落ちた衝撃で死んだのもいる。今はそっちは放置だ。


『ピィィィィッ』


 ……ん? 気にするほどでもないけど、なんか体に違和感を感じたな。まあいいか。


 笛のような鳴き声を上げながら、狼藉者である俺たちに向かって怒りの形相で突っ込んでくるハーピー。完全に想定通りの動きだね。



「おかわりもあげちゃおう。【ライトニング】」

「こっちもよ。【ライトニング】」

「オイラもっ!【ウィンドアロー】」


 ──バチバチバチィッ!


『ギャァァァァ!!』


 これで残りは約半数かな。結構減ったな。ますます怒りの形相で向かってくる群れを、今度はギリギリまで引きつけてから大きく息を吸ってスキルを発動。


「ガアァァァッ!」


 俺の【雄叫び】を受け、例外なく動きが止まるハーピー達。


 ──そこはもう、俺達全員の間合いの中だ。そこで無防備を晒せばそれは……。


「ただの的だよなぁ!?【乱刀】!」


「【ウォーターカッター】」

「ふぬっ!【シールドバッシュ】!」

「【パワースタンプ】だぞ!」

「【ソニックスラスト】!」


 俺たちの総攻撃によって、みるみる数が減っていく。ここまでくれば、後はもうただの作業だ。


 ……

 …………

 ………………


『キ、キェェ!』


 ラスト1体が苦し紛れに羽を飛ばしてきた。これはミューラー中将から頂いた魔法で対処。


「【ウィンドシールド】」


 周囲に発生した風の障壁が、飛来する無数の羽根を難なく弾き飛ばす。……超便利なんですけどコレ。


 ついでに【鑑定】もしておこっと。良いスキルか魔法があったら、次の機会に狙っていこう。



───────────────


ハーピー


レベル11


魔法

【ウィンド】


スキル

・パッシブスキル

なし


・アクティブスキル

【かぎ爪】【混乱音波】【気配察知】【羽飛ばし】


称号:なし


───────────────



 あー、うん。君、もう帰っていいよ。


 【ウィンド】はあってもいいかな〜、くらいだ。他は……俺にかぎ爪や羽がついてる訳ないだろ! いい加減にしろ!


 ……そっと最後の個体にとどめを刺す。やはり今回もレベルは上がらんかったかぁ。野良魔物だと、ホントに効率悪いんだな。近い内にまたダンジョンにも行きたいね。



 みんなの方に向き直ると、戦闘中に気になった事を聞いてみる。


「さっきこいつらが向かってきた時、何か違和感がなかった?」

「あのハーピー種特有の鳴き声が【混乱音波】なのよ」

「あ〜、あれがそうだったのか」


 ハーピーがCランク魔物なのは、主にこのスキルのせいだ。レベルが低いと【混乱音波】で、最悪同士討ちになる。

 ただし、レベルが同等かこちらの方が高ければ、普通にレジストできるので問題ない。



「あとは巣を見つけて破壊しないとね。カトレア、ちょっと探知魔法お願いできる?」

「分かったわ。【サーチ】……あら?」


 何か異変を見つけたようだ。


「なにかいた?」

「いえ、多分あの辺りに巣があるわ。微弱な反応が複数、これは卵だと思う。それと気になる反応が1つあるのよ……」


 谷の最上部付近を指差しながら言う。


「危険な感じはする?」


 そう聞くと、カトレアは戸惑ったような顔をして答えた。


「いえ、危険はないと思うわ」

「なるほど分からん。ちょっと俺が見てくるよ。ここの後処理しててもらえる?」

「了解よ」


 いざとなったら転移で即逃げ可能な俺が、ソロで行ってくることに。


「みんなもよろしくね」


 他のメンバーにも一応言っておく。


「うむ。気をつけろよ」

「こっちはまかせろー!」

「ヘヘッ。油断はすんなよ」



 さて、あそこには一体何があるのかな。




 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




 えっさほいさと、まるで登山のように岩肌が剥き出しの谷を最上部まで登っていく。【跳躍】があるから、多少無茶な登り方もできちまうんだコレが。


 「よっと。……お、これが巣だな。まんまデカい鳥の巣で草」


 いくつか卵が密集している場所が遠目から確認できたので、そちらへ向かってみることにした。


 果たして、辿り着いた俺が目にしたものは……。


「…………」

『ピュイ?』



 孵化したばかりと思われる"ドラゴンの赤ちゃん"だった。




もし少しでも『面白い』『続きが読みたい』と思っていただけたら、

ブックマークと評価を入れていただけますと嬉しいです!


皆様の応援がなによりの力となりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ