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その転生者はスキルも魔法も【視て盗む】〜異世界転生ものが大好きな男の異世界転生〜  作者: 空茶日
第8章 王都で"彼"を待つものは

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第108話 王都到着!


道中を書くと、この章が一生終わらなくなるので全カットです。


 翌日からは特にこれといったイベントもなく、順調に王都までの道のりを進んでいった。

 周囲の警戒なんかも、うちにはカトレアがいるのでなんら問題にならない。探知魔法無双である。さすカト。


 そして、来る日も来る日も、パッカパッカとお馬さんを走らせていた俺達一行の前に、とうとう"それ"が現れた。



「あれが王都か」



 遠くから見てもバカでかいと分かる立派な外壁。50m級の巨人が出現しそうな壁である。ちなみに、現在俺は馬車の外でキチンとお仕事中だ。

 ずっと馬車に乗ってると、「働きなさい!」とカトレアに叱られちゃうからね。


「そういえば、みんなは王都に来たことあるの?」


 ここに至るまで聞いてなかったな。


「私はあるわよ」

「オレはないな」

「ボクは昔おかーちゃんに連れられてきたことがあるらしいけど、覚えてないぞ!」

「オイラもねーぜ」


 実質カトレア以外おのぼりさんのようですね。カトレアの滲み出るシティーガール感から、彼女は多分来た事あるだろうなとは思ったが。


「そうじゃなくて、実家が王都にあるのよ」

「そういやガルフって宮廷魔術師やってたんだもんね」


 家が王都にあっても不思議じゃなかったわ。


「そういうことよ。時間があったら実家に顔出してくるわ」

「それがいいよ」


 家族仲は悪くなさそうで何よりです。昔の尖っていた頃のガルフのせいでギクシャクしてたらどうしようかと思ったよ。


 と、そんなことを思っていると貴族用の入場門に到着した。



 1人の門番が馬車の中に向かって声をかける。


「失礼します。馬車の紋章からダグラム伯爵家とお見受けしますが、念の為身分証の提示をよろしいでしょうか」

「もちろんだ。はい、これ」


 そういってガーランド伯爵は、門番に精巧な装飾が施された短剣を見せる。


「失礼します。…………確かに。ご協力に感謝いたします」

「構わないとも。お仕事ご苦労様」

「はっ! どうぞお通りください」


 こうして、俺たちは無事に王都への到着を果たしたのであった。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




「それじゃあルイン君。一応言っておくけど、なるべく王都にいるようにしてね」

「分かりました」


 どこを見ても人、人、人で溢れかえる王都のメインストリートに面した1軒の宿の前。


 現在俺たちは「居場所が分からないと、この先困るから」と、伯爵が懇意にしている宿屋を紹介してもらったところだ。宿泊手続きはグレースがしてくれたよ。


 依頼はひとまず完了したので、サイン済みの依頼書を受け取りながらの会話である。


「まずは採寸しないとだね。これは先に済ませておきたいから、明日にでも迎えを寄越すよ」


 明日は俺だけ別行動となる。というのも、みんなは式には不参加だそうで、別室で金一封と名誉勲章を受け取るだけにしたらしい。なので、特に正装である必要はないそうだ。


「じゃあ明日。宿で待ってますね」

「よろしく頼む。では、私たちはこれで失礼するよ」

「ルイン様、また明日お会いしましょうね!」


 そして、伯爵一行は自分達の屋敷へと去っていった。




 さて。


「大きめの宿で良かったね、ビル」

「うむ。これならさほど窮屈な思いをすることもあるまい」


 そう。この宿は大きい種族でも問題なく過ごせるくらいの広さがある。これは伯爵が気を遣ってくれたのだろう。


「これからどうしよっか。すんごい微妙な時間なんだけど……。みんなはどうしたい?」


 もう日が傾きかけている。用事を済ませるには、少し心もとない時間帯だろう。みんなに意見を求めてみると。


「オイラは王都の美味いメシが食いてぇぜ!」

「ボクもだぞ!」


 うん。知ってた。君らはそうだよね。


「ならこの辺りだけでも少し見ておくか?」

「そうね。ルインのお兄さんへのプレゼントが見つかるかもしれないわよ」


 ビルとカトレアからナイスな提案が。乗るしかない、このビッグウェーブに。


「それ採用。んで、美味しそうな屋台とかがあったら何か食べようか」

『おー!』


 あ、めっちゃ久々にこのノリ見た気がする。


「じゃあ部屋に荷物を置いたらここに集合ね」

『了解!』



     ※  ※  ※



 宿を出発した俺達は、大通りを適当にブラつく。当然ビルとエルルは肩車だ。たとえ王都だろうと、自分を曲げないその心意気やよし!


「相変わらず王都は騒がしいわね……」


 隣を歩くカトレアが、うんざりしたようにぼやいた。


「あれ? 意外なリアクションだね」

「そうかしら? そもそも私がヴォルクスに活動拠点を移したのは、人が多すぎる場所で仕事するのがイヤだったからよ。お爺ちゃんがいるからっていうのもあるけどね」


 育った場所と言えども、どうやら都会が苦手らしい。シティーガールなのは見た目だけか。あれか? 見せかけだけで、超ビビッてるな?


「誰がよ!」

「冗談ですやん。……おや?」


 ちょうどその時、露店の一つで売られている商品が妙に気になった。ちょっと失礼して【鑑定】。



──────────────────────────────

祝福のミサンガ


神官によって祝福を与えられた組み紐。

微弱な自然治癒力上昇・疲労回復効果がある。

──────────────────────────────



 ……え、見たら値段もお手頃だしめっちゃ良いじゃん。てか俺も欲しい。早速この露天商の男性に声をかける。


「すみません」

「あっ、使徒さ……ゲフンゲフン! いらっしゃいませ!」


 すごい。商品を鑑定した時からなんとなくそんな気はしてたけど、たった一言で自分がリーン教会の人間だと証明した。


 まぁいいや。それより気になるのは。


「ねえ、なんでこの店ミサンガしか置いてないの?」


 俺の言葉が示す通り、この露店に並べられているのはこの『祝福のミサンガ』のみ。かなりのストロングスタイルである。


「うちはこれ一本でやらせてもらってるんで」

「なるほど」


 こだわりの強いラーメン屋かな?


 ともあれ、商品自体は魅力的なので、ウィル兄さんへのプレゼント候補として早速購入する。一応自分や両親の分も。せっかくなので、みんなにもオススメしたら即決で買ってた。



「ありがとうございました〜!」



 再び、大通りをぶらぶら散歩。


「良い買い物したね」

「地味にありがたい効果よね」

「オレにとっては特に嬉しい効果だな。たとえ"微弱"でも、有ると無しではいざという時に違ってくるからな」


 ホクホク顔の俺達である。と、その時。


「ルイン! あそこに美味しそうな串焼きがあるぞ!」

「おいルイン! 早く食ってみようぜ」


 腹ぺこコンビの我慢が限界に達したようだね。良い匂いも漂ってきてるし、たしかにそっちも魅力的だ。


「よっしゃ。じゃあ行ってみようか」


 ……

 …………

 ………………


 こうして、王都到着初日は俺達らしくワイワイと過ぎていった。


 限られた時間の中で、なかなか有意義なものになったのではなかろうか。



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