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ショタ男子が異世界に転生してハーレムと陰謀に巻き込まれる話  作者: 隼きよし
デジタルセンチュリーシリーズの闇
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プール掃除

 異世界。元帥たちがF-15Aを見送ってから数か月がたった。外は春が過ぎて夏だ。兵器の魂たちにより日本街にあるプールの掃除が始まった。空には群青が広がり、入道雲が発生していた。そして元帥と大和もプール掃除を見にきていた。

「大和さん。夏、プール、群青の空、入道雲。これってなんかベタじゃないかな?」

「ここは日本街だから、リアル世界の日本を模してあるの」

「まあ、ぼくも見慣れた風景の方がいいけど……これはどう考えても非現実的だよねっ」

 元帥がそう言って指したのは兵器の魂の面々だ。

「なんでふんどし姿なのっ。仮にも女の子の外見なのにっ」

 そう、兵器の魂の上半身はシャツを着ているが、下半身はふんどし一丁。お尻はTバック状態で丸見え、前も隠す部分が少なく食い込んでいてかなりエッチい。

「やっぱり、元帥君も女の子の外見の兵器の魂が、際どい格好しているとやっぱり興奮する?」

「うっ」

「みんなたぶん核兵器の元帥君のことがお気に入りで、人間の男の子が女の子のエッチな格好に弱いという転生前の知識で、そうしているから仕方ないわよ」

「そのセリフ矛盾しているよね。僕が核兵器だからみんな好意を為を抱いているにもかかわらず、人間のように僕に色仕掛けをするのは、僕の事を核兵器として扱っているのか、それとも人間として扱っているのか?」

「そうよね。矛盾しているわよね。でもそれは元帥君もよ」

「え、僕が?」

「兵器の魂とはいえ女の子のエッチな格好を見るのは好き、でも理性がそれを抑え込もうとしている」

「うっ、それは……」

「まあいいわよ。私も戦艦大和、男子が多数乗艦していた艦だから、それは理解できるわ」

 大和はそう言うと悪戯っ子っぽい顔になって続ける。

「ね、それで元帥君はどうなのかな。もっとエッチな格好を見たかったら、みんなを全裸にさせるわよ。それともスク水、ブルマ、メイド服、なにがいい?」

 元帥は反論できず「うう」と唸る。

「それにしても元帥君。女の子のエッチな格好見てそんなに反応するところを見ると、どうせリアル世界では童貞で恋人無し歴イコール年齢なんでしょ? そして気の強い女の子にエッチな悪戯とかされていたんじゃないのかしら」

 それを聞いた元帥は「う、う、」と半泣きになる。

「でもこの異世界じゃ私たちが優しくしてあげるから心配しないでね」

 大和が優しい声でそう言うと元帥は安心したのか、すぐに半泣きをやめる。

「わかりやすい子よね。まあ冗談はほどほどにして、元帥君も一緒にプール掃除してみない? それともふんどし姿の女の子と掃除するのは嫌?」

「……まあいいけど」

「んじゃ私も」

 大和がそう言ってスカートを脱ぐ。当然中はふんどしだが、大和はスタイルがいいので下半身も結構迫力がある。そしてシャツの裾をくくるとさらに爆乳が強調される。

俯いて顔を赤くする元帥をよそに大和は「さっ行きましょ」と言って、元帥と掃除を始める。

 しかしプールの水は緑色に濁っており、底には落葉が溜まっている。

「ところでプールは去年の夏から一年間放置されていたんだよね、かなり汚いよね……うーん、完全にリアル世界のプールと同じってわけだね」

「そうよ、ヤゴとか虫とかもいるけど、元帥君は大丈夫」

「少し苦手かなぁ」

「それだったら、私におんぶされていてもいいのよ。私は戦艦だから体力的には何も問題ないし」

「なんかバランスを崩して僕が頭からプールに落っこちそうな予感が……」

「ま、いいわよ。無理強いはしないから」

 そう言うと大和は優しく元帥の頭を撫でる。そしてプール掃除が始まった。


 夕刻、掃除でピカピカになったプールサイドで大和に膝枕される元帥。そして周囲には相変わらずベタな光景が広がる。燃えるような夕焼け、プールに流され続ける水、ヒグラシの鳴く音、昼間より少し涼しい風。元帥はプールサイドで大和に膝枕をされていた。

「F-15Aさんはどうなったのかなぁ。リアル世界でうまくやっているのかなぁ」

「今回のミッションは簡単にはいかないわ。リアル世界の事情に左右されるから。まず軍関係者に働きかけてデジタルセンチュリーシリーズを推進して、新型機を製造させて、その機体を破壊しないといけないから。しかも機体破壊は軍関係者に妨害されるし。働きかけにも機体製造にも破壊工作にも時間が掛かるわ」

 そこに大和とは違う聞き覚えのある声が聞こえた。「そうでもなかったですよ」と。元帥が膝枕から起き上がると、そこにはF-15Aがいた。

「あ、F-15Aさんっ。帰って来たんだあ」

 そう言って毎度のごとくF-15Aの大きい胸に飛び込む元帥。それをF-15Aは優しく撫でる。

「F-15A、おかえりなさい。ご苦労様だったわね」

 大和もF-15Aに近づいてくる。それを見たF-15Aは大和に敬礼する。

「早速ですが、大和姉さん。その顔だと私の工作は不首尾に終わったようですね」

 F-15Aがそう言ったように、大和の顔は優しいが喜色満面ではなかった。

「さすが察しがいいわね。デジタルセンチュリーシリーズの魂はこの異世界にやってきていないわ」

「やっぱりそうですか、大和姉……しかし私はミッションを完璧に遂行しました。デジタルセンチュリーシリーズを推進するように軍関係者に働きかけ、新型機製造をさせて破壊しました。でも、この異世界に魂は来ていない、と」

「やはりタイフーンの双頭の鷲計画には何らかの裏があることで間違いないようね。しかし新型機は転生できないのか、機齢(機体の年齢)が影響しているのか……まさか本人の意思かしら?」

「一応、新型機には意思確認はしておきました。そして全員の承諾を得たうえで破壊したのですが……。以前ロシア兵器の魂は全体主義的、アメリカ兵器の魂は個人主義と言いましたが……」

「案外逆かもしれないわね。アメリカの方が民主主義に誇りを持っているから自己犠牲もいとわない。しかしロシアは保身を考える傾向かもしれないわね」

「はい。それで再度、蘇生して同じ作戦を繰り返しますか?」

「いえ、これは同じことを繰り返しても成功する可能性は無いわね。保険としてもあまり上策とは言えないし、リソースを割き続けるのも危険だからこれくらいにしておくわ」

「そうですか……」

 F-15Aはそう言って落胆したような顔を浮かべる。

「それに監視カメラ全盛の今じゃ、機体破壊の際にあなたの顔は割れただろうし、そう考えると軍関係者からの信用も失っただろうしね」

「まあ確かにそうですね。しかし、一体、この異世界に転生する際の原理はどうなっているんですかね?」

「やはり恣意的な御神慮かしら?」

「それってどうなんですかね。性能の高い戦闘機がこの異世界に来ると、軍事バランスが崩れるから、御神慮がバランスをとっているといいますが、それだとロシア製最新鋭兵器を転生させるタイフーンの目論見は完全に破綻します」

「となると……」

「御神慮は恣意的なものではなく、ある程度確定した何らかの決まりごとがあるんじゃないか、すなわち成文法なんじゃないかと思うんです」

「しかしタイフーンには何らかの思惑があるということは、その決まり事にも抜け穴があるということかしら? それともまさか……」

「大和姉さんには何か思い当たることでも?」

「いえ、とりあえず、次の作戦を練っておくわ」

「しかし私としては今回の任務、少し残念でした。大和姉さんたちの期待を背負って、わざわざ蘇生してまでリアル世界にまで出張って、数か月がかりの任務を行ったのに空振りとは……」

「まあ、そう焦ることは無いわよ。タイフーンの双頭の鷲計画は一朝一夕のものじゃないみたいだから気長に考えるしかないわ。重要なのは最後に負けないことだしね」

「さすが歴戦の大和姉さんですね。それとアリエスさんから言づてです。フロッピーディスクの件、了解しました、とのことです」

 それを聞いた元帥は「大和さん、フロッピーディスクって何?」と尋ねる。

「それは秘密。F-15A、とにかくご苦労様でした、次の作戦ではあなたの出番はないから、アメリカ州に戻って当分羽を休めて……って、それよりプール掃除がすんだし、ひと泳ぎしていかない? プールなんて一年ぶりでしょ」

 大和たちがプールを見遣ると丁度、水がいっぱいになったところだ。

「それはいいですね。少しお借りしますね」

 そう言ってF-15Aは服を脱いでいくが、当然水着など来ておらず下着姿になり、下着も脱ごうとする。

「あーF-15A。元帥君は男の子としての本能が回復したから、女の子の外見である私たちが今までのように裸でいると困るらしいの。配慮してあげてね」

「あー、そうなんですか。それは良かったですね。でも配慮してあげてっていう事はエッチなことをされると困るってことですよね。元帥君って意外にシャイな性格なんですね」

 F-15Aはそう言って少し拗ねている元帥のほっぺを軽く指で突く。そして下着を脱ぐのをやめ、「んじゃ失礼します」といってプールに飛び込んだ。が、その時何か一枚の布切れが空中に舞う。

 元帥はそれを拾い上げて「なにこれ?」と広げると女性のショーツだった。

 そしてF-15Aがプールから話しかけてくる。

「あー、飛び込むときにショーツ脱げちゃいました、投げてください」

 それを聞いた大和は元帥から優しくショーツを取ると投げ返し、F-15Aは水につかったままそれをはく。なんか今日はえっちい一日だった。

 その後、F-15Aは泳ぎ始めるが、さすが戦闘機の魂ということで、潜ったかと思うと浮上して水面から飛び上がって跳ねる。そしてまた潜ってを繰り返す。まるでイルカだ。元帥と大和はそれをプールサイドで見守る。

 そして夕日は沈んでいった。

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