表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/32

猫と会話

「おねがい。た、すけて…」

猫が、しゃべった。

私は、全力で自分の頬をつねった。

「イッタ!」

夢じゃない。ヒリヒリと痛む頬をさすりながら、私は呆然と立ち尽くした。


「えっと…何があったの?」

いろいろ聞きたいことは山ほどあるが、まずは、なぜ助けを求めているのかを聞こう。

「…ぼく、にげてきたんだ。あいつらから…」

目は虚ろで、キレギレと声を振り絞っている。私は、水を渡してあげた。猫は肉球で器を掴もうとし、ハッとした様子で手を引っ込め、舌で舐め始めた。

「…やばいやつら。にんげんも、どうぶつも…どうぐみたいに扱う」

やがて意識がはっきりしてきたのか、猫とは思えない流暢な人間語をしゃべり始めた。

「数百年前から、ずっと続いている組織があるんだ。とある実験を続けている。」

「へ、へ〜」

キャパオーバーだ。話が壮大すぎる。まるで、漫画やアニメの世界だ。

「その組織の名前は、W.E.L.L.」

「ウェル…?」

「そう。動物のように人間を…」

『キャー!』

突然、外から悲鳴が聞こえた。

「…!」

「何ー?!」

驚きすぎて、悲鳴よりも大きい声で叫んでしまった。

「やばい。」

「何が?!」

もう何がなんだかわからない。

「え?!ちょっと待って!」

急に、猫が私の脇を通り抜け…ドアを器用に開け、外に飛び出してしまった。

「おおい!」

私も、外に飛び出した。そして…目の前の光景に、目を疑った。

「何。あれ…」

ギラギラ光る金色の目。ビルを簡単に覆ってしまうほどの真っ黒な巨体。長い耳や手足のようなものがだらりと伸びているが、それが何なのかは正確にはわからない。

ー怪物だ。

「W.E.L.L.が、作り出したんだ。こんな都会で暴れさせるなんて…!」

猫が、悔しそうに唸った。

暴れている。たくさんの人が逃げている。泣いている。もう何がなんだかわからない。

「止めなきゃ」

それだけが、混乱する頭の中で浮かび上がった。

「ねえ、何か方法、知らない?!」

この猫なら、何か知ってるはず。

止めなきゃ。止めなきゃ。それだけが、頭の中を飛び回っていた。

猫は、少し迷うように、目を泳がせた。

「あるにはある。でも、一人じゃできない。」

猫は、必死な目で、私を見あげた。

「お願い、姉ちゃん。僕に、力を貸して」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ