特訓!!
「よーし!がんばるぞー!」
私は、自分に気合いを入れて…学校まで3キロの距離を全力疾走した。
「おはよう!真子!」
私は、正門で会った真子に全力で挨拶する。
「おはよう!天音羽…って!どした?!」
真子が驚いた声を出す。
友達が汗だくになってすごい形相で走ってきたのだから、当然だ。
「今私、特訓してる!」
私は、ビシッと自分を指さして、得意気に言った。
「なんで…?部活のため?」
「己を磨く!」
「…そうですか」
真子は、少し引いた顔をしたが、頑張れとジュースを奢ってくれた。
授業中は空気椅子、休み時間は外周を走り、もちろん部活も全力で。
「天音羽、何かあった?」
「え?!…いや、特に何も…」
「だって、今日何か変だよ。運動だけじゃない。授業だって…真面目に聞いてたじゃん!」
そう。私は、ちゃんと授業を聞くようになった。
特訓するにあたり、今までの自分の戦いをもう一度見た。アンチコメントは少なく、感謝が大きかったから今まで気づかなかったけど、周りへの被害は相当大きかった。怪我人は少ないものの、道路や建物は私が戦うたびにグチャグチャだ。
…もっと、考えて動けるようにならないといけない。頭を常に動かし続けられるようにするためにも、授業は真面目に聞かなくては。
「よーし!頑張る!」
私は、自分に気合いを入れる。
「…よくわからないけど、天音羽がよくわからないのはいつものことだし、まぁ頑張れ。」
真子はすごく失礼なことを言いながら、から揚げ棒をくれた。
「ただいまー!」
「おかえり姉ちゃん!」
呂都丸が出迎えてくれる。
「優が来てるよ。」
「マジ?!」
私は、急いで居間に行く。
「優!」
「天音羽、おかえり。」
「ただいま!今日は何しに来たの?薬ができたとか?」
「…そんなすぐできるわけないだろ。」
「?じゃあ、今日は遊びに来たとか?」
「…天音羽、お前が呼び出したんだろ」
「…あ、そうだった。」
授業で頭を使いすぎて忘れていたが、そういえば優にお願いがあったんだった。
「お願いします!特訓に付き合ってください!」
私は、優に土下座した。
「別にいいけど…何をするんだ?」
「私が戦いの動きをやって、優が指摘する!」
「…わかった。どこでやるんだ?」
「…」
「…考えてなかったな。」
「…はい。」
優が長いため息をついた。
「わかった。俺が練習場所を見つける。」
「ありがとうございます!」
私はもう一度優に土下座した。
✽✽✽
「まだですか〜。あいつを出す許可。これは時間との戦いなんですけど〜」
冷たく暗い部屋に、男が動くたびにカチャカチャと試験管の鳴る音が響く。
「まぁ待て。…今回の実験体があっけなくやられたからな。上層部も慎重になっているんだ。」
「今回はいけますよ〜。ロトがボロボロの状態なら、特に脅威でもない。」
「だが、フェリスがいる。」
「だから、今回の実験体を出させてほしいんすよ!…あれなら、フェリスも脅威ではない。」
「…あの完璧な成功体を?」
「ええ。」
男は、ニタリと笑って金色の目を光らせた。
「あるんすよ。決定的な弱点が。」




