批判、影響
「なんなの?あいつ!」
謎の鳥人間が、今全国で大炎上している。
「ロトの邪魔した!」「最低!」「どっか行け。鳥人間」「鳥人間は強いけど、ロトの戦いが見たかった。」「残念すぎる。」
SNSのコメント欄には、罵詈雑言が並べ立てられている。
「ロトのイッチバンかっこいいところ見れなかったじゃん!」
もちろん、ロトの大ファンの真子も激怒していた。
「でも、すごくきれいだったよね。」
私は、あのときの真っ赤な翼を思い出した。しっかり目に焼きついている。
「…天音羽、ロトよりあの鳥人間の方が気になるんだ。」
真子が、少しムスッとした声を出した。
「え?だってあんなにきれいに、5体も撃ち抜くなんて、私初めて見たもん!」
「…ロトの戦いだって、いつもきれいだよ!」
「あ、そう?」
「…なんで天音羽が照れてるの?」
いや〜面と向かって褒められると、やっぱり照れるな。いつもはそんなこともないけど、あの鳥の人よりも良いと言われたのは、すごく嬉しかった。
「…前の怪物との戦いは、私のいとこも見てたんだよ。それで、ロトの大ファンになって」
「いとこ?…あぁ、秋ちゃんか。」
真子には、小学校6年生のいとこがいる。でも、確か引きこもりだったはずだ。
「外に出たんだ。」
「うん。ロトの動画を見せたらね、どうしても自分の目で見たくなったんだって。」
真子は、すごく嬉しそうに、ニコニコと笑いながら言った。
「秋ちゃん、学校に行くだって。…ロトのおかげだよ。」
……。
「…ねぇ天音羽。…なんでそんな泣いてるの?」
「だ、だって〜」
私の目から、ボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちた。
「嬉しすぎる…!ありがとー!!」
私は、ボロ泣きしながら叫んだ。
真子は困惑したような表情をしていたが、嬉しそうに、幸せそうに笑った。
「うわ〜ん!!」
私は、家に帰ってからまた泣いた。
「…ねぇ姉ちゃん。なんでそんな泣いてるの?」
「呂都丸!ありがとう!」
「?何が?それより僕、姉ちゃんと話したいことが…」
「ヒーローできて良かった!」
「…!」
今、しみじみと思う。
「だから呂都丸、ありがとう!!」
私は、呂都丸にニコッと笑いかける。
「…うん!僕も、姉ちゃんとヒーローできて、すっごく良かった!」
呂都丸もニコッと笑う。…かわいい。私は、ギュッと呂都丸を抱きしめた。
「…そういえば呂都丸、さっき私と話したいことがあるって…」
「…あーなんでもない!」
「?そう?」
何だかわからないが、まぁなんでもないならそうなんだろう。
『ピンポーン』
インターホンが鳴る。
「?誰だろ?」
私は、玄関を開けた。
「あ!優!」
ものすごく険しい顔をした優が立っていた。
「どうしたの?」
「…天音羽、あの鳥人間、探そう。」
優は、真っすぐ私を見て、そう言った。




