↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳なき猫、翼を広げて世界を包む!〜ヒーロー生活始めます〜  作者: 桜庭木陰
第2章 赤い翼編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
42/49

再会

「こんにちは!」

「やぁ、久しぶりですね。ロトさん」

優しげな眼鏡のおじさんが出迎えてくれる。

「今日は来てくださり、ありがとうございます。」

「いえいえ!このくらい、朝飯超えて昨日の夕飯前です!」

「えっと…はい?」

『なんでもさかのぼればいいわけじゃないぞ。…スタッフ困ってるだろ。』

耳につけたイヤホンから、優の呆れた声が聞こえた。

「ごめんなさい…。」

「い、いえいえ。大丈夫ですよ。」

眼鏡のおじさんは、ニコニコと笑ってくれた。…苦笑いだったけど。

「えっと…今日は、動きの確認ですよね?」

「は、はい。キャストが集まっているスタジオにご案内します。今、ちょうど撮影をしているころのはずです。」

眼鏡のおじさんのもと、私はスタジオへ進んだ。

「こんにちは!ロトさん」

「こんにちは!」

キャスト陣が出迎えてくれる。

「撮影お疲れ様です!」

「いや〜元気いっぱいだね〜」

「はい!元気満々です!!」

前回会ったときにだいぶ仲良くなったみんなと、再会を喜び合う。

「え〜っと…早速だけど、動き見ていってもらって、いいかな?」

眼鏡のおじさんが、申し訳なさそうにキャストの輪の中に入ってきた。

「あぁ、すみません!やりましょう!」

「それでは…ここのシーンを…」

そう言い、眼鏡のおじさんは私に台本を見せながら後ろを振り向いた。

「フェリスさん、ここのシーン、お願いできますか?」

「はい。わかりました。」

キャスト陣の群れの中から、スッと歩み出てきた。

血のような赤黒いサラサラ髪と、切れ長の金色の目。通った鼻筋に白い肌。

…真子が居たら失神するね。

「あ!お久しぶり〜!」

「お久しぶりです、ロトさん。最近のご活躍も素晴らしいですね。」

キラッキラの爽やかスマイルだ。

『相変わらず、胡散臭いやつ。』

頭の中に、ブーブーと文句を言う呂都丸の声が響く。

「ロトさんに直接僕の演技を観ていただけるなんて、光栄です。」

「えへへ〜。そんな褒めないでくださいよ〜。」

『嘘ばっかり…。フェリスはそんなこと1ミリも考えてないくせに。』

呂都丸がツッコミを入れる。

「あ〜えっと…始めていいですか?」

また申し訳なさそうに、眼鏡のおじさんが私たちの間に割って入る。

「すみません。つい、盛り上がってしまって…」

フェリスは申し訳なさそうに謝った後、撮影のセットの方へ向かっていった。

「それでは始めます。」

スタッフの声がかかり、撮影が始まる。

今回見せてもらうのは、クライマックスのアクションシーンだ。

細かく精密で、きれいな動き。

「いや〜きれいですよね。フェリスさんの動き。」

眼鏡のおじさんが、話しかけてくる。

「そう…ですね。」

私はそれに答えながらも、フェリスから一切、目を離さない。

「…なんだろう。この動き。」

誰かに似ている?

「全て計算され尽くしたような動き…。」

綺麗だ。



「お疲れ様でした〜!」

無事、シーンの確認が終わり、スタジオを出る。

「疲れたね~!」

『だね〜。早く優のところに行こ!』

「うん!」

今日は優が待っている。そう思うと、いつもより疲れは感じない。

「あ、ロトさん!」

「ん?」

後ろから呼び止められた。

スタジオの自動ドアを走り抜け、誰かがこっちに手を振っている。

「あ!」

その人は、私の方まで走り寄ってきた。

「フェリスさん!お疲れ様です!」

「お疲れ様〜。ロトさん、途中まで送るよ。夜は危ないし。」

「大丈夫ですよ!私強いし!あと、近くで友達が待ってくれてるので!」

私は力こぶを作ってみせたが、フェリスは聞かない。

「そう言わずに!その人のところまで送りますよ!」

「え〜」

この人連れてったら、優は怒るだろうか。

…まぁ、危ない人ではないし、大丈夫か。

「じゃあ、行きますか!」

「そうしましょう!」

私たちは、並んで歩き出す。

「フェリスさんの動き、すごく綺麗でした!…誰かに似ているような…」

「実際の戦闘時と似た動きをしているのか…」

「え?」

まるで、自分が実際に戦っているような口ぶりだ。

「どうした?鳥と、似ているんだろ?」

人気の少ない路地に入っていく。この先に優がいるはずだ。

フェリスが少し改まったように、…いや、まるで主従関係がある人と話すように、私に向き合う。

「ロト。久しぶりだな。」

「…??」

フェリスの口から、低く冷たい声が出る。

…まるで鳥さんのような…。

「久しぶりだな。フェリス。」

『姉ちゃん、こいつやっと本性出したね。』

「…?!」

後ろから、優の声が響く。頭からは呂都丸の唸り声がする。

「あぁ…もしかしてと思っていたが…」

また鳥さんと同じ声がフェリスから聞こえた。

「え?」

フェリスが優を指さしながら、こちらを見る。

「…あの、フェリスさん…?」

「さっきの友達って、こいつのことか。」

フェリスの金色の目が、妖しく光る。

私だけが、この状況を理解していないようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。