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「ふっ読み返したら“大丈夫”ばっかり書いてる。これじゃまるで大丈夫じゃないって言ってるようなもんだな…」
そう思った彼女がクシャクシャに丸めて捨てようとして、その動きを止めた。やっと書いた手紙だ。次いつ書けるかわからないし、返事がない方が心配するに違いない。
「ゆうあ~朝ご飯できたから、下りてきて」
はいと返事をし、書いた手紙を学校の鞄に無造作に投げ入れる。
「……今日から学校ね、どう?わくわくする??」
「…うん…まあ。」
「あぁ…そう…」
どこをどう見たって“上手くいってる”とは言えない二人。
でもそれは仕方ないことだと思う。物心つく前に母親は彼女の元にはいなかったし、母親もまた彼女の記憶は赤ん坊の頃のほんの僅かしかないのだから。
二人共相手に対してどう接したらいいのかイマイチわからないのだ。
「仕事の通り道だし、車で送っていこうか?」
「あ~ありがとう。だけど初日だし、歩いて行きたいからいいや…」
「そうね…その方がいいわね」
母親という存在とどう接していったらいいかわからない彼女がここに来て三週間、家で休まる時は寝るときくらいだ。
いってきますと小さな声で言った彼女が家を出ると、雨が降りそうなどんよりした曇り空が広がる。
これは傘が必要かもしれないと思いながらも、そういや傘買ってないんだったと深いため息を吐き、ゆっくり歩き出した。




