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キミが僕の腕の中で。  作者: るりか
第一章 やっと逢えたね
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4



煙草を口に咥えたまま喋る担任は、ネクタイも緩んでいるし髪もボサボサで、初めて見たときとなんら変わらず、だらしがない。


母親が「禁煙なんじゃ…」と口にすると「いや、咥えてるだけですから安心してください、吸いませんし」と即答した。


吸わないからって教師がそんなことでいいのかと思う。


口が寂しいんですよね~と言っていたけどそれなら飴やガムでもいいのではないかと思うが。



「クラスは前も言ったけどB組だ。」


職員室から出て担任の後ろをついて歩く彼女の足取りは朝より更に重たい。


心臓がバクバクしているのがわかる。


少し呼吸がしづらくなる。


――――こわい。


「ここでちょっと待っててくれ。呼んだら入ってきて」


担任が先に入っていってしまい心細くなる彼女。


あんな担任でも一人よりはマシだったようだ。


ザワザワする教室だったが、担任が入ると皆の話がピタッと止まった。


「入ってきて~」


深呼吸して一旦心を落ち着かせる。転校生ってこんなに大変なんだと痛感する。


…よし!と心を決め教室の中に一歩入ると皆が彼女のことを見ているのがわかった。



注目されるのが苦手な彼女はまた下を向く。


「今日からこのクラスに入るあがた 結愛ゆうあさんだ。仲良くしろよ~」


担任が紹介してくれた後、軽く頭を下げ言われた席に着く。


「ね~すごい可愛い。人形みたい。」


「誰か芸能人に似てない?」


また注目されているのを感じた彼女は急いで窓際の一番後ろの席に向かった。


「おはよう」


彼女はまだ気が付かなかった。それは下を向いていたし、自分のことでいっぱいいっぱいだったから、クラスの人の顔を誰一人として見れていなかったのだ。


顔を上げて声のする方を見ると、そこには――――息を呑むほど美しい顔をした男の子が座っていて――――


「隣だね、よろしく」


「……よろしく」


声が少し震えているのが自分でもわかった彼女は、恥ずかしさのあまり顔がほんのり赤くなる。


これ以上彼と話したくない彼女は急いで席に着き、教科書を机にしまう。


彼がまだ見ているのがわかる。横からひしひしと視線を感じる。


――――一体なんなの。

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