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小説世界の創母様!【マジか…自分の創造物に入っちゃった?!】  作者: 空夜時音
太極編

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7/13

幕間 巡る予兆に馳せるモノ

その地は年月関係なく花々が咲き乱れ、人々は様々に想いを馳せる。其れはあるモノ達も例外ではない。

「あら、こんな所に居たのね?探したわよ、ローちゃん。」

唐紅と金の服装の麗しいモノは、木の上で寝そべっている水干姿の若者を見上げ、笑みを浮かべた。

「これはこれは、()()と珍しい客人だ。それで()()()()殿()は、自身の守護地を離れてまでわざわざ僕の治める春麗に?」

「あら、随分とつれないわね。()()()()殿()なんて、他人行儀な呼び方。昔はもう少し可愛げがあったでしょう?」

「あはは、もう耄碌したのですか?」

「失礼な!あの堅物セッちゃんなら兎も角、アタシはまだピチピチの二十代よ!」

唐紅と金を纏う麗人は、軽く肩をすくめる。

「……それで?」

 ローはようやく上体を起こし、枝に腰を掛け直した。長い袖がさらりと揺れ、視線がまっすぐに降りる。

「こんな下らない事を話に来た訳じゃぁないでしょ?本題をどうぞ。」

「あらやだ、そうだったわね。」

コッホンと咳払いしたその瞬間、周りの空気が異常に緊迫めいたモノへと変化した。

()()()が動き出した。」

「ッ!本当なのか?だが、風はそんな事…」

戸惑う若者の姿に真紅の主は目を細めた。

「当然だな、お前の領分で生を受けたモノが教える筈ない。アレは罪悪感を抱えているからな。」

其れが何を示しているのか、ローには直ぐに察しがついた。

「だからこそ、俺の領分のモノがあの人を導いたんだ。全く…分かっていて行動したのかは謎だがな。」

呆れてはいるものの、その表情は決してわずわらしいというものではない。寧ろ… どこか、懐かしさを滲ませていた。 ローは一瞬だけ目を伏せ、すぐに息を吐く。

「……相変わらず、感傷的だね。」

 小さく呟いたその声は、先程までの軽薄さをわずかに失っていた。

「罪悪感に引かれて動く、か。らしいと言えばらしい。」

その言葉に、花のざわめきがピタリと止まった。

「それで今は何処に?」

「シーちゃんの所よ。まあ、らしいといえばらしいけどね。」

「嗚呼、半端モノのところですか?」

あの地の主は、その心によって在るべき姿を変える。我々にはない、ある意味で特別なモノだ。

「……芽吹きか、崩壊の前触れか…フフ、まあ、どっちに転んでも、面白くはあるけどね。」

「だから、あたしが来たのよ。」

真紅の主は、真っ直ぐにローを見据える。

「だって、“春”は、初まりと兆しを読む領分でしょう?」

「まあね…まあ、どっちに転んでも、面白くはあるけどね。ふふ、さて、花はどこの風に攫われてくるのか?或いは、ね。」

「本気で言ってる?」

「半分くらいは。」

その飄々とした態度に、真紅の主は深く息を吐いた。挿絵(By みてみん)

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