表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/31

アクション映画

「ぜひ、お願いします!」

最近よく出てくるようになった怪物をササッと倒した後、知らないおじさんが話しかけてきた。テレビ局の人で、アクション映画を作るらしい。

「ロトさんをモチーフにした映画を作るために、ぜひ一度テレビ局に来ていただきたく…」

おじさんが熱弁する。

『やめとけ。お前、赤点補講あるだろ。それに、何に巻き込まれるか…』

「お受けします!」

『おい。』

せっかくのお願いを断ることはできない。

私は、イヤホンから流れる優の忠告を無視して、その仕事を受けることにした。


「ねえ天音羽!聞いた?ロトがモチーフの映画!!」

「スゴイネー」

「…天音羽って、ロトのことホントに興味ないよね。」

これでも頑張って演技しているほうなのだが、どうやら棒読みだったらしい。

「でも今回は、絶対天音羽も観たくなる!キャストがすごく豪華なの!見て!」

真子は興奮しながら、鼻に当たりそうなところまでスマホを近づけてきた。

「特に注目されてるのは、この俳優!フェリス・アーレス!」

その名前を聞いた途端、わらわらと他の女子も集まり盛り上がり始めた。

「めっちゃかっこいい!!」「自分からこの映画に出たいって言ったらしいよ!」「今日日本に来るらしいよ!」

キャアキャアと騒ぐ女子達の間から、スマホの画面に映る俳優を眺める。

通った鼻筋、長いまつ毛。切れ長の涼しげな目。爽やかスマイルに白い肌。赤黒い髪と金色の目が、常人にはない魅力を放っている。

…確かにイケメンだ。

「絶対映画観る!」

女子達がそう息巻いている。

…もうロトの存在忘れられてない?


「よし!じゃあ変身しよう!」

「了解!」

優に指定された場所で変身し、テレビ局へ向かう。優には、指示を無視したことをめちゃくちゃ怒られたが、たくさんの注意事項を守ることを条件に許してくれた。

「お待ちしておりました!ロトさん!」

受け付けで、眼鏡おじさんが出迎えてくれた。

「よろしくお願いします!」

「こちらこそ」

眼鏡おじさんに案内され、キャスト達の待っている部屋に向かう。

「こちらです。」

「…!」

有名人がいっぱいいる。

「始めまして!ロトです!よろしくお願いします!」

部屋中に響き渡る声で挨拶をした。

『…姉ちゃん。あいつ、誰?』

「え?あいつ?」

思わず声に出してしまった。キャスト達が怪訝そうな顔で私を見ている。

「誰と話しているんですか?ロトさん。」

大勢のキャスト陣の中から、赤黒い髪がひょこっと出てきて、私に手を差し出した。

「気を抜かずに頑張りましょう。…始めまして、ロトさん。」

私は、その俳優の手を握って握手をする。誰だっけこの人。どっかで見たような…。

「僕の名前は、フェリス・アーレス。よろしくお願いします。」

フェリスはそう言って、爽やかスマイルを浮かべた。

でも、その金色の目に笑みは見えず、私ではない誰かを狙っているようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ