夢は落書きとは呼べぬモノ②
そんな中、ユウちゃんがかつて私の使っていた勉強机に飛び乗りあるものをガジガジと齧りだした。
『ユウちゃん、そんなの齧っちゃダメよ!ポンポン痛くなるよ!』
私がそう言うと優姫はくりっくりっの目を私に向けた後、流星の如き軽やかさでぴょんと飛び降り、何処かへ行ってしまった。
『全く、困った娘々(にゃんにゃん)だなぁ。ユウちゃんは。』
天音は優姫が齧ってしまったモノを目にし、そっと持ち上げた。
『あ…これ、まだ残ってたんだ。』
其れは作文用紙を重ね合わせたページに画用紙で作られた表紙に包まれた1冊の本だった。
『懐かしい…これ、私の処女作だ。』
この物語を書いた当初はまだインターネットやパソコンが復旧してなかったから、シャープペンで手書きをして一生懸命描いたっけ…
『あの頃は遙時にハマってたから陰陽五行説とか、三辰とか、めっちゃ調べて物語に盛り込んだっけ?ふふ、我ながら凄いなぁ。』
あの頃は友達と遊ぶことが無くなってたけど、乙女ゲームの物語とか本とか読んで楽しかったなぁ…そんな風に思っていると…
"な…ぜ………すか"
『え?今、何処からか素敵イケメンボイスが聞こえた様な?』
キョロキョロと辺りを見回すが誰もいない。
"どうして…留…しまった"
『ん??ま、まさか?この本から聞こえてるの?』
私が目の前のモノに目を向けると…突然、声が鮮明になった。
"どうか、我々の人生をお導き下さい!"
その声と共に、本から七色の光が放たれ天音を包み込む様に攫っていった。




