第29話 2人のステータス
「出発する前にパーティーを組まないとね」
サラがそう言って冒険者カードを持って何か操作をしている。
その様子を見ていると僕の冒険者カードからピコンと音がした。
「ミオちゃんにパーティーの申請をしたから受けてくれるかな?」
「う、うん」
僕の冒険者カードを見ると「あなたにパーティーの申請があります。どうしますか?」と書いてあって下には返答を示す文字がある。
もちろん返事は「はい」だよな。
「これでうちらは同じパーティーのメンバーやで」
「ミオちゃん、よろしくね!」
ゲームではパーティーを組んでも何も思わなかったけれどこんなに嬉しいんだ。
たったこれだけのことなのに感動してしまう。
「こちらこそよろしくね、先輩!」
僕がそう言うと照れているサラとティナ。
こんなに可愛いケモ耳少女と一緒に冒険できるなんて幸せだよ。
「その前にうちらのステータスを見せとくわ」
「ミオちゃんのステータスは見せてもらってるしね」
サラとティナが冒険者カードのステータス情報を僕に見せてくれる。
「本当に見ていいの?」
「もちろん! だってミオちゃんは私たちのパーティーメンバーだしね」
「ミオやから見せるんやで?」
そう言って笑顔を向けるティナ。
それだけ僕を信用してくれている証拠だ。
「……2人とも本当にありがとう」
サラとティナにお礼を言ってステータス情報を見せてもらう。
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名前 :サラ(狐人族)
職業 :Fランク冒険者
魔法 :火魔法
スキル:火魔法
加護 :火の精霊
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まずはサラのステータスだけれどスキルに<炎魔法>があった。
当然、炎による魔法が得意ってことだろう。
「サラは炎の魔法が使えるんだね?」
「そうだよ。あまり強力な魔法はまだ使えないけどね」
「そやけど魔法が使えるってだけでも凄いんやで?」
ティナがサラの魔法を褒めると照れながらも嬉しそうな表情を浮かべる。
もっと見ていたいけれどダンジョンの中だし自重しないと。
「魔物と戦う時に見せてあげるね」
「うん、楽しみにしてる!」
今度はティナのステータス情報を見せてもらう。
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名前 :ティナ(猫人族)
職業 :Fランク冒険者
魔法 :なし
スキル:狩猟、隠密
加護 :風の精霊
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サラと違って魔法は使えないらしい。
けれど<狩猟>と<隠密>の2つのスキルを持っていた。
「うちはサラみたいに魔法は使えんけど隠れて魔物を倒すのは得意やねん」
「うんうん。ティナの<狩猟>は魔物の位置もわかって便利だよね」
今度はサラがティナを褒める番だった。
本当にこの2人は仲が良いよな。
「ところで2人に聞きたいんだけど加護の精霊って何なの?」
僕の加護には女神様の名前が入っている。
よく考えれば過去に<鑑定>した人物にもサラやティナと同じように精霊の名前が入っていた。
「それは私たちの守護精霊だよ。教会とかで祈ったりする時は自分の守護精霊に祈るんだけど……、ミオちゃんのステータスを見た時は守護精霊の名前が無かったよね?」
「あ、それはうちも気になってん。人間族って守護精霊がおらへんの?」
確か2人に僕のステータスを見せた時、加護の部分は空白だった。
きっと神様的にはまだ見せるべき時期では無いってことかも。
「僕みたいな人間族には守護精霊はいないのかもしれない」
「やっぱり……。だから女神像に祈ってたのね」
「そうやったんか。ミオに似合う守護精霊様を探す旅もエエかもな」
リーディエルに人間族は僕しかいないから信じてもらえたらしい。
そのうち2人と一緒に守護精霊を探すための旅もいいかも。
「ステータスを見せてくれてありがとう」
2人に感謝を伝える。
これで本当にサラとティナのパーティーメンバーになったんだなと思うとかなり嬉しい。
「それじゃ出発するけどミオちゃんは私たちの後ろにいてね」
「うちが周囲の魔物の気配を探るから大丈夫やと思うけど危なくなったら遠慮なく教えてや?」
「わかりました、先輩!」
大きな返事をして初めてのダンジョンを歩き出す。
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