夢は落書きとは呼べぬモノ①
昔、どこかのアニメの歌詞にこんな言葉があった。"子供の頃の夢は色褪せない落書きで、思うまま描き滑らせて描く未来へと繋げる"と。確かに実際そんなふうに描けるならその通りそうだと思う。昔の私は大人になれば自由気ままに誰かに縛られる事もなく生きて行けると思っていた。…だけど、結局のところ…中途半端なまま人生を歩いてきてしまった。推し活以外は実に驚きがない…だけど、微かに思う事がある…其れは…
ꕤ*.゜
其れは私が一番下の妹の結婚式に出席する為に実家には帰ってきた時だった。
『うわ、何、この汚部屋?!』
かつて過ごした部屋は物置き同然で一番下の妹が残していったぬいぐるみやら、漫画やら勉強机が充満していた。
『ハァ…仕方ない。数日過ごすついでに片付けるか…』
天音は渋々といった様子で部屋を片付けだした。そこにはかつて一番下の妹に誕生日プレゼントとして送った神隠しを題材としたキャラクターのオルゴールが埃を被って放置されていた。其れを見て私は少し悲しくなった。心を込めて送ったものでも忘れ去られらば其処に虚しく鎮座する物へと成り果ててしまうということだったからだ。
『まあ、仕方ないのかな。』
そんな事を考えながら作業していくと、突然私の肩にふわふわしたモノがよじ登って来た。その正体は…
『あら?どうしたの?ユウちゃん?』
天音の大事なペットであるチンチラで名前は優姫(通称ユウちゃん)。何故、その名前を付けたかって?其れは単純に初めて出会った瞬間に名前が浮かんだからというのが理由もあるが、優しく強い子になって欲しいと願ったからだ。そのかいあってか、この子は今年6歳を迎えながらもまだまだお転婆だ。




