第15話「さばき」
「どういう、つもりですか?」
私の言葉を受けて、ヤソが訝しげな顔でこちらを見つめる。
「赦すべき人が直接裁く……それが罪を赦すためには効果的だと、私は思う。
被害を受けた私達の気が済むまで……。全然知らない人の公正な裁きなんて、必要ない。
たとえそれが報復になってしまったとしても」
「……ま、確かにさ……ご主人の被害に遭ったのは私達姉妹のみ。だから他の人に裁かれるのはお門違いかもね。いいじゃん、やろうよ。ルメお姉ちゃんも呼んできてさ」
「そんなことが許されるわけないだろう」
「……いいでしょう」
「ヤソ殿!? いいのかね?」
「タテハさん達の言うことも理にかなっています。……責任だって全て私がとりますよ。私はこれでもここの看守長ですから。
……ただし、許可するのは『裁き』です。決してぬるいことをなさらぬように。わかっていますよね?」
「……」
なんとかご主人を引き渡すことだけは避けられた。ヤソのことも気にかかるけど、ご主人を渡すわけにはいかない。
私達の、裁き。名目だけの裁きになるかもしれない。それでヤソが納得するとは思わないけど、それでも私の行う『裁き』はこの時、既に決まっていた。
*****************
それから、しばらく経ったのち。
ルーメと合流して、そして……ご主人の牢の前に私達三姉妹とヤソは立っていた。
ヤソが牢の鍵を開け、鉄格子の扉を開く。
「起きてください」
「……なん、だ……もう、朝なのか」
「そろそろ昼ですが」
「そう、か……で、何の用だ」
「裁きの時間です」
「……ああ、そうか。ついに裁かれるんだな……。どんな裁きが待っているんだ……?」
「申し訳ありませんが私も知りません。彼女たちに聞いてください」
「彼女達……?」
くたびれた顔。そして、光の灯らない漆黒の瞳。
あの頃よりも酷いその様子に、私は胸が締め付けられた。
「……ごしゅ、じん」
「ッ!?」
檻の中にいるご主人の瞳が、私達を捉える。
私とルーメとタテハを交互に見つめる。
「な、なんだこれは……どういうこと、だ……」
「裁きだよご主人。これから私達姉妹による『公正』な裁きが始まるんだよ。
ま、覚悟しておいてよね」
「……そ、そうか。なら、頼む……お前達が望むように罰してくれ……死ぬことも厭わない……」
「だってさ。じゃあ遠慮なくやらせてもらおうよ。……一番手は誰から行く?」
「私にやらせてちょうだい」
「よし、じゃあ一番手はルメお姉ちゃん! いいよね、ヤソ」
「別に順番にまでケチはつけませんよ。好きにやってください。
ああ、何か入用なら用意しますよ。どんな器具でも武器でも、用意しますから」
「……」
ルーメが牢の中に入っていく。
そして座り込むご主人の前にまでやってくる。
「ご主人、お久しぶりです。……覚えています?私のこと……」
「……ああ。ネコ長女、と呼んでいた……。気弱で自信のない、優しいネコだったな……」
「今では自信もついて……こうやってご主人を見据えることもできるようになりました。
だから、こうやってご主人を裁けます……」
「……頼む」
「行きます」
ルーメは平手を作り、そして振り上げ……。
ぺしっ。
……とても貧弱な平手打ちの音が牢内に響いた。
「……なッ……」
「終わりです。これが私の怒り、憎しみ……」
「ふ、ふざけるな……俺がお前にしたことは、もっと酷いことだぞ……!?
殴ったり、蹴ったり……いっぱい痛めつけたはずだ……こんなことでお前に与えた痛みの裁きになるわけがない!」
ルーメは殴った右手を、そっと胸に押し付ける。
「……ご主人、私、医者になりたいんです。人を傷つけるのではなく、人を治す仕事をしたいんです……。
だからご主人を傷つけることは出来ない。こんなに傷ついてボロボロの状態の人を、痛めつけるなんて……私には、無理、です……」
「お、まえ……」
「なんでこんなに傷ついてボロボロになってなお、裁きを求めるんですか……?
私達姉妹は、こんな姿のご主人なんて誰も求めてないんです……。もっと自分を大事にしてください……!
これでも、怒ってるんですよ……! こんなにやつれてしまって……!」
ルーメが、感情的になって怒鳴る。……本当にルーメは成長したんだ。
気弱で大人しかったルーメが、ずっとご主人に殴られるのを怖がって怯えていたルーメが、あのご主人を前にあんな態度に出られるようになったなんて。
ルーメは、本当に強くなったんだ。
「……すまな、い」
「謝らないでください。……さっきの平手は自分を蔑ろにした分です。
これからはちゃんと養生してくださいね。……じゃないと、また殴っちゃいます、から……」
「……」
「返事は?」
「……わか、った……」
「はい、よろしい」
……ルーメは変わったけれど、昔から変わってないところもあるんだ。
どこか意固地で、叱りつける時には姉っぽさが増すところ、とか。
成長はしたけれど、ルーメはやっぱりルーメなんだ……。
「なんですかこれは。こんな酷い茶番許したつもりはありませんよ? これが裁き? 有り得ない!」
「まあまあヤソ、ルメお姉ちゃんは医者志望だからこんなもんでしょ。
それにまだ私やヨミお姉ちゃんも残ってるんだからさ。まだ憤るには早いって」
「……今度生ぬるいことしたら、許しませんからね?」
「あはは、しないしない。じゃ次は私の番ってことで」
ルーメと入れ替わりで、タテハが牢の中へと足を踏み入れる。
タテハはご主人の前まで来ると、しゃがみ込んでご主人と同じ視線にまで腰を落とした。
「やっ、ご主人」
「……次は、お前の番か」
「そ。あ、言っとくけど私はルメお姉ちゃんほど甘くはないからね」
「……ああ、それで、いい」
「覚悟してね、はぁぁぁあ」
タテハはルーメと同じように平手を作り、そして気合を込めてから振りかぶる。
「ふんッ」
タテハは勢いよく、ご主人の頬を打つ。パンッ……と、けたたましい音が周りに響いた。
「よしッ!さすがタテハさん!」
「……」
「……ずっとこうしたかったんだよね。思いっきりご主人の頬を引っ叩きたかったんだ。
私ね、ご主人のことがずっと赦せなかった。あの時……あの最後の夜、ヨミお姉ちゃんのこと泣かせたことがね!」
「……な、に?」
「きっとご主人にとって色々考えた結果のことかもしれない。
ヨミお姉ちゃんのことを想ってしてくれたことだったのかもしれない。それでも……」
「私の大好きなお姉ちゃんを泣かせた罪は何よりも重いよ……ッ!?」
「……」
「私やお姉ちゃん達が何度殴られようと、ご主人に怒りがわいたことはなかった。
でもね、たった一度……あの時のヨミお姉ちゃんの涙はどんな痛みよりも辛かった。
何より……私ではお姉ちゃんを慰めてあげられなかったことが何より辛かった!
だから、一発。私の心全てを込めた一撃をお見舞いした。……もうこれで十分」
タテハはそれだけ言うと、立ち上がりご主人に背を向ける。
「え? ちょっとタテハさん!?」
「あぁ~~~……スッキリした! いやあ、やっと過去に置いてきたモノを清算できたって感じ」
「……いいのか、本当にそれだけで。他にもある、はずだ……」
「他? うーん……あ、あったあった! 忘れるところだったよ」
タテハはわざとらしく考えるふりをした後、どうやら本当に忘れていたのか、何かを思い出して再度ご主人に対して向き直る。
「そうですよね、これで済ませてたら怒りますからね全く……」
「そうだったそうだった。これを忘れるなんて私もバカだね~。さて、じゃあ第二弾行くけど準備いい?ご主人……」
「ああ……頼む」
「よし、覚悟してね……はぁぁぁぁ」
タテハは、再度平手を……作るわけでもなく、今度は両手を構えて。
「……え……」
ご主人を、そっと抱きしめた。
「な、ん……の、真似……だ……?」
「……あの時、あの最後の夜。ヨミお姉ちゃんの為に泣いてくれたでしょ……」
「!!」
「知ってたよ。私達や……ヨミお姉ちゃんのこと、大事に想ってくれてたこと。
だからこれが、私なりの感謝の気持ち。私達の、ご主人」
「………ち、がう……俺…、は……」
「違わないって」
タテハはぎゅーっとご主人を抱きしめている。
……私ですらまだご主人を抱きしめたことないのに。いいな、いいな、いいな。
少しだけ、ほんの少しだけタテハが羨ましくなった。タテハはたまに、とってもずるい。
「……よし。ここまで!あんまり長くハグしてるとヨミお姉ちゃんが嫉妬しちゃうからね。
ま、あとはヨミお姉ちゃんに全て任せるから」
タテハは抱擁を解くと、立ち上がって牢屋から出てくる。
私に対して、笑みを浮かべながら。
「……タテハ、ずるい」
「ずるくはないよ。それに、そんなに抱きつきたいならお姉ちゃんもそうすればいいじゃん」
「そ、そんな気軽に抱きつけない、よ」
「あはは、赤くなっちゃって。可愛いなあヨミお姉ちゃんは」
「……」
やっぱりタテハは、ずるい。もう色々と。
私のこと、知っててからかってくる。ホント、ずるい。
「た、タテハ…さん…タテハさんッ! な、なんですか今のは……!?」
「え?裁きじゃん。それ以外の何かに見えた?」
「あんな甘い裁き、ある訳がない! ふざけるのも大概にしてください!」
「まあまあ、文句は終わった後まとめて聞くからさ……ヨミお姉ちゃんの裁き、しっかり見届けてあげてよ」
「ッ……もしこれでぬるいことをしたら既定の場所でしっかりとした裁きをやり直させますからね……」
「あーはいはい。ほら、行ってきなよヨミお姉ちゃん」
「……ん」
やっと、私の番。ずっと待ってた。ずっと、傍に行きたかった。
私は、牢の中に入り込み、そしてご主人の前に座り込む。
「……ご主人」
「最後は、お前、か……。
いいか、しっかり裁け……お前の姉も妹も……優しすぎる」
「……ん。優しくて、頼りになる……自慢の姉妹、だから」
ここまで来るのに、いっぱい手伝ってもらった。いっぱい励ましてもらった。
優しい姉に、頼りになる妹。……感謝してもしきれない。
せめて二人に報いるためにも、この想いを全て……今度こそご主人にぶつけよう。余すことなく。
「……お前にはいっぱい酷いことをした。だから、お前は、決して手を抜くんじゃ……ない、ぞ」
「……ん」
ご主人の手を、そっと握る。手錠がかけられた手を、そっと両手で包み込む。
「お、おい……」
「……ご主人の手、冷たい……手錠よりも冷たい」
冷たくて、汚くて……ずっと苦労してきた手。
何度も何度も、私を叩いた手。私が溺れた時に、引き上げてくれた手。
……最初に会ったあの時、私の頭を撫でてくれた、手。
ずっと、この冷たい手を握ってあげたかった。
「ん……」
私は、ご主人の両手を掴んで……私の頬に当てる。
ご主人の冷たい手を、私の頬っぺたに当てて……精一杯温める。
「なに、を……」
「ずっとずっと、こうしてあげたかった」
大きくて、ごつごつしていて……冷たい手。
私の頬から温度をどんどんと奪っていく。それでも私の頬の熱は冷めない。
……冷たいのは嫌いだった。でも、ご主人が冷たいのは、もっと嫌い。
「……あたた、かい……お前の、頬も……涙、も……」
「ん……」
私の涙が、ご主人の手を伝って、手錠から滴り落ちる。
涙、頬……なんだっていい。私の全てを使って、この手を温めるんだ。
なりふりなんて、構わない。
「……ずっと、一緒にいてあげられなくて、ごめんなさい……。
罪に凍えて、ずっと苦しんでたのに……私、それなのに……」
強く、ご主人の手を握る。
「私、こうやってあげることしかできない。私、ダメなネコだから……」
「……ダメなネコじゃねえよ……お前のことをダメだのクソだの言ってたヤツが、ダメだったんだよ……」
「そんなこと、ない……そんなこと、ないの……」
私はそっと、ご主人の手を頬から離して握りなおす。
「あのね……聞いて、ご主人。私達ね、今を生きてるよ。今を楽しんでる。今を幸せに暮らしてる。
みんなそれぞれの道を見つけて歩んでる。みんな別々の道。それでもね、ずっと仲良しなんだよ……」
「ああ……」
「全部、ぜんぶ……ご主人のおかげ。ご主人が私達を奴隷として一緒に拾ってくれて、育ててくれて、色々頑張っていてくれたから、なんだよ。
やり方が少し不器用で、世の中からは間違っていると罵られても……私達姉妹は、ご主人の頑張りを決して否定しない。
だから私達がご主人にするべきことは、裁きでも罰を与えることでもない……」
「……いや、俺に必要なのは、罰……うっ」
ご主人の口を塞ぐように、抱きつく。
これ以上、自分を傷つける言葉なんて、言わせない。
「もう、苦しまないで。お願い」
私は、ご主人の頭を包み込むように抱き込んだ。ご主人の顔を、思いっきり胸に押し当てる。
「う、ぉ……はな、へ……」
「離さない。今だけは、絶対に離さない」
抵抗するご主人にも構わず、私はぎゅうっとご主人を抱きかかえたまま離さない。
ご主人の力は、酷く弱弱しい。……こんなにボロボロでやつれてしまっていては、どうしようもないんだ。
あの時、首輪をかたくなに外そうとしなかった私を押さえつけていたご主人の姿は、もう、ないんだ……。
でもきっと、それだけじゃない。……私は、成長した。力も、心も、成長したんだ。
こうやってご主人を抱きかかえられるほどに、私は成長したかったんだ。
「ずっとずっと、こうしたかった。ご主人……ありがとう。……ずっとずっと、ありがとう。
だからもう自分を責めないで。私達のご主人はね、誰よりも立派で、自慢のご主人、だよ……」
「……ッ……うッ……ば、か……や、ろ……う……」
ご主人の腕が、力なく落ちる。……同じだ、あの時の私と、同じなんだ。
ご主人は泣いている。私の胸の中で、静かに泣いている。……やっと、泣いてくれたんだ。
私、ご主人の力になれたんだ。私、ご主人の苦しみのほんの僅かでも、受け止めてあげることが出来たんだ。
……ああ、うれ、しい……。すごく、うれしい……よ……。
私、いまどんな顔をしてるんだろ。きっとボロボロ泣いてるんだろうな……。
女の子がしちゃいけないような顔、してるんだろうな……。みんな、見てる、のに……。
恥ずかしいけど……そんなこと、もうどうでもいい、や……。
向こうでタテハとヤソが言い合っているけれど……よく分からないや。
恩返しできたんだ……私の、やりたいこと、やっと叶ったんだ…………。
*****************************
ヨミお姉ちゃんはご主人をずっと抱き締めて泣いてる。いやあ、お熱いなあ。
でも、ヨミお姉ちゃんはすごく幸せな顔してる。あんなボロボロでぐしゃぐしゃな顔してるけど、すっごく嬉しそう。
向こうでルメお姉ちゃんもひっそりともらい泣きしてる。本人は泣いてることがバレてないと思ってるようだけど、バレバレだよ……。
「やっぱりヨミお姉ちゃんはヨミお姉ちゃんらしいなあ。ま、人気歌手がしていい顔じゃない気がするけどね」
「は、ははははは……。なんです? これ……。お涙頂戴の三文芝居ですか? バカバカしいですね。
人間と、亜人の絆? 目の前にいるのは、憎い主人なんですよ? 殴ることもしないんですか? ただ、抱擁する、だけ……?
甚振られていたはずの奴隷が、主人に向かって『ありがとう』……!?
は、ははははは、ハハハハハハハハハ!!……嘘です。嘘ですよこんなの。……嘘、ウソです……。
ウソ、だ……ウソ、ウソだ……ウソだウソだ……! こんなの、間違っています……!」
ヤソはまた半狂乱になってる。ちょっとヤソにはヨミお姉ちゃんのロマンスは刺激的過ぎたかもしれない。
「……何が間違いなの? 何がウソなの? ヤソの目の前の光景が、全てだと思うけどね」
「だって、私達は奴隷……痛めつけられて、苦しめられて……!
なのに、なのに……なんで奴隷だった彼女が、あんなに主人のことを想える、の……!?
なんであんなに……人間のことを信用できる、の……?
私は……私、には……あんなこと……」
ああ、ちゃんとヤソにも伝わってたんだね。
あの二人の絆……信頼が。ご主人も、ヨミお姉ちゃんも、心の奥底では信頼し合っていること、ちゃんとわかってくれたんだ。
私は頭を抱えてうずくまるヤソの頭に手を乗せる。
「……ヤソ。ヤソがとても辛い環境にいたこと、見てれば分かるよ。
でもね、ああいう主人と奴隷の関係があったことも、知っておいてほしかったんだ。
……今の亜人権の状態では、こういうパターンがあったとしても、その絆を引き裂いてしまう。
亜人と人間の共存の世の中を作ったと言われている亜人権でもね、やること全てが正しいわけじゃないんだよ。
そもそも亜人権結成当初の理念はね、私達亜人が人間と対等の位置に立つことじゃなくて、私達亜人が人間と分かり合えるようになることだったんだよ」
「分かり、合う……?」
「そ。たとえ立場が違っても、身分に差があったとしても……分かり合える。主人と奴隷の関係だったとしても。
立場を対等にするのはあくまで分かり合うための前段階に過ぎないんだよ。それが目的になっちゃいけないの。
あの二人を見た貴方なら、きっと理解してくれると信じてる」
「……あんなの、特例中の特例みたいなものじゃないですか」
ま、確かにそうだ。あれは本当に稀有な例。というか熱すぎる。
「でも、素敵でしょ?私のお姉ちゃん」
「は、い……素敵で……羨ましい。私も、あんな二人のようになりたかった、です。
私にも、あんな風に想える人が欲しかったです……」
「きっと現れるよ。人間か亜人かはわからないけど、きっとヤソにも信じられる人が出来るハズだよ。
それを手助けするために、私達亜人権があるんだからね!」
「……タテハ、さん」
「だからお願い、ヤソ。私と一緒に、亜人権を変えてくれないかな。
私の理想の為に、一緒に戦ってくれないかな……?」
「…………やり、ます。やらせてください……。
私もあんな素敵な関係に……なれるのなら、貴方の力になりたい……です……」
差し出した私の手を、ヤソは握ってくれた。
やっとこれで、ヤソが本当の仲間になってくれた。ホント、お姉ちゃんには頭が上がらないなぁ。
「よしっ、そうこなくっちゃ。私について来てくれるのなら決して後悔はさせないからね!」
「……はいッ」
……ヨミお姉ちゃんがヤソもなんとかしてあげたかったって思ってたの、知ってたよ。
もう充分。だからあとは私に任せて、お姉ちゃんはご主人に専念してね。もちろん私も手伝うからさ。
亜人権も、きっと変えてみせるから。
でもね、ここからが正念場だよ……ヨミお姉ちゃん。
つづく。




