鳥はだれ?
「鳥人間を、探す?」
私は、急に家に来た優に聞き返した。
「あぁ。あのままにしておけないだろ。」
「なんで?」
「は?なんでって…」
「あ!そうか!もしかして、優も気になるの?」
「…何が?」
「どうやったら、あんなにきれいな動きができるのか!」
「…いや、それはどうでもいい。」
「マジ?!」
びっくりだ。絶対そうだと思ったのに。
「まぁでも大丈夫!たぶんまた怪物が出てきたら、あの鳥さんも来るでしょ!」
「…またお前、何も考えてないよな?」
「へ?」
私は目を点にして、優に聞き返した。
優は、長いため息を吐きながら説明してくれた。
「だから、敵か味方かもわかってないだろ。あいつにまたこっちの戦いを邪魔されても困る。また会う前に、ある程度情報を掴んでおかないと。…相手がどこまで知っているかもわからないからな。」
「…なるほど。つまり、豚に真珠ってことだね!」
「…それ、どこで知った?」
「今日学校で習った!…もしかして優、こんな簡単な慣用句も知らないの?」
「だから、相手が誰なのか、どれだけ強いのか、なるべくたくさん情報を集める必要がある。」
…完全にスルーされた。自分が知らなくて私が知ってるのが、恥ずかしかったのかな?
「…おい。話聞いてるか?」
それはこっちのセリフだけど。
「じゃあ、鳥さん探しをこれからやるんだね!」
一応ちゃんと答えておいた。
「あぁ。…でも、組織の情報収集も続けないと…」
優はブツブツと呟きながらいろいろ考えている。
「組織の情報、何か手に入れた?」
「…直接的な情報は、何も手に入らない。かなり巧妙に隠されてるな。…ただ、これまでに実験体が放たれた場所、その実験体の強さや外見などは、だいぶ調べがついた。」
「おお!さすが優!!」
「それと、あの鳥人間。日本では今回が初めてだったが、ヨーロッパの方でいくつか目撃情報がある。」
「ヨーロッパ?!」
「あぁ。」
「じゃあ、ヨーロッパに行く?」
私は、結構ワクワクしながら聞いた。
「いや、おそらく鳥人間は日本にいる。」
「なんで?」
「いつもはヨーロッパで活動している鳥人間がわざわざ日本に来た理由。それは…」
私は、ゴクリと喉を鳴らした。
「…それは?」
「日本に実験体が頻繁に出るようになり、ロトというヒーローが現れたからだ。」
「そうなのー?!」
「…普通に考えたらそうだろ。」
「じゃあ鳥さんは、泣きっ面に蜂、だね!」
「…は?なんて?」
「慣用句!知らないの?」
優、意外と何も知らない。
「…天音羽、お前もうことわざ使うのやめろ。会話ができない。」
「…え?」
私が今回使った言葉の意味をしっかりと理解したのは、その後優からみっちり説明を受けてしばらく経ってからだった。
✽✽✽
「…アーレス家のものが、日本に来た。」
「いよいよですね…!」
「…あぁ。」
冷たい部屋の中、白衣を着た男達が話をしている。
「…もう二度と、あのときのような失敗は犯さない。」
「楽しみですね…!…アーレス。」
不気味にニタリと笑い、男は呟いた。
「大成功。」




