両極を抱きしモノ①
目を開けば、見知らぬ世界でした………てっ!なんで、こんな何処かの映画のキャッチフレーズみたいな事になってるの!どうも、現在絶賛混乱中のオタク女子、万代天音です。簡単に今までのあらすじを説明すると、実家の汚部屋片付けをしてたらうちのお転婆姫に齧られそうになっていた処女作を手に取ったら、素敵イケメンボイスに導かれ此処にいました。
『…………いやいや、どこの不○議遊○だよ、何処の三国恋戦○だよ!あれは見ている事でトキメキを湧き起こしてくれる素敵フィクションだから良いのであって……いや、何処ぞの捻れた世界のプロローグみたく馬車に轢かれるのに比べればマシか…そう考えると…冥府のパイセンが慌てふためいているのをみて冷静になった赤の暴君の気持ちが今、分かった気がする。』
そんなこんなでオタク経験値からの知識を披露したところで、私は改めて周りを見渡した。
『うむ、私のオタクしての勘が告げている。ここはズバリ!私の描いた物語の中だな!』「その通りだ、よく分かったな?」そうでしょ!って!何者だ!』
スっと声のした方向へ視線を向けると…
「エッと…ここは空気を読んで"曲者だよ"かな?アハハ」
そこには某組頭ではないが、中々のイケメンの姿があった。その容姿は角度によってはグレーにも薄茶色にも視覚出来る長髪。そして、何処か懐かしく見覚えがある葡萄色の瞳をもつモノが複雑そうな表情で佇んでいた。
☯︎
「ハァ…全く、父さんは何処に行ったんだ…」
ある大通りの端で濃いグレーの短髪を振り回しながら、キョロキョロと辺りを見回す少年の姿があった。
「歩いていたら、突然おばあちゃんの気配が!って、言って走り出しちゃうんだから…」
まあ、父さんがそうなっちゃうのも無理ないのかなぁ…。この少年の名前はマコト、かつては母と父、そして、双子の姉と双子の弟妹と暮らしていた。父曰く、祖母…育ての親が幼かった父を母の遊び相手として認め、家族として迎え入れたとの事だった。こうして、生まれたのが僕と姉だ。姉は生まれて直ぐに脱走したりと色んな事をしては、よく"母にそっくりなお転婆ちゃんだね"とよく祖母に言われていた。逆に僕は見た目こそ母と同じだけれど、性格が大人しい父似だから直ぐに見分けがついたそうだ。そして…双子の弟妹についてはあまり一緒にいられなかったから、僕と父さんは彼等が大きくなった姿を知らない。何より、僕たちはあんなに大事にしてくれた祖母を悲しませてしまった。その事が何より辛いのだ。…と、僕の語りはこんなとこかな?さて、ここからが本題だ!一刻も早く父さんと合流しなければ!




