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脳なき猫、翼を広げて世界を包む!〜ヒーロー生活始めます〜  作者: 桜庭木陰
第2章 赤い翼編

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仲良く…?

「久しぶりだな。フェリス。」

「あぁ、まさか、自分から出てくるとはな。」

「お前が来ると思ってな。」

「俺に会いに来たのか?」

「お前こそ、何のためにロトに着いてきたんだ?仲間にはならないんだろう?」

「一般人を巻き込む気はない。一応、警告をしに来た。」

「警告…?」

両者、睨み合いが続く。

『なんだよ!一般人って!僕たちは立派なヒーローだよ!』

頭の中で、呂都丸が抗議の声を上げる。

「…わかった!まずはさ…」

フェリスと優が、同時にこちらを向く。

「私をはさんで言い合いをするの、やめてね」

「…あ」

2人同時に今気づいたというように、ため息をつく。

右側にフェリス、左側に優。正直、氷点下の睨み合いに挟まれるのは、寿命が縮んでしまいそうになる。

「…悪い」

優が申し訳なさそうに謝る。目は、先程よりも柔らかくなっていた。

「…ロト、この間の戦いの後だが…」

フェリスは私の文句には全く触れずに話しかけてくる。

「…この前の?」

「蜘蛛が出たときの戦いだ。あそこで共闘しただろう?」

「え?共闘って…」

これは、もしかしてももしかしなくても…

「フェリスさんって…鳥さん?!」

路地に私の大声が響き渡る。

「声を落とせ!」

フェリスに慌てて口を塞がれる。

「ムグ!あ、ごめん。」

私は、モゴモゴしながら謝った。

フェリスは、ため息をつきながら手を離した。

「えっと…鳥さんって、フェリスさんだったの?」

私は、今度は小声で聞き返す。

「…?知らなかったのか?」

フェリスは不思議そうに切れ長の目を見開き、優の方を見る。

優は、額に手を当ててため息をついた。

「忘れてた…」

『…そういえば、言ってなかったね…』

頭の中で、呂都丸もそう呟く。

…呂都丸も知ってたんだ?

「…え、いつ気づいたの?!」

『鳥に会ったとき…』

「鳥が誰か探し始めたときだな…」

「そんなに前から?!」

私だけずっと知らずに必死こいて探してた感じ?

「悪い、ロト」

優が申し訳なさそうに謝ってくる。

「全然!大丈夫だよ!むしろありがとう!」

優はずっといろいろ考えてくれてたからね。

急に、目の前にフェリスが出てきた。

フェリスは眉間にしわを寄せながら、私の顔をジロジロと至近距離から覗く。

「???」

「…ロト…本当にあのときの猫か…?」

「え?」

「まるで別人…」

さらにフェリスの顔が近づいてくる。

…いや、イケメン。真子はこういう顔好みだったよな〜。親友のためにもしっかり見ておこう…。

「…おい、近い」

突然、ガッと私とフェリスの頭が掴まれ、引き離された。

いつの間にか、私の方からもだいぶ近づいていたらしい。フェリスの顔は、すぐ目と鼻の先にあった。

「…おい、痛いぞ。」

「ソウデスカー。ヤクシャノカオニキズガツイタラタイヘンダー。」

フェリスの文句に、棒読みで優が答える。

「…優?」

さっきより目が冷たいんだけど…?

「ロト帰るぞ」

優は早口でそう言いながら、フェリスに背を向けた。

「え?」

私の腕を掴み、スタスタと歩き出す。

「待て。聞きたいことが…」

「お前に話すことは何もない。」

優は、不機嫌そうにフェリスにそう言い放ち、ズンズン進んでいく。

「そうか。なら、警告もいらないな。」

フェリスはそう言い、反対方向を向く。

ピタリと、優が立ち止まる。

「プゲッ!」

優の背中に思いっ切り顔をぶつけ、変な声を出してしまった。

「……」

優は、何も話さない。

「聞きたければ質問に答えろ」

「…その警告は、俺たちと何か関係があるのか?」

「さぁな。」

チッと優が舌打ちを打つ。

「答えられる質問なら答える。…先にその警告を言え」

「いや、先に質問に答えろ」

「お前は信用できない」

「俺もお前を信用していない」

再び、氷点下の睨み合いが始まる。

…お願い、2人とも仲良くしてね。

「…それで、警告って?」

「おい、ロト…」

いつまでも進まなそうなので、私は優を無視してフェリスに聞く。

フェリスは、冷たい金色の目を私に向け、話し出した。

「俺の兄が、動き出す」

「お兄さん…?」

「あぁ。」

兄のことを話すフェリスの表情は、まるで凍りついた結晶のようだった。

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