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女帝  作者: 鈴木幸一
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第十四話。根津頭取移住先、スペインに出国。

 第十四話順子 根津の移住先、スペインに出国

 ※十二月二十六日。羽田に七時に、着いた。順子は。出国手続きを済ませ。国際線乗り場で待機していた。搭乗の案内が流れて。ゲートに入った。九時。時間通り出発した。

 十二月二十七日。スペイン空港に着いた。入国手続きを終えて。ゲートを出た。

「おー・・・順子。・・・よく来たな。・・・」根津が居た。二人は抱き合って。順子は。涙が出た。泣いていた。

「パパ。・・・」二人は空港を後にした。タクシーで。町のホテルに行った。カナリヤ諸島には、明日行くと言う。部屋に入った。透かさず、ベッドインした。

 根津も、一年ぶりに会う順子を、優しく迎えた。順子も、応えた。

「やっぱり順子は良いな。・・・」根津も涙を滲ませていた。

「ぱぱ。・・・若く。成った。ね。・・・前と違うよ。」

「うん。本当か。・・・」又、二人は。抱き合った。暫く、寝ていた。順子は先に起きて。シャワーを浴びて化粧して。ソファーで休んでいた。根津も起きて来てシャワーを浴びて。ソファーで休んでいた。根津が。

「順子。心配して居たけれど。・・・どう。周りは。・・・」

「うん。良くして、貰っている。・・・皆は、パパは。親分だ。て。言って居ました。」

「あ。そう・・・親分。か。そうでも、無かったけれど。皆。気。使っていたのかな。とにかく金は動かしたから。な。」

「多難さんも言っていた。根津さんが居なかったら。俺は。どうなって居たか分からない。て。」

「そうか。・・・夕食は、部屋に持ってくるから。・・・外へは出ないよ。明日は島へ行って、観光するから。・・・海と空と町は。日本では、想像つかない位。・・・何日迄。」

「六日迄。十日間。取ってきました。」

「じゃ。ゆっくりだね。・・・順子と十日間か。・・・良かったなー。」

「御待ち同さまー」料理が運ばれてきた。三台のワゴン車だ。畳一畳のテーブルが、いっぱいに成った。

「えーパパ。こんなに沢山。・・・」

「あー。大丈夫だよ。順子なら。食べられるよ。・・・食べようか。」着いて直ぐ、頼んだので。早く来た。順子も何も食べて居なかったから。丁度いい。

「私まだ何も食べて居なかったから。・・・お腹空いて。居たの。」

「此のワインは。八百年物じゃないかな。一番おいしいワイン。て。言って居たから。飲んで御覧。」根津は順子に、注いで上げた。

「本当美味しい。・・・今まで飲んだ事無い。味だ。まろやかで。鼻に抜ける。感じが。なんとも言えない。ぇーこれ。マグロじゃない。お刺身。」

「そうだよ。・・・地中海で取れたマグロだよ。・・・順子。日本のマグロは。地中海が。半分、入って居るよ。」

「そうですか。・・・美味しい。・・・」

「それはそうですよ。生だから。取れたてでしょう。・・・明日。島の料理は。又違う。美味しい。」二人は。飲んで食べて。三時間が過ぎた。いろいろ話した。フコントに連絡して。器を下げた。二人は。シャワーを浴びて。直ぐ寝た。

 順子は、九時に起きた。シャワーを浴びて化粧して、外を眺めていた。日本の景色とは違う。マドリード。スペインの首都。初めての海外旅行だ。根津が起きて来た。シャワーを浴びてきたようだ。

「食事は。ビュッフェ。スタイルで。・・・自分で器に取る。・・・行こうか。」二人は。上階の。レストランに行った。人が、いっぱいだ。皆外人だ。

「あ。そうか。・・・日本じゃない。んだっけ。」順子は苦笑いした。窓際が空いていた。

「えー景色が違うわね、パパ。」

「此処はマドリードで一番良い。ホテル、らしいよ。知人に。頼んだから。」

「人も違いますね。何となく、お金持ち。て。感じがする。眺めも、良いね。古いけれど。新しい。て。感じで。」

「ヨーロッパの歴史は。一千年だから。日本より古いし。石造りだから。丈夫だよ。戦争も、何度も繰り返しただろうけれど。先人たちは凄いですね。・・復興した。」

「戦争は嫌ですね。・・・何故戦争するのか。」

「順子。生きて行くには。戦わないと。・・・明治維新が成功したから。こそ。国民も。が頑張って、来れ、た。あれが無かったら。まだ。チョンまげ。結って。居たかもよ。順子貧富の格差が。激しくなると。暴動が起こるよ。・・・順子が百歳になるまで、戦争が起こるかもよ。・・・第三次。四次世界大戦。・・・金は平等と。言っても。どうしても、片寄りに成る。・・・人間の欲望を、止めることは。不可能である。故に。順子。生きた金を廻せば。必ず見返りがある。十年。頑張れ。・・・お前たちは、勝ち組のグループだから。」

「そうですね。貧富の差。て。・・・分かって来た。パパ。アメリカの繋がりは、大事ですよね。」

「それは、そうだよ。・・・日本を助ける。と言っている。んだから。ついて行けば。見て見ろ。小佐野が。アメリカと。通だから。・・・小佐野に就いて行けば。生きた金を、動かせるよ。」

「分かって来たよ。パパ。・・・田中さんが、ぴったり就いて居る。

「田中だって。小佐野が居なかったら。俺と会えなかった。・・・でも、奴の馬力は。半端じゃない。必ず総理大臣に成る人だ。遅かれ、早かれ。田中とも。仲良くして置いた方が良い。・・・情報は、いっぱい、持っている。筈だ。田中は。国会議員では。ホントに体を張って、遣って居る。中国との。国交も考えて居る。・・・田中だけだ。」

「そうですか。・・・田中さん。・・・」二人は。ホテルを出て。空港に向かった。国内便だから。直ぐ乗れる。テネリフェ島に行く。二時間半位、掛かるそうだ。飛行機に乗った。順子は、ウキウキだ。窓から外を見ている。

「パパ。島が見える。・・・ほら。一二三。四五六七八。・・・八つだ。」順子は。燥いでいる。晴れているので、はっきり見えた。空港からタクシーで直ぐ着いた。

「此処だよ。」二人は降りた。管理人さんが出てきた。

「お帰りなさい。」日本語だ。この叔母さんは、スチュワーデスをしていたので日本語が話せる。

「へー。凄いね。パパ。日本語話せる。人が居て。・・・こんにちは。お世話らなります。」

「マー、マー。根津さん。お綺麗なお嬢さんで。・・・お上がりなさい。」随分優しい人だ。

 四階建てで。四階に。部屋がある。エレベーター付きだ。外はオーシャンビューだ。

「パパ。良い景色ですね。浜辺が綺麗。砂浜で。人がいっぱい。」

「良いだろう。此処は。テネリフェ島。と言って。人口=九十万人位だよ。ヨーロッパのハワイ。でもね。「常春の島。」何だよ。アフリカ大陸のモロッコに近い。平均気温が。二十一℃。何だよ。熱くもない。寒くもない。半袖一枚。着るものは要らない。半ズボンで。

 このマンションは。世界中の、お金持ちの方達で。この街に、それなりの寄付を、していたから。サービスが行き届いて居て。何でもしてくれる。上げ膳。添え善。だよ。世界の料理が食べられる。のも。此処の特徴だ。全て無料。・・・死ぬまで、お金は掛からない。・

 ・・・着る物も、下着以外は、皆さんが着た古着を、クリーニングして、下げてある。・・・どれでも、自由に着る事が出来る。返しながら。着替える。・・・真にリサイクルだ。世界中の服が、並んでいる。」

「えー・・・死ぬまで無料。食べ放題。着る物もリサイクル。・・・へー凄いシステムですね。日本でも、このシステム。良いかも。」

 二人はシャワーを浴びて、着替えて。浜辺に行った。歩いて直ぐだ。順子は日焼け止めを塗って、海に入った。水着を持っていない。でもブラジャーも付けていない人も居るので。順子は。パンティ一枚で。海水浴をしていた。根津も、別に気にしなかった。パンティ一枚の人が。いっぱい居るから。流石に順子の身体は。一目。上だ。プロポーションが違う。スペイン人にも、引けを取らない。すると順子の傍へ皆、寄って来た。何か話しているようだ。同世代位の。女性たちだ。順子も楽しそうに話している。一時間位、海水浴場に居た。

 順子はシャワーを浴びて来た。

「あー楽しかった。・・・日本人でしょう。て。聞いたみたいなので。イエス。て。言ったの。言葉が分からないけれど。何となく。手振り身振りで。」

「そうだろう。楽しそうだったから。放せるのかな。と。思ったよ。・・・レストランに行こうか。」

 いっぱい居た。老人ホームみたいだ。でも賑やかで。楽しそう。

「ハロー。根津さん。・・・」女性。三人寄って来た。同じテープに座った。

「貴方。お嬢さんですか。・・・」日本語話せる。順子は戸惑った。

「はい。今日来ました。・・・」

「何時まで、滞在ですか。」

「五日迄です。六日帰ります。・・・宜しくお願いします。」

「いいえ。お互い様ですから。大丈夫ですよ。」ニコニコ話している。

「あ。順子。この人達は。隣の部屋の人達です。何時も三人一緒で。」根津と、気が合うみたいだ。

「何時も一緒よ。私達ね。・・・根津さんも。」根津も喜んでいた。

「有難う。ずーとお友達に成ってね。」順子もお願いした。一人の叔母さんが紅茶を持て来てくれた。

「どうぞ。・・・」

「有難う。」紅茶を飲んでから。外へでた。町を散歩した。

「順子。明日は。クルーザーで、島めぐりしようか。」観光会社に予約しないと。二人で観光会社に入った。二十人乗りの。中型クルーザー。で。根津は手帳を出した。無料だ。

「パパ。其れって。身分証明書。」

「そうだよ。・・・特別だから。此れを出すと。町に寄付した金持ちだ。て。分かる。だから無料だ。」

「えー良いですね。・・・パパは。凄いですね。・・・知って居た。んですか。」

「そうだよ。大使館で教えられた。から。一億円。寄付して有るから。俺が死んでも、金は残るから。順子も、此処に。来れるかもよ。・・・来たいなら。役所に登録すれば。」

「えー・・・今でなくても良いでしょう。」

「まあな。考えた方が良いよ。・・・明日は。島めぐり。明後日は。劇場のコンサートに行こうか。何でも有る。イギリス、アイルランド、フランス、ノルウェー。二泊三日ぐらいで。順子。だから飽きが。来ないですよ。・・・全て無料。あのおばさん達も。・・・十名位。居るけれど。仲間が。でもあの三人は。御隣同士で。何時会うから。」

「えー。パパ充実しているね。」

「うん。まあな。」根津は楽しそうだ。散歩して。部屋に帰った。夕食には早い、二人はシャワーを浴びて。ベッドでくつろいだ。疲れて、少し寝た。八時頃起きた。根津が。

「ワインでも飲みに行くか。」二人はレストランに入った。ワインを頼んだ。根津は金を払った。

「ぇ。無料じゃないの。・・・」

「順子。特別のワインは。お金払う。・・・一千年前のワインを頼んだ。」

「えー・・・本当。」順子はびっくりして居た。ワインが来た。順子は。早速飲んだ。

「おー・・・何となく、美味しい。五百年。共。何処か違う。・・・」

「あー。違うの、分かれば、それで良い。・・・食べ物。て。そんなもんだよ。」

「段々、美味しく感じる。・・・」

「次は。安の。飲んでみるか。直ぐ分る。」根津は何時ものワインを頼んだ。

「あー。本当だ。・・・これ。飲めない。パパ。」

「ハハハ。だろう。・・・こうなったら。どうする。」

「えー。高いのが良い。・・・でも幾ら。」

「そうだな。日本円にすると。一杯。二万円かな。」

「えー・・・二万円。・・・これは飲めません。」

「順子子利子までは。此れを毎日。二三倍。飲む人たちが、多く居る。・・・此のグラスで分る。此のグラスを割ったら。罰金。十万円取られる。其のあたりは徹底している。」

「へー・・・上には上が有るね。パパ。ビックリした。」

「順子。地球は広い。これからは、世界に羽ばたいた方が。楽しいよ。」

「そうか。・・・世界に羽ばたく。」

「あ。そうだ。順子。株式上場の仕事で。数字は。幾らになった。」

「はい。パパから三億円預かって、それと。新日本銀行の二十億円を。動かし。私の名前で。投資しました。其れで。三倍五倍と言う。配当と、なって。百九十六億6千万円です。・・・全て新日本銀行に預けて有ります。・・・ただ手に持った、訳ではない、から。」

「え。百九十六億。・・・凄いなー。俺より遣り手だな。順子。・・・」

「パパ。何もしていないのよ。上場する時。社外役員に採用されて。その会社に投資した。七社の配当。と言うか。・・・それから上昇しているから。もっと増えて居るかも。」

「うん。其れ、なんだよ。順子。活きている。金。て。廻し方が上手だった。結果だ。さ。これからが本番だ。順子。・・・俺が、国際電話で。連絡して置くから。「電電公社。」と言う、国で運営している。其れが、民営化に成る。・・・まだ秘密。だから。俺と順子しか知らない。筈だ。此れに全部投資する。・・・じゃ。取り敢えず。其れを担保に。新日本銀行から、借りて、百五十億円。投資する。何年か後に。順子が遣った上場の仕組みだ。・・・御覧の様に。株式会社に成るから。・・・その時。おそらく。の。話だが。・・・十倍に成る。これは。誰も分らない。・・・分かって居るのは二三倍に成る事は。公社内では、知って居る。・・・だが十倍と。予測している人は。俺の友達だけ。だから。その人に言って。投資して置けば。・・・表には出ないようにするから。そして五年位。放って。置けば良い。・・・じゃ。一月十五日。銀座の店に行く様に。話して置く。メモっておけ。・・・其の人をも。近づけておいた方が。順子の為に成る。田中と通だから。国の事は全て解る人だ。」

「はい。有難う。・・・一月十五日。ですね。・・・電電公社。て。電話局ですか。」

「そうだよ。・・・電波の権利を持っているから。三菱三井が来ても。跳ね返す力が有る。世界ともつながって居るし。・・・衛星放送が始まれば。なおさら伸びる。絶対潰れない。その人に。一千万円。小遣いを、掴ませれば。・・・確かNTT。と・命名する筈だ。」

「はい。分かりました。」順子も本気だ。二人は部屋に戻った。

「あー疲れたね。パパ。」

「うん。・・・疲れた。順子と、暫くだったから。・・・頑張りすぎた。」二人は、本当に疲れていた。

 直ぐ寝た。朝起きたのが九時だ。

「あ。順子。クルーザー。何時だっけ。」

「十一時よ。・・・支度しないと。」二人は急いで支度して。観光社に行った。皆来ていた。

「へー大きい船ですね。パパ。」

「うん。良いだろう。」三階建てに成って居る。根津は三階の、一番前の席を、取った。

「わー。全部見える。パノラマだ。」順子は、またまた、燥いで、居る。根津は、嬉しそうだ。二階が、レストランに成って居る。二十人乗りだが。今日は。十名だ。空いて居る。カナリア諸島巡りで、各島にも立ち寄る。と言う。エメラルドの海で。真っ白い建物と、緑の山々が。良い。コントラストだ。順子はカメラを持って来た。しっばつして直ぐ食事用意が出来た。ビュッフェスタイルだ。魚介類が美味しい。午後四時ごろ。港に戻った。

「パパ。綺麗だった。ね。島巡り。」

「俺も初めて見た時。来て良かったと。思ったよ。・・・人も、良い人ばかりだ。」

「パパ。て。人に好かれていますね。・・・日本でも。」

「そうだな。・・・怒った事、無いから。・・・ずっと受け継いだ、渋沢栄一の、社訓。と言うのを守って来たから。「怒って金儲けした人は、居ない。」社長室に、パネルが張ってありますよ。」

「え。気付かなかった。」

「段々。分かるよ。順子。・・・焦る必要は無い。姿は、のんびり余裕を持って。行動は速やかに機敏に。」

「はい。そう思って、遣って居るつもりです。・・・パパの友達。八人を見て居ると。行動力が早い。そして、正確で。でも焦らない。・・・見習って居ます。」二人は待合室で、コーヒーを飲みながら。休んでいる。町をブラブラして部屋に帰った。二人は疲れて直ぐ寝た。夜は、食事はしない。お腹いっぱいだ。順子は、夜中に起きてシャワーを浴びて、紅茶を飲んでいた。・・・また寝た。

 ※十二月三十一日。九時頃起きた。二人はシャワーを浴びて。紅茶を飲んでいた。

「パパ。今日は。町が騒めいていますね。・・・」

「あーそうだよ。ハッピーニューイヤー。の。準備ですよ。町中露店が出て、砂浜もライトアップして。元日まで、続く。フラメンコ、タンゴ。踊り等。六種類あるそうだ。日本では見られない。町中が踊りだす。四時ごろ一階のレストランに行こう。皆居るし。このマンションの人達は。踊れない。年だから。・・・でも、見方は厳しい。昔やって居たから。」

「そうかフラメンコ。聞いた事が有る。でも見た事無い。・・・面白そうね。」

「あー。順子。フラメンコ憶えなよ。・・・順子に合うよ。背が高いし、足長いし。絶対合う。・・・好きに成るかも。・・・フラメンコ踊りは、大会が有って。スペインの、伝統舞踊だから。」

「えー本当。楽しそうだね。・・・パパ。夕方まで何も食べない方が。良いですね。今夜の為に。・・・屋台が出る、でしょう。」

「そうだな。・・・そうしよう。」二人は、ベランダに出て。休んでいた。うたた寝している。二人は目が覚めた。十二時過ぎていた。順子は、シャワーを浴びて化粧して、ソファーで休んでいた。根津も起きて、シャワーを浴びて化粧してソファーで休んだ。コーヒーを入れた。

「順子。そろそろ出ようか。・・・町をブラブラしながら。」

「うん。そうしましょうか。」二人は、家を出た。賑やかに準備をしている。舞台も造って居る。

「浜辺に行って見ようか。」二人は浜辺へ出た。舞台が何か所も造って居た。波の音も静かだ。ライトアップの準備もしている。

「パパ。随分賑やかに成りそうね。」二人はレストランに入った。・・・空いているテーブルが有ったので座った。すると女性、五六人が来た。

「根津さん。お嬢さんですか。・・・お綺麗な人ね。」日本語で話しかけてきた。日系アメリカ人だそうだ。日本語を話せる。

「はい。パパを宜しくお願いします。」順子は丁寧にお辞儀した。一緒に座った。この人達は、この島へ来て、五年に成と言う。八十歳には見えない。元気な人達だ。

「お嬢さん。フラメンコ。踊れるでしょう。」

「いいえ。踊れません。見るのも初めてです。」

「え。そうですか。・・・でも直ぐ踊れるように成りますよ。・・・タップも有るのよ。貴方は、スタイルが良いし、大きいから。フラメンコ。会いますよ。」皆で紅茶を飲んでいた。

 外では音楽の、練習が始まった。各舞台で趣向を凝らして、様々だそうだ。衣装も、それぞれ違う。外を見たら、ダンサーたちが。ゾロゾロ集まって来た。六時だ。パレードが、始まった。日本の阿波踊りみたいな感じだ。皆で外へでた。

「わー。凄い。・・・これ一晩。踊るの。・・・此の激しさで。」

「そう。らしい。・・・でもお互い休みながら。遣るでしょう。」順子はワクワクしてきた。

「パパ。私も踊れそう。」順子は身体を動かしている。

「パパ。タップが難しいね。」順子は、本気で動いて居る。見ている人も、皆。踊って居る。根津は小銭をいっぱい持って来た。屋台で払う。お金だ。根津たちは、六人グループで、歩いた。

「お嬢さん。これ食べなさい。」羊の串焼き。ウサギの串焼き。だと言う。食べた。

「美味しい。ウサギの肉。羊の肉。」皆で、立ち食い、歩きだ。テーブルも並べて有るので。時々、座って休める。

「楽しい。・・・」果物も有る。ピザも有る。いろいろの。スペイン料理が。或る。

 今度は、各舞台で。各自。趣向を凝らした。踊りが始まった。それぞれ、好きな舞台に人が、移動している。衣装も、パレードとは。違う衣装に変えて。

「パパ。衣装も素晴らしいですね。・・・来て見たい。踊ってみたい。」6人で歩いている。すると。飛び入りで踊らないか。と言う。誘いが有った。順子は。

「私、踊りたい。・・・教えてくれるの。・・・」教えると言うので。舞台に上がった。五六人上がった。10分ぐらい教えられ。踊った。順子は。身体が柔らかいので。スムースに動いて居た。・・・先生が。

「貴方。上手ね。・・・」先生が。順子に、細かい手解きを始めた。順子は、柔らかい身体だから。直ぐに動ける。

「貴方、スポーツ。・・・なに」スポーツ何やって居たかを聞いて居る様だ。

「体操よ。・・・ほら。・・・」順子は。後ろに仰向けに成って。床に手を着いた。

「おー・・・」パチパチパチパチ。見ている人達も拍手喝采だ。

「貴方素晴らしい。・・・踊ってみて。」順子は。タップして。踊った。

「おー。ナイス。・・・明日。私の家に来なさい。・・・教えてあげる。」住所と電話番号を書いたメモを渡された。順子は。イエスと。答えた。

「パパ。凄い。私。習う。・・・」順子は、本気だ。身体が訛って居るのを感じて居たから。丁度良い。タイミングだ。見よう、見まねで。参加していた。ハッピーニューイヤー。に。もう直ぐだ。カウントが始まった。三十分前だ。十分前からは。音が高くなるそうだ。

 いよいよクライマックスだ。花火と歓声で祝った。

 ※千九百七十年。昭和四十五年。元旦。順子二十五才に成る。幕開けだ。

「パパ。楽しい。・・・」

「順子。良かったぞ。・・・踊れるよ。順子。素晴らしい。

「うん。まんざらでもない、ですね。パパ。」六人は、屋台を食べ歩いた。隣のおばさん達とも。会った。

「あら根津さん達。・・・まだ居る。の。」

「はい。・・・もう帰ろうか。」根津たちは、隣のおばさん達と帰った。レストランで休んだ。

「お嬢さん。踊って居たでしょう。見えたわよ。」

「えー・・・どうだった。」

「初めてにしては。・・・上手だったよ。身体が動いて居たから。」

「それは。若いから。良いですね。若い事は。」皆盛り上がって居た。二時に帰った。シャワーを浴びて、二人は、寝た。

 ※一月二日。二人は、十時頃起きた。シャワーを浴びて化粧して。紅茶を飲んでいた。

「パパ。この住所分かる。・・・」 根津がメモを見た。

「分からないね。隣のおばさんに聞けば、直ぐ分かるよ。」 順子は。隣に、行った。叔母さんが出てきた。

「あ。失礼します。・・・」

「あら。根津さんの。・・・」

「この住所分かりますか。」順子は、メモを見せた。

「あら。近いわよ。・・・歩いて、十分位かな。・・・一緒に行きましょうか。」順子は。根津に言って、叔母さんと二人で、住所の場所に行った。

「此処よ。・・・フラメンコ教室。て。書いてあるわよ。」ブザーを押した。

「はい。・・・あら。・・・貴方。どうぞ。」二人は、お邪魔した。ガラス張りの、広いホールが有った。

「えー・・・本格的だ。」順子は、びっくりした。

「あら。来てくれましたね。・・・私は、日系アメリカ人だから。日本語、大丈夫。」

「え。有難う。・・・フラメンコ教えて、頂きたいです。」

「本来は、四日までお休みなの。・・・丁度良かったわ。生徒が居ないから。マンツーマンで。・・・貴方。姿勢が良いのよ。体操やって居たから。足も長いし、ぴったりよ。先ず、タップから。・・・靴は、どれでも、履いて良いのよ。」貸し靴が、いっぱい有った。順子は靴を履いて。立って居た。先生が。

「はい。足を、かかとで、蹴るような。早く遣るの。」先生が。遣って見せた。カタカタカタカタ。カタカタ。カタカタ。順子も、真似した。

「そうそう・・・上手ね。・・・運動神経が良いから。・・・身軽ですね。・・・回って。右に左に。手を頭の上に上げて。そうそう。・・・はい。素晴らしい。其れの繰り返し。最初は。ね。」順子は、大体、形は出来ていると言う。褒められた。此れを。ひたすら練習する。

「有難う。先生。私。フラメンコ。覚えたい。」

「大丈夫よ。貴方なら直ぐに、憶えられる。・・・疲れるまでやって居て良いよ。私、お買い物に行ってきますので。」先生は居なくなった。隣の、叔母さんはどうする。

「私は、用事が無いから。・・・居るわよ。・・・フラメンコ好きだから。」

「えー。じゃ悪い所。見つけてね。」叔母さんが、けっこう、アドバイスしてくれる。先生が帰って来た。一時間位過ぎた。

「あら。頑張り屋ですね。・・・ずっと良いですよ。前より。」

「はい。有難う。・・・疲れました。」

「何処にお住まい。」

「はい。・・・」すると叔母さんが。スペイン語で、話してくれた。

「あのマンションの方。えーと。最近、日本人の紳士で、根津さん。て。聞いて居ますよ。お金持ちだ。て。この島に、高額を、寄付した、人。」すると叔母さんがスペイン語で。話した。

「えー。其のお嬢さん。・・・そうですか。安心したわ。・・・お父さんにお友達に成りたい。て。言っておいてください。・・・明日。十時頃来てください。」

「有難う。こちらこそ。宜しくお願いします。」話は決まった。順子と、おばさんは、帰った。一階のレストランに入った。順子が。

「お昼食べましょうか。・・・パパも、呼ぶから。」部屋に電話した。根津が下りてきた。

「おー・・・どうだった。」

「パパ。良かった。凄く優しい先生で。」すると、おばさんが。

「順子さん。覚えちゃったの。根津さん。凄いの。お宅のお嬢さん。」

「あまり褒めないで。その気に成るから。」三人で、お昼を食べた。部屋に帰った。

「パパ。形。は。覚えたけれど。まだまだ擬古地が、無いの。自分でもわかる。・・・それでね。・・・パパの事、知って居る。て。日本人の紳士で、根津さん。て。この島に、高額を、寄付した人で。お金持ちの人。て。言っていたよ。」

「本当に。・・・一億円だから。・・・そうかもね。・・・あまり外へ、でない方が。良いかな。」

「うん。・・・友達に成りたい。て。言って居ました。・・・でもさ。せっかく、友達に成りたい。て。言ってくれているから。出た方が良いですよ。パパ。」

「ま。治安は悪くないけれど。噂されるのが。・・・皆年寄りだから。・・・妬みが出て来るかも。心配だよ。」

「うんーそうか。・・・ま。楽しく遣れば。・・・パパ。」順子は、午前中。フラメンコ習いに。行く事にした。部屋へ戻った。順子は疲れて居る様だ。ソファーで、うたた寝していた。

 ※一月三日。九時に起きて、シャワーを浴びて化粧して。根津も起きて来た。

「パパ。私、行ってくるね。・・・あとでレストランから。電話するね。」先生の家に一人で行った。

「お早うございます。」

「はい。待って居ましたよ。紅茶とケーキ。たべて。」

「有難う。」二人で食べて居た。

「順子さん何日まで、滞在するの。」

「はい。五日の四時に。スペイン空港フライトです。」

「そう。じゃ。お昼に島を出た方が、良いですね。・・・それでね。日本に私達の、グループが有るの。青山と言う。所なの。順子さん。何処にお住まいですか。」

「はい。私は。六本木です。」

「え。知って居ます。・・・そうですか。近いですね。・・・招待状を書いたから。日本に帰ったら。行ってください。・・・分かりますから。」

「本当ですか。有難う。」

「それで。此れ。私の、古着の衣装ですけれど。十着ありますので。上げます。着てください。靴も二足、入って居ますよ。」

「えー。有難う。良い、んですか・・・」

「スタジオの皆様に。私は、元気で居ます。と。伝えてください。・・・日本で会いましょう。じゃ始めましょうか。」順子は靴を履いて。用意した。先生と二人で鏡に向かって。踊った。音楽も大きくした。ゆっくりのタンゴ調も、有る。でも、フラメンコが良い。順子は本気だ。・・・何故なら。体操の練習を思い出している。あの思い、したら。なんともない。余裕だ。先生は疲れた。一時間が過ぎた。

「順子さん疲れないね。・・・若いからね。・・・それにしても柔らかいですね。・・・とても良いですよ。しなやかで。最後の締め方をしっかり止めてね。・・・終わりが。大事よ。」

「はい。・・・オーレっ。」

「そうそうそう。力。入っても良いのよ。素晴らしい。二日目で。こんなに覚えて。」

「後。一時間位有るから。一人で、練習して、居てね。・・・お客さんが見えたみたいだから。」先生が居なくなった。順子は。音楽に合わせるのを気にして居た。メリハリが、あるのを掴んだ。・・・これが大事みたいな、感じがする。何回も練習した。汗もかいた。タオルが汗だらけだ。一時間後。先生が見えた。

「まだ。遣って居る。・・・順子さんは、頑張り屋さんですね。皆さんはね。一時間でくたくたよ。・・・素晴らしい。」順子は。床運動。体操をして見せた。スタジオが、広いので。

 バック転。五回。前宙返り、三回。又開きして。倒立。逆立ちして、十歩。歩いた。最後に、右足を耳に着けて。十回転して。終わった。パチパチパチパチ。

「順子さん。凄い。・・・間近で、見たの、初めてだ。・・・素晴らしい。」先生は喜んでいる。

「先生。疲れました。・・・」

「それは疲れますよ。順子さん。」涙ぐんで、喜んでいる。順子は。四五日の二日間。午前中。フラメンコを習った。先生から頂いた。曲のテープ十枚。衣装と靴をケースに入れて。整理して、置いた。

 ※一月六日。九時に起きて、シャワーを浴びて化粧して。コーヒーを飲んでいた。根津が起きて来た。シャワーを浴びて来た。

「あー。もうお別れか。・・・順子。楽しかった。か。・・・」

「はい。パパ。こんな楽しかったの、初めてです。有難う。・・・フラメンコが。・・・先生にも衣装を頂いて。靴まで。何てお礼しようか。」

「順子。・・・それは。今度先生に会うまで。上手に成ることが。恩返しだよ。」

「え。・・・そうか。・・・近いうちに、日本に来る。て。言うし。・・・分かりました。頑張ります。青山の本部に行けば、分かると言われましたので。」二人は。家を出て島の空港で食事をして。スペイン空港に一時に着いた。出国手続きを済ませ。御土産を買って、ロビーで待機して居た。根津もしょんぼりしていた。

 案内が流れた。カナダ経由日本行き。順子は。ゲートを入った。手を振って別れた。

 ※一月七日。午後四時。羽田に着いた。タクシーで帰った。荷物を広げて。整理して、ベッドに入った。疲れていたので。八時頃目が覚めた。疲れていたので、弘子に電話して。お店を、休んだ。そして。・・・ヤギのチーズをいっぱい買ってきたので。寿司屋に行った。

「明けましておめでとうございます。」入った。

「あーおめでとう。今年も宜しく。」女将さんに、お土産を渡した。

「あら。スペインに行って居たの。」

「そうです。五時に着いて、今まで寝ていたの。疲れて。・・・ヤギのチーズ。・・・美味しいです。~。食べて下さい。」

「えー。ヤギのチーズ。・・・初めてです。頂きます。」何時ものが出た。ワインも出た。取り敢えず。今年も宜しく乾杯した。

「ね。とり貝。或る。・・・」

「有りますよ。今年は市場も、活気づいていますね。とり貝も豊富でした。ので。いっぱい仕入れたから。」

「お。大きい。・・・」順子はとり貝に、はまって居る。

「マスター。美味しい。・・・やっぱりお寿司は美味しい。」

「スペイン。て。どんな国。・・・」

「うんー。・・・島なの。カナリア諸島。て。西南。八個。有って。常春の島。だって。ヨーロッパのハワイ。て。言っていた。一年中二二℃。半袖のシャツ一枚で過ごせる。夜はちょっと寒い。一八℃。位。」

「えー。じゃ。過ごしやすいね。」

「だから皆元気。八〇才でも。すいすい歩いて居る。一年中海水浴して。高い山も、森も有って。・・・殆んど自給自足だって。食べ物も輸入。しなくても。地産地消で。」

「昔の古い車も、いっぱい、走っていて。でも車は要らないの。タクシーが有るから。」

「へー・・・夜も賑やかで。フラメンコとタンゴの踊りで。・・・私もフラメンコ。習ってきたの。青山に。教室が有るから。て。教えられて。スペインの先生のお弟子さんで。」

「えーフラメンコ。・・・順子ママなら。出来るでしょう。」

「三日間。習ったけれど。・・・形だけは。何とか。でも。練習のみ、だって。」

「じゃ。早く覚えて下さい。・・・それより株の事。気になって居るけれど。」

「あ。そうか。・・・四桁に成りそうよ。三百円×一万株=三百万円分。」

「そうです。・・・」

「えーとね。・・・確か千円に成った。て。・・・だから、一千万円ですね。現在。」

「本当。・・・」女将さんが。ビックリした。

「でもね。女将さん。まだ待って居た方が、良いです。・・・千五百円に成ったら。解約しましょう。・・・千五百万円まで。引っ張って。」

「そうですか。・・・その時は教えてください。」

「はい。大丈夫です。」順子は、新年の挨拶。して帰った。直ぐ寝た。

 ※一月八日。順子は。九時に起きた。今日から仕事始めか。シャワーを浴びて化粧して。ソファーで、横になって、テレビを見ていた。リリリリリリ電話だ。麗さんだ。

「明けましておめでとう。・・・どうですか。今日。・・・ライオンで会いませんか。」

「はい。大丈夫です。・・・」順子は支度して家を出た。

「お早う・・・元気ですね。順子。・・・」

「えー。お姉さんも元気ですね。」二人は。奥のテーブルに座った。何時ものメニューを註文した。

「やっぱり。此処は。良いですね。広くて。天井高いから。解放されたみたいで。

「そうです。何時もそう思う。・・・此処で、たまに待ち合わせする時が有るの。」

 取り敢えず乾杯した。

「美江さんにも、電話して置いたから。もうすぐ来るでしょう。どう株。」

「上がって居るみたい。・・・私も忙しくて見て居ないの。あれから五社。上場したのよ。・

 ・・眼が回る位、忙しかったから。・・・確か五〇円、あがった。て。聞いた。だから六千万円に成って居ると思う。調べて置きます。」

「べつにそれが無いと。て。事も無いけれど。・・・放って置きましょう。」

「動かなく、なったら。連絡しますよ。・・・その時が潮時だから。」

「うん。順子に任せる。」

「お早う。おめでとうございます。・・・」美江さんだ。

「はーい。おめでとう。・・・元気そうで。」ワインとグラス。用意して置いたわよ。

「有難う。・・・あー美味しい。・・・ところで。・・・」

「株でしょう。今、話していたの。・・・五〇円上がって。六千万円に。なって居るらしい。事務所に行かないと分からないから。て。あとで良いでしょう。其れだけ、分かれば。」

「本当。・・・良いわよ。順子さんに任せてあるから。・・・順子さん。噂は。聞いて居るの。活躍ぶりが。・・・」

「そうですかー・・・そう。目立ち。すぎちゃったの。五社。上場したの。いろんな人たちと会って。・・・今年は。・・・フラメンコ憶えようかと。スイスの人と会ったの。遣らないか。て。言われたから。青山に。教室が有る。て。」

「へー・・・順子は。出来るでしょう。だって体操していたから。・・・大変よ。見た事有るけれど。動きが。・・・美江さんと私は。無理です。・・・へー良いね。」

「私も身体が。重く成った。感じがするから。」

「もう五年でしょう。・・・なりますよ。・・・銀座へ来て。急に動かない。から。」

「そう。なんです。ズボンが、きつくなり始めて、いるから。フラメンコで。動いて。」

「良いね。若い。て。・・・戻りたいね。麗さん。」

「本当。・・・遣りたいこといっぱい、有ったけれど。もうできない。・・・此の儘。維持して行くしかない。」順子は。個人的なことには、触れないようにしている。

「でも。散歩した。り。旅行すれば。二人で。・・・うん。・・・今年はそうしようか。出かけるのが。億劫に。なって。居るから。」

「日帰りバスとか。・・・」

「美江さん。今年は。実現しましょうか。」二人は。前より太った感じがする。二人共出て歩かないから。孤立して居る様に見える。お金には不自由しないと聞いて居るから。でも。自分を癒す。趣味とか。持たないと。大変そうだ。三人は。挨拶かたがた。解散した。順子は。銀座を独りでブラブラして。帰った。居間がフロア張りなので。フラメンコを踊ってみた。音楽もかけた。おーー・・・大丈夫だ。屋敷が広いから。外には、音も漏れないし。あせも流されるし、此れで行こう。一時間位。動いた。シャワーを浴びて化粧して、お店に居た。皆早く来ていた。

「おはようございます。明けましておめでとう。今年も宜しくね。」

「ママ。皆で買ってきたの。・・・赤い薔薇の、ブローチ。」

「えー。ちょっと。高かったじゃない。・・・」

「うん。皆で出し合って。胸に着けてください。・・・」弘子がつけてあげた。

「おー似合う。ママ。・・・何時も、着けて下さい。」パチパチパチパチ。

「有難う。」ママは。これから、何時も着けるそうだ。女の子達は、七八階に分かれた。

 ドアが開いた。

「いらっしゃいませ。・・・あら。社長。」ナベプロの社長一人だ。

「忙しいじゃないですかー」

「あー俺は、暇だよ。スタッフが遣るから。」

「あ。そうですね。・・・明けましておめでとう。・・・遅れました。」

「あ。こちらこそ。ママ。全国的に。活気付いていますね。巡業も、引っ張りだこだよ。市町村会。て。有って。商工会が有って。ホテルが有って。全部、電話対応が。出来ない位。掛かってきている。事務所に居られない位。だ。」

「へー。コンサート。リサイタル。歌謡ショウ。とか。」

「そうです。今まではレコードの、ジャケットとか、ブロマイドとか、週刊誌とか、月刊誌で、見ていたが。今度は本物を見たいと言う。・・・これもテレビの影響だな。」

「そうですね。私も本物を見たいですよ。」

「やっぱりそうか。だから、キャバレー。て。各地方に出来ている。んだよ。・・・それが県を、股いで、忙しいですよ。歌手も声が枯れた。て。わめいていますよ。」

「何時まで続くやら。」

「三田明。西郷輝彦。舟木一夫。橋幸夫。いしだあゆみ。伊東ゆかり。中尾ミエ。森山佳代子たちが。何時まで歌えるか。次々と出てきますが。・・・家もどんどん排出しないと。置いて行かれちゃうから。毎日新人募集と、養成に忙しいですよ。」

「人間。て。生きて行くの。大変ですね。」

「其処に来たか、ママ。・・・と。言うと。運勢と。出会いですね。・・・良い人に出会って。」

「そうね、最初は。良い人に、出会えることかな。」

「そうですよ。だから。オーデションを、開催して出会いを決める。・・・それから。その人に、合った。曲とか、芝居を作って上げる。・・・生きる。て。大変ですよ。」

「今年もいろんな人を。発掘して行く。んでしょう。」

「そうよ。だから俺は、ただ散歩している訳じゃ無い。んですよ。」

「良い仕事ですね。若い人達を、幸せに導いてやる。自分も。儲かる。・・・社長は、若い人達と居るから、若く。見えますよ。・・・十歳は。若く。見えますよ。」

「ママ。そのうち、スタジオに遊びに来てよ。」

「はい。是非。今年は出て歩きたいと思っているから。・・・お邪魔させてください。」

 社長は。話し好きで止まらない。やっぱり自分を売りたい。会社を宣伝したい。自ら歩いて、頑張って居る、姿は。演劇そのものである。社長は、五万円置いて、帰った。順子達も閉店した。順子は帰って直ぐ寝た。そして、

 ※一月十日。

 青山の、フラメンコ教室スタジオに、行った

「お早うございます。山本順子と申します。が。・・・」

「はい。ご苦労様です。スペインの先生から。連絡が有りまして。分かります。どうぞ。」

「お邪魔します。」玄関を入った。おー流石・スタジオだ。スペインと同じだ。ガラス張りで広い。

「本日から習いますか。」

「はい。でも、用意してこなかったの。」

「大丈夫です。貸し靴が、有りますから。上着を脱いで。頂ければ。」順子は、会員手続きをして。会費を一年分、払って。上着を脱いで。鏡の前に立った。三十歳ぐらいの女性五人が居た。先生たちだ。

「先生が、褒められて、いらっしゃいました。よ。美人で、背が高くて。覚えが早い。て。」

「有難うございます。・・・でもね。五年位動いて居ないから。筋肉痛が。

「そうですか。準備体操をしっかりやれば、大丈夫ですよ。」

「では。準備体操を、三十分して。」一時間位遣った。

「ぉー。大分柔らかくなりました。肩も膝も、楽に成りました。」

「では。タップを。少し。」三十分遣った。

「あー疲れた。」少し疲れた。でも、先程ではない。此の儘やれば。体にも良いし、必ずつづける。と。決心した。先生が音楽を鳴らした。

「では本番。私の後ろで、就いて来てください。」やっぱり、腰を低く保ちながら。ひねる。手を上げて、のびのびと。天に向かって手を上げる。一通りは習ったが。プロは違う。

「六通りありますから。一つ。づつ。遣って行きましょう。先ずは、ゆっくりの、音楽にのせて。一人でやって居てください。」順子は。一人で、三十分位、踊った。

「山本さん。センス有りますね。・・・土日以外は。九時から五時まで、遣って居ますので。時間は自由です。」

「えー。そうですか。・・・助かります。」

「今日は何時まで。・・・」今、十一時だ。四、五十分位お願いします。

「じゃ一人で。やって居てください。」順子は、ひたすら、一人で、踊って居た。

「じゃ会員証です。終わった時間を書いて、印をつけて。下さい。何時間で、憶えられたかを記録します。山本さん。基本は、憶えていますので。あとは。練習を重ねることです。」

「はい。宜しくお願いします。順子は汗をかいていた。着替えて。家に帰った。シャワーを浴びて化粧して。ソファーで休んだ。

 第十一話 電電公社に参画(成功)

 ※一月十五日。店で待って居た。ドアが開いた。三番テーブルにセットした。

「初めまして。山本順子と申します。」

「はい。初めまして。電電公社の、松山薫。と申します。根津さんから電話が有り。御邪魔しました。」名刺交換した。順子は、新日本銀行取締役社長の名刺を渡した。主査、松山薫。

「ご苦労様です。・・・ワインとヘネシー。どうぞ。」順子は。二本用意した。

「はい。ヘネシーで。お願いします。」二人は取り敢えず乾杯した。美味しそうに飲んでいる。

「どうぞ、おつまみも。・・・燻製で、真空パックで。包んで有りますので。新鮮で。美味しいですよ。」松山薫は。アワビと、とり貝を食べた。

「おー美味しい。・・・初めて食べた。これって、何処で売って居ますか。」

「此れはね。まだ販売されていない。です。或る港で。取り立ての魚介類を、直ぐ釜茹でにして、直ぐ燻製する。と言う。試作中らしいです。東京でも、私だけです。取り扱いは。」

「へー・・・でも美味しい。とり貝が美味しいです。こんな大きくて。・・・」

「もっと上げましょう。」順子は。三品を用意した。

「ところで。根津さんとは、どのような関係ですか。」

「はい。名刺を見て、頂ければ。分かる通り、私が後を継ぎました。」

「あ。・・・失礼しました。・・・分かりました。・・・じゃ。両立出来ますね。会社と個人。後、他に、親とか、兄妹とか。・・・買う事が、出来ますよ。」

「え。そうですか。じゃ四人居ます。子供でも。」

「はい。大丈夫です。人数。金額。住所が分かれば。私が書類を作成します。」

「今、分かります。・・・」

「じゃ書いて頂ければ。早いです。」順子はバックから。手帳を出して。お母さんと弟。妹二人の。名前と住所を書いた。金額は。

「金額は。幾らでも良いですけれど。・・・全部で、幾らですか。」

「はい。根津さんに言われて。十五億円。」

「えー・・・冗談でしょう。・・・」

「本当です。・・・」松山は、頭を抱えた。

「会社は、新日本銀行株式会社ですね。十五億か・・・じゃ。会社が十億。社長の順子さんが、三億。お母さん達四人で。均等で、五千万円。づつで。二億。で。総額十五億円。にしますか。新日本銀行は。渋沢栄一の系列ですね。・・・まだ。活きて、いるのかな。・・・いえ。私の独り言です。気にしないでください。」

「いいえ。大丈夫です。・・・」順子は紙袋を松山に渡した。

「根津の指示で。一千万円。入って居ます。命令ですので受け取ってください。私が困るので。・・・」

「えー・・・そうですか。分かりました。」松山は受け取った。

「お金は。新日本銀行の、小切手で支払い出来ますか。」

「はい。その方が。良いですね。・・・根津さんは、このやり方、分かっていました。ね。じゃ明後日。十七日に。小切手を、六枚。さっきの数字を入れて。電電公社に来てください。私の名刺を出せば案内してくれますので。九時から十一時の間。」

「はい。分かりました。・・・伺わせていただきます。」

「山本社長。新日本銀行だから。良いかもね。他だったら。駄目と思います。」

「えーそうですか。」

「帰って見ないと分からないですけれど。・・・調べて見ます。まだ。活きていると思います。」

「じゃ女の子達呼びましょう。」順子は五人呼んだ。

「いらっしゃいませ。」それぞれ、好きな所に、座った。松山が。

「皆さんは、何、召し上がりますか。」皆ワインを頂いた。順子は一番テーブルに行った。お客さんが居た。

「あれ、ママでしょう。何処へ居た。んですか。」

「ちょっとね。お客さんと、お話が有って。・・・もう大丈夫よ。」

「此処は、バーテンダーは、いないですね。」

「居ないです。カクテルが無いので。」

「そうか。ヘネシーとワインか。・・・新年会は。忙しいですか。」

「今年は、忙しくないです。ちょぼ、ちょぼ。ですね。まだ五回ぐらいです。」

「家で遣ろうかな。・・・二十三日頃。」

「まだ。聞いて居なかったですけれど。会社。」

「あ。そうか。悪い、悪い。TBSテレビです。社会部です。斉藤孝雄と言います。日本テレビの佐藤さんの紹介です。・・・中々足が向かなくて。・・・安月給ですので。」

「え。皆さん。会社の交際費で来て居ますよ。」

「意味ねママ。芸能部が、幅を利かせて居て。社会部は、薄いですよ。・・・何かドキュメント。スクープ。無いですかね。」

「社会部は、事件でしょう。・・・話題は。」

「そう。なんです。・・・でもママみたいに。出世したとか。お金稼いでいるとか。日本一とか。これからは、女性の時代で。いっぱい稼げるとか。ところでママの店は。内緒ですけれど。小さな声で。幾ら払って居ますか。女の子に。お給料。」

「えー・・・一人。六万円です。・・・」

「えー・・・本当ですか。僕の三倍ですよ。・・・ママ。此れ。私のスクープですよ。・・

 ・取り上げて、貰えないですか。」

「ちょっと待ってください。・・・佐藤さんにも相談しないと、駄目です。ヨ。」

「えードキュメント、スクープ。・・・名前は、出しませんよ。ただ、七丁目までは。」

「佐藤さんと話し合いましょう。近いうちに。」

「スクープで放映したら。益々繁盛。間違いなしですよ。ママ。じゃ。佐藤さんと。来ますよ。」

「ママ。お客さんお帰りです」

「はい。只今。・・・」松山さんが帰るようだ。

「有難うございます。お世話に成ります。・・・私が、お呼びした私ですので。大丈夫です。十七日。九時半に。御邪魔しますので宜しくお願いします。」

「分かりました。待って居ます。」帰った。順子は、取ってくれたから良かった。旨を撫で下ろした。・・・考えて見れば。すんなり、頂いた。て。事は。・・・工作に自信が有るからだと。判断する。安易な考えじゃ。首が掛かるでしょうから。閉店して帰った。

 順子は直ぐ寝た。

 ※一月十七日。七時に起きた。シャワーを浴びて化粧して、着替えて。ハイヤータクシーに、電話した。午前中、都内貸し切り。リンカーンで。一台。神谷町。と。言ったら。根津さんとこですか。問われた。そうです。と。答えた。直ぐ来た。

「おー大きい車だ。リンカーン。前はキャデラック。か。ご苦労様です。」運転手がドアを開けてくれた。順子は乗った。

「電電公社に行ってくれますか。」

「はい。分かりました。・・・根津さんは。最近見えないですね。はい。引っ越して。私が住んで居ます。

「ぇ。そうですか。其れは、それは。これからもご利用お願いします。・・・最近。電電公社。・・・駐車場。いっぱいですね。・・・何かある。んで、しょうね。」

「あ。そうですか。・・・」順子はピンと、来た。九時前に、着いた。成る程。いっぱいだ。皆、車で待って居る。順子も車で待っていた。九時だ。皆降りた。順子も降りて、ドアマンに、名刺を見せた。案内された。皆は。待合室へ行ったみたいだ。エレベーターで。八階に降りた。ドアを開けてくれた。

「お早うございます。・・・」松山が出てきた。

「あ。ご苦労様です、どうぞ。」奥の部屋へ案内された。書記官が居た。応接室に座った。

「この前は有難うございました。・・・」順子は。軽く会釈して座って。書類を渡した。

「うー・・・分かりましたる大丈夫です。」

「小切手です。・・・」小切手も渡した。書記官が来た。二人で見ていた。書記官がOKと。言って。書類を持って行った。

「少々お待ちください。・・・銀行を確認しています。そして。株発行証書を、作ってきますので。」

「流石。大きいですね。日本電電公社。て。」

「はい。地球規模ですから。国際電報局も、一緒です。益々電波の時代に、成りますので。まだまだ大きく成ります。丁度良かったですね。社長。・・・新日本銀行の、取引が、まだ活きて居ましたので。スムースです。」四十分位、待って居た。

「おまちどうさまー」女性の方が証書を六枚。持って来た。松山さんが見た。

「はい。間違いありません。「総額。十五億円投資。」日本電電公社の社印と、局長の捺印を押してあります。山本社長。この投資は、民営化された時。公開株を自動的に購入手続きが終了します。(一次販売の株価で、十五億円を割って、何株保有とします。)・・・民営化までは。何年掛かるか、分からないけれど。必ず成りますので。大事に、待って居てください。高額配当は、間違いありません。・・・日本中。大変なことが。起こります。でも。法的に進みますので、何ら、偽りは有りませんので、安心して居てください。証書は、再発行できませんので。紛失しないように。大事に、保管して置いて、ください。・・・民営化が決まれば、通知が行きますので。株の変動を、注視してください。」順子は立って。お礼を言った。

 ※一九七〇年。昭和四十五年。一月十七日。日本電信電話公社に。十五億円。投資した。

「どうも有難うございました。・・・ちょこちょこ。お店の方に、来てください。・・・失礼します。」順子は。電電公社を出た。十時か。後。二時間ある。でも帰ろうか。ハイヤー料金は、十二時までだ。でも帰った。

「運転手さん。家に戻ります。ので。」

「はい。お済ですか。・・・じゃ帰ります。」料金を払って、家の前で。降りた。和食の店に行こうか。

「お早うございます。」

「あら。いらっしゃい。根津さんとこの。・・・どうぞ。」

 根津さんとこの。・・・ま。良いか。

「久しぶりです。・・・松をお願いします。」

「はい。有難う。・・・今日は、シックに。会議でも。」

「あ。はい。・・・今終わって。帰りです。」女将さんは、分かる。支度で。怖い。

「どうぞ。・・・金目の煮つけです。」全部で七品。出て来る。

「女将さん。美味しい。・・・ご飯も美味しいです。」

「良かったね。喜んでいただいて。有難う。」

「コーヒーですか。紅茶ですか。日本茶ですか。」

「コーヒーをお願いします。」気遣いと言うか。心遣いと言うか。気持ちが良い。順子はコーヒーを飲んで休んでいた。女将さんが来た。

「根津さんは、どちらへ、お引越しに。・・・」

「外国。なんです。・・・」

「えー本当に行ったの。カナリア諸島。・・・」知って居る。んだ。

「えー。ご存じでしたか。」

「え。何時も、言って居たから。・・・リタイヤしたら。行く。んだ。て。・・・此の辺りは。根津さん家の。土地だったのよ。会社、自宅は、六本木で。此の辺りは、畑で。地主だった。・・・慶応出て。渋沢栄一の、一族の会社に勤めて。其の一族の女性と。結婚して。・・・でも女性に巡り会えなかったの。直ぐ亡くなって、二人目も。子供二人居て。別れたの。家も。マンションも、買って。くれたみたいよ。杉並に。とか。言っていました。其れからずーと。一人で。・・・だから殆んど家で。食事していたの。身内みたいなものよ。私達。」

「へー・・・ご苦労様でしたね。」

「あの人たちは。凄い人達ばかりで。八人位居るでしょう。お友達。・・・お金持ちの人達よ。・・・私達も、軽井沢と強羅は。チョコチョコ。行って居ましたよ。五六人で。」

「そうですか。・・・私もお世話に成ります。・・・家事ができないの。疲れて。」

「夜の銀座。でしょう。」

「そうです。お店が二件あるから。女の子二十人。使って。・・・でも良いお客さんばかりで。助かって居る。」

「そうですか。二件も。銀座で。素晴らしいじゃないですか。・・・経営力が。」

「最近。馴れました。」順子は精算して帰った。松は、三千円だ。寿司屋より高い。でも美味しい。六十歳位の夫婦だ。良い人たちだ。家に帰った。はす向かいだから。近い。ソファーで休んだ。うたた寝していた。五時頃起きて。シャワーを浴びて化粧して。店に行った。女の子達は来ていた。

「お早う・・・ご苦労さん。」店を開けた。ドアが開いた。

「いらっしゃいませ。・・・あら。社長達。・・・どうぞ。」三番テーブルにセットした。

「オーす。開けましておめでとう。新年のあいさつに来たよ。」

「まあまあ。ご苦労様です。今年も宜しくお願いします。」笹川。五島。小佐野。田中。横井。五人だ。

「あら。堤さんと根津さんは。・・・」

「あー急用できた、らしい。・・・正月も終わりだよ。ママ。取り敢えず乾杯。」

「此処のつまみは美味しいですね。・・・板長も探したけれど。見つからない。て。」

「でしょう・・・家だけなの、特別に。数が無いから。・・・でも、今年から本格的に。卸す。みたいですよ。工場を造った。みたいだから。・・・私は料理しないから。」横井社長が。

「家にも紹介してよ。・・・」

「はい。そうね。・・・でもお高いわよ。・・・採算合うかしら。」

「あ。そうか。板前が造った方が良いか。・・・それより地回り来ない。・・・店に。」

「はい。らしい人が一回来ただけ。若い人三人で。・・・お金は頂きました。」

「そうか。根津が話付けて有るのかな。・・・良かったね。・・・気になって居た。んだよ。余計なことだけれど。」

「銀座は、皆。紳士だから。・・・でもさ。会っておいた方が。良いかもよ。」

「あ。そう。横井社長に任せるわよ。」

「ま。機会が有れば。・・・今度家で、新年会、遣ろうと。思って。このメンバーで。八人で。・・・それで、女の子。七人。頼めないかな。ママ。」

「そうですか。大丈夫ですよ。日時が決まれば。」

「日時は決まって居る。二月十日。午後四時から。・・・この前の大広間で。ママの、あれ。・・・見たいから。」横井は、ニコ。とした。

「えー・・・そうか。そう言う事か。・・・今度。習いたての。フラメンコ踊りましょう。」

「フラメンコ。・・・踊れるの。凄い。俺は好きだよ。フラメンコ。・・・オーレー。て。やつだろう。スペインの。」小佐野は、知って居た。

「えー。知っているの。今。習い始めなの。」この人達は、今は金の、猛じゃ。じゃ。なさそうだ。余生を楽しんでいる。難しい取引は、会社に任せて。自分の小遣い取り、口利き料。と言うか。紹介した、り。仲介した、り。顔役を使って。纏める。・・・言わば。えん居だ。余裕がる。・・・政治経済、情報には詳しい。日本の防衛なども、話している。田中は、軍事に力を、入れろ。とか。中国に、行ってこい。とか。アメリカと仲良くするのは、良いが。子分には成るな。とか。日本。国民が驚くような、事やれ。とか。国策を替えて、民営化にしろ。とか。国は誰の金で、動いて居るのか。国には貯蓄は無い筈だ。とか。国民が動かなければ国は成り立たない。何故なら、税金が入らない。国会議員を減らせとか。報酬を減らせ。とか。自衛隊を軍隊にしろ。とか。この人達は、防衛が成り立っていない。と。何時も出てくる話の様だ。順子は。きりがないので。

「十一時、過ぎました。そろそろ、おしまいにしましょう。」と。終わった。二十万円置いて。帰った。この人達の支払いは。決まって居ない。多い時もある。けれど。少ない時もある。其のあたりは。臨機応変に。付き合っている。其の融通が、好きなようだ。順子は帰った。

 次日。九時半ごろ。青山のフラメンコ教室に行った。

「お早うございます。・・・」先生が居た。

「いらっしゃい。・・・あら。山本さん。どうでしたか。身体。」

「はい。まだ少し。直りません。」順子は、支度して、鏡の前に立った。自分で。タップとか。踊りをしていた。先生が。

「おー・・・大分。柔らかくなりましたね。・・・此の儘つづければ。楽に練習出ますので。じゃ。本番。」

 音楽が鳴った。タップの練習。で。十時半、過ぎた。

「何時まで。遣られますか。・・・」

「今日は、十二時まで。お願いします。」先生直々だ。

「踊りの、振付です。音楽に合わせて。・・・」順子は。スペインの先生を思い出した。背骨を立てて。上に上るような気持ちで。両手を上げて。腰を府も。タップの時は、腰を下げて。地面を叩くように。蹴る。を。思い出しながら。踊った。パチパチパチパチ。

「素晴らしい。・・・山本さん。上手です。・・・ホント。・・・あとは練習のみです。或る程度覚えれば。後は。自由で良いです。・・・ただ。何人かで踊る時は。皆に合わせなくてはいけませんので。其処が。難しいです。」

「有難うございました。」順子は、着替えて帰った。直ぐ、シャワーを浴びて化粧して・ソファーで横に成った。一時か。うたた寝した。三時だ。お昼食べて居ない。身体はあまりいたくない。でもまだ筋肉痛が有る。この調子なら九時に起きて。練習に行って。十二時に帰って来て。シャワーを浴びて化粧して。少し寝る。暫く、このパターンで。過ごす。二月十日まで。何とか様に成るように、練習する。

 ※一月三十一日。給料日だ。今日は、話が有るので。振り込まない。午後六時。

「皆さんご苦労様です。今日は、お話が、合ったので、手渡しで上げます。」皆に給料袋を渡した。

「話と言うのは。二月十日。ホテル、ニュージャパンで、私の知人たちの。宴会が有ります。其処に、コンパニオンとして。出席できる人を、募集します。人員は七名です。・・・夕方。四時から、七時まで、です。・・・三輪さんと、弘子さんは、決まって居ます。他五名。決めて頂きたいのです。七階では。美輪さん。八階では弘子さん。を中心に。お願いします。本日店の閉店まで、連絡ください。日当は、一人、二万円です。皆びっくりして居る。

 皆それぞれ席に戻った。店を開けた。ドアが開いた。

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか。」五六人居る。

「地本の者です。親父がお邪魔しますので宜しくお願いします。」

「オーす。・・・」

「いらっしゃいませ。・・・どうぞ。」三番テーブルにセットした。ワインとヘネシー二本並べた。つまみも、三人分用意した。二人、入って来た。順子はおしぼりを、渡して、座った。親父と言う人が。

「貴方がママですか。・・・」

「はい。山本順子と申します。」

「おー・・・流石、根津だ。・・・何年前かな。・・・確か、美江と言うママが、居た時かな。今度新しい人に変わります。と言う事を、聞いて、生花を贈ろうとしたのだが。・・・根津さんから電話が入って。宜しく頼むと言う事に成って。根津さんとこだったら。ま。良いか。て。感じで、今日まで。来ちゃって。・・・もっと早く来れば。良かった。んだが。最近、根津さんが見えないから。その事も有って来た。んだが。」

「はい。根津頭取は、海外で。休養を取りたいと、言って、海外に行って居ます。一方通行で、先方から連絡が無いと。お話は出来ません。」

「うん。・・・そうか。根津さんのやり方だな。・・・こういう時が。度々あった。何か、変化が起こる時だ。・・・どうですか。景気は。」

「はい。おかげさまで。何とか。継続しています。」雰囲気は、笹川社長みたいな、感じだ。紳士的で。

「家でも、毎月。月例会を。催しておりまして、顔出してくださいよ。・・・ママの評判は。大分。広がって居ますよ。・・・あっちこっちで。聞こえます。・・・月例会と、言っても、ただ祝宴をするだけで、難しい話はありません。歌手を呼んで。賑やかに過ごすだけなので。気を遣う必要は無いので。」

「さようでございますか。・・・お邪魔させていただきます。・・・連絡いただければ。」

「じゃ早速。招待状を上げます。・・・二月二十六日。赤坂の、ラテンコーターで。四時から。」

「ニュージャパンの地下ですね。四時に。」

「そうです。歌手は。西川興業の。歌手達だ。・・・家の若い連中百人と。お客さんも、三十人位来ますので。賑やかですよ。受付で、俺の名刺を出せば。ボーイが案内してくれます。・・・じゃ待って居るよ。」

「はい分かりました。」二人は。五万円置いて帰った。何百人を抱えている親分とは見えない。紳士だ。ドアが開いた。

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか。」

「はいはい。二名様です。・・・」植木等だ。

「あら。久しぶりです。今日は二人で。」ワインとヘネシーを出した。

「ママ。紹介するよ。俺の運転手で。小松政男。て。言うんだ。」

「小松です。宜しく。・・・」ママは三人指名した。

「いらっしゃいませ。・・・あれ。テレビで。・・・」

「え。・・・テレビ壊れたの。」

「あ。・・・なんて。・・・」

「テレビで。て。言うから。・・・テレビ壊れたのですか。て。聞いたの。」

「小松。・・・此処は、舞台じゃないから。・・・ボケても無理だ。・・・ごめんね。お嬢さんたち。小政。て言うの。小松政男。で。小政。難しいかな。」

「分かった。小、松。政。男。の小政。」

「おー・・・分かった。・・・なーん、ちゃって。・・・こんなバカなことでお金貰えるの。私達。」

「おいおい。達って。俺も入って。居るのかよ。一緒に。しないでよ。」

「あれでしょう。・・・この人達。・・・ちょいと一杯の、つもりで。て。歌う人。」

「あー・・・植木屋さんだ。」

「おいおい。植木屋さんは、無いだろう。ママ。面白いね・此の子達。」

「ママの躾けが。良い、んだよ。皆綺麗で。・・・女房にしたいね。・・・どの子かな。あの子かな。此れ違うかな。か。なかなか。なっか。見つからない。」

「ハハハハハ。テレビと同じだ。」

「あんた。ちょっと、今。生でしょう。・・・テレビとおなじ。て。」

「違うの。・・・あー分かんない。」

「ま。気楽に行きましょう。・・・慌てないで。ゆっくり。」

「でもこれ。美味しいね。・・・味が濃い。初めて。こんな美味しいアワビ。」小松は飲まない分食べて居た。この人達は何時も賑やかだ。看板で帰った。美輪が来た。

「ママ。決まりました。三名。」

「有難う。」弘子も二名。出した。

「日時。覚えて居てね。現地。ロビーで。三時ね。」順子は帰った。直ぐ寝た。そして、※二月十日。ニュージャパンのロビーに。集合した。

「皆さんごくろうさまー。」順子は。挨拶した。皆でコーヒーを飲んでいた。五島社長が来た。

「よー。ご苦労さん。・・・案内するよ。」エレベーターで、着いた。

「おー広い。・・・」衝立で仕切る。舞台を正面にして。テーブルは説としてあった。順子達は。隣の部屋で待って居た。三十分早いので。

「皆。今日は私に。気を使わなくても良いですから。自分の持ち味を出して良いのよ。とにかく、日本の大物たちだから。失うもの機内ですから。自己判断で。・・・これから生き往く。糧に、なるかもしれませんので。ただ、非常識なことはしないでほしい。どうぞ。大人の付き合いを試してください。・・・では。揃ったようですので。入りましょう。」ドアを開けて入った。パチパチパチパチ。拍手で迎えられた。平列に並んだ。

「お早うございます。宜しくお願いします。・・・私の提案です。これから、阿弥陀くじに、サインしてください。この用紙に番号が振ってあります。右から一番です。じゃ。」順子は紙を折って。記入をお願いして歩いた。それぞれ一本入れても良い。

「はい。広げます。笹川一番。五島二番。田中三番。小佐野四番。横井五番。堤六番。根津七番。・・・はいそれぞれ横に座ってください。本日は洋式ですので、良かったですね。乾杯遣りますか。・・・はい。じゃ笹川社長。」

「皆さんご苦労さん。今後の、皆さんの、幸運を願って、乾杯。」パチパチパチパチ。順子は、端っこに座って居る。今日の進行を務めている。

「皆さん個人的に、自由に話してください。一時間後に、皆さん串芸を披露して頂きますので。心していて。ください。順子もワインを飲んでいた。

「美味しいワインですね。・・・」横井社長が。

「皆さん。此のワインは。五百年前のワインです。・・・ラベルの真ん中に。1420年と。記載されていますのが分かるかと思います。今日の為に。揃えました。十本ありますので。召し上がってください。・・・コニャックブランディ―も百年前の根のです。飲みやすいから注意してください。」

「おー。すばらしい。本当に旨い。」洋式で。次々と料理が運ばれてくる。女の子達は、初めてだ。順子は席を訪問しながら。話しかけて、くれている。皆固く成って居る様だ。

「社長の皆さん。家の女の子達は、こう言う宴会初めてなので。緊張していますので。柔らかく話してください。」

「おー・・・初めてか。皆。・・・気っ使わなくていいよ。箸で食べも良い。んだよ。スプーン。使わなくても。」

「そうです。皆、箸で食べて、良いのよ。」順子も気を使っていた。

「皆さん。・・・そろそろかくし芸に入りたいと、思います。・・・ナマオケ、ですけれど。私から。銀座の蝶を歌います。

(誇りまみれの巷の夕日。ビルに隠れりゃ灯がともる・・・・・あーあーあーー飛ぶんーだーよー。)

 はい。弘子さん。津軽あいや節を歌います。

(あいいーいーいーやー・・・歌が流れる津軽の歌あーあーあーあああああー・・・)パチパチパチパチ。拍手喝采。次男性の方。誰か。田中が。浪曲を一節だけ。清水の次郎長。

(わたくし遠州清水をあずかる。次郎長と言う。みじゅく者では。ございますが。おひかえくだされ、有難うにござんす。いご。よろしゅう、お見知りおき。お願い申す。)

 パチパチパチパチ。

「えー凄い迫力でした。次郎長一家。お疲れさま。でした。」皆で遠慮しないで打ち解けていた。デュエット銀恋。王将。二人の銀座。夕陽の丘。全員で、お座敷小唄。歌った。小佐野の、武田節は。お見事だった。

「皆さん。流石。芸達者な人達ばかりで。楽しいですが。そろそろ時間ですので。手締めは。横井社長。

「えー宴、たけなわの所。時間と成りました。・・・これで解散と成ります。お疲れさま。でした。

「はい。有難うございます。・・・只今。私に。ご相談が有って。このメンバーで。続けていきたいと言う。注文が舞い込んできました。土曜会。と言う。名目で。毎月第一土曜日に。集まって、今日の様な宴会を遣りたい。と言う。事ですが。この場所で。女子達。如何ですか。」全員拍手で湧いた。

「本当。・・・じゃ来月から。そのようにお願いします。社長達を癒して上げましょう。其れでは、解散です。それぞれ。自由解散です。順子は、化粧室へ入った。少し遅れて出た。皆帰ったようだ。順子は、店に行った。

「お早う。・・・」皆来て居る様だ。

「今日は。七人居ないから、寂しいわね。」ドアが開いた。

「いらっしゃいませ。・・・あら。お二人さん。」テレビ局だ。TBS。日本テレビ。

「ママ。遅れて五人来ます。・・・」

「あ。そうですか。・・・どうぞ。」三番テーブルにセットした。五人分。

「今日は、疲れたよ。朝からロケの立ち合いで。」

「えーロケある。んですか。」

「えー有る。んですよ。内容に寄り切り。です。けれど。・・・大スクープを探して居るのだが。中々ないですね。」するとTBSの、斎藤さんが。

「この前。ママの事。スクープにしようと。相談したが。・・・佐藤さんどう思う。」

「え。ママ。もうちょっと。早いですね。・・・ママ。」

「そうですよ。まだまだ。私の出る幕じゃ。無いですよ。佐藤さんね。」

「後五年したら。日本テレビのレギュラー番組に成りますよ。」

「え。じゃ。TBSは。」

「まあまあ。そんなに、焦らなくても良いですよ。斎藤さん。」するとゾロゾロ入って来た。

「おーこっちだ。」佐藤さんが五人を呼んだ。

「紹介するよ。ここの、順子ママだよ。」

「宜しくお願いします。」ママは五名を指名した。

「いいえ。こちらこそ宜しく。・・・ご来店有難う。」皆若い人達だ。芸能部も居る。

「いらっしゃいませ。」各。間に座った。

「初めてですよ。夜の世界。・・・」

「えー・・・本当。・・・・そうか。給料が。な。ちょっと足りない。」

「えー失礼ですが・・・いかほど。・・・皆に内緒だよ。」佐藤が、ママに、耳打ちした。

「えー・・・それだけ。」一年目は。安いそうだ。一万八千円。

「皆さんどうぞ、食べて下さい。美味しいですから。」ママと、女の子達は。つまみを剥いて。勧めた。

「美味しい。・・・何ですか。此れ。・・・」燻製とは、誰も知らない。

「美味しいでしょう。此れね。燻製。て。言うの。蒸したてを、煙で、ゆぶす。んですよ。洗わないで、直ぐに蒸す。海水の味が付いて居るの。だから美味しい。塩加減が。」

「えー。初めてだ。」

「皆さんは。文系ですか。」

「そうです。殆ど文系です。いかに本当の様に。書いて。放送する。」

「じゃ。嘘もかくの。」

「ママ。そういう意味じゃ無いですよ。・・・本当の様に。とは。有りの儘。て。事。」

「でも、人間が、相手だから。大変でしょう。・・・人間を、追い駆ける、でしょう。」

「ま。そう言う事に成りますかね。・・・ここのママは。凄いとこ。突いて、きますね。部長。」順子は、笑っていた。

「だから、JUNに、通って、勉強しないと。・・・ね。ママ。」

「そうですね。いろいろな人。来ますから。でも。夜の世界は。殆ど思わせぶりですかね。佐藤さん。斎藤さん。」

「そう。なんだけれど。つい。誘われて。家庭内破局に追い込まれる。」

「まー斎藤さん。・・・随分女を泣かせてきていますね。・・・その話しぶりは。」

「「え。ママ。社会部は。・・・経験じゃ無く。情報だけです。」

「あら。大分。むき出しになって。」

「あー・・・ママには。遣られちゃう。」店もそろそろ看板だ。

「もう看板です。七人で。七万円です。」

「えー安いじゃん。・・・」

「あれ・・・言いませんでした。・・・今年から。飲み放題で、おつまみの、追加は頂きます。お安くなりましたので。大勢、誘ってきて、ください。」皆喜んで帰った。順子も帰って直ぐ寝た。地元の親分の話はしなかった。

 次の日。九時に起きた。シャワーを浴びて化粧して。ソファーで休んだ。小野リサ先生に電話した。

「もしもし。山本順子です。先生。午後空いて居ますでしょうか。」

「はい。おりますよ。どうぞ来てください。」良かった。順子は、フラメンコ教室に行った。そして十二時過ぎ。小野リサ。ブティックに行った。

「お早うございます。山本です。」ドアを開けて入った。

「はいどうぞ。あら。いらっしゃい。・・・順子さん。貴方に合わないかと。作って置いたの。着て見て。下さい。」

「えー・・・素敵。」順子は、袖を通した。

「どうですか。着心地は。・・・デザイン的には。お似合いです。・・・ただ、着心地ですから、何分も。」

「先生、違和感は有りません。・・・少々きつい感じはします。」

「良かったね。最初は、きついのは、成れの性、だから、着こなせば解消します。」

「予想して、いたの。直ぐに来ると。思って。・・・私の勘が当たりました。」

「えー有難う。・・・それで先生・又。御願いがあるの。今度。フラメンコ習っているの。だから衣装を、作ってもらいたい。の。」

「えーフラメンコ。・・・」

「此れ。頂いたのを、持って来ました。見本に。」

「おー素晴らしい。・・・初めてです。作るの。・・・作ってみたいですね。」

「本当。お願いします。お金は、出来高で、良いです。ので。」

「はい。分かりました。頑張ります。」

「今日の、は。幾らですか。・・・」

「はい。一万円頂きたいのですが。」

「え。お安くありません。・・・」

「良いのよ。山本さん。・・・長いお付き合いを、させていただきます。ので。細く長く遣りますから。」

「えーそんなにしなくても。大丈夫ですよ。先生。」私を見抜いたような、感じがする。でも良かった。此の洋服で。月例会は。大丈夫だ。少し派手だけれど。外を歩く時は。コートを羽織って、丁度良い。ブティックを出て。千疋屋の三階に行った。ワインと、ピザを頼んだ。やっぱりここの店は。客層が違う。メニューが高くても、お客は来る。・・・やっぱりお店は。飲み放題は。止めよう。安いと変な、お客が来る。おそれが、有る。その通りだ。弘子達に言わないと。明日。・・・ビザが来た。ワインと丁度良い。都会の優良店は。味が違う。コックさん。板前さんかが、常に研究しているらしい。築地市場も、ピンキリで、いろいろな店がある。東京は一流の人達が住んでする。だから人が集まる。銀座も、私達も一流に成らないといけない。しかし、私達は。白い目で見られているような。気がする。でもそうではない。私達の店で。企業や、政治、経済の話が、盛んに繰り広げられている。酒の場、とはいえ。偽りのない、纏まった話だ。其れを知らない、輩が。何故。妬むのでしょう。・・

 ・私は、福島から出て来て。最初は、変な仕事と。思いました。でも。あらゆる企業の社長達。を。支えている仕事だと。今は思っている。でも。職業として。認められるのは、何時のことやら。・・・最近、順子は、考えるようになった。年の性か。な。家に帰って休んだ。太陽が沈んだら出勤。確かに違う。(江戸時代の、小説に出て来る。鼠小僧次郎吉、みたいだ。)ま。・・・良いか。店に行った・

「お早う・・・女の子達が居た。順子は。弘子に言った。飲み放題は止めます。前の様に。一万円から二万円位にしよう。と。決めた。弘子も納得してくれた。

 ※二月十二日。ドアが開いた。

「噂を聞いて、六人で来た。んだが。・・・」

「はい、どうぞ。こちらへ。」順子が出て。三番テーブルにセットした。五人が座った。

「どうも初めまして、順子と言います。」名刺を出した。

「貴方がママですか。・・・やはり。・・・」

「はい。これからもどうぞ御贔屓に。宜しくお願い申し上げます。」女の子、五人を指名した。

「いらっしゃいませ。」間に座った。取り敢えず乾杯した。料金を説明した。つまみセットで、五千円。サービス料五千円。ワイン。ヘネシー。一本二万円。・・・一人約、一万五千円みて頂ければ。助かります。

「おーそうか。・・・大丈夫だよ。ママ。その位は、当たり前だ。銀座だから。高給で、女の子達も、美人揃いで。若いし。」ヘネシーをキープしてくれた。

「有難うございます。・・・失礼かと思いますが。・・・お仕事など良かったら。」

「あー。仕事は。ゴルフ場開発ですよ。・・・地方で。・・・まだ始まったばかりで。・・

 ・投資者を、探して居る。んですよ。・・・ま。会員。てことかな。」

「え。・・・初めてお聞きしますが。」

「でしょう。会員権。と言うのが。始まったばかりで。まだ知られていない。・・・この店に来ると。お金持ちが、いっぱい居ると思って。」名刺をくれた。ゴルフ場開発「国際クラブ」代表取締役、細野哲也。と言う。

「会員権とは。」

「ママね。ゴルフ場。十八ホール。二十七ホール。が有って。山が、五十町歩から。百町歩。必要。なんですよ。木を伐採して、ブルトーザーで、崩して。芝生を植えて。クラブハウスを立てる。・・・要するにお金が掛る。そのお金を、会員制にして。集める。と言う。システムです。」

「へー。そうですか。・・・失礼ですが。どの位お金が掛る。んですか。」

「ま。そうだな。百億円。・・・ぎりぎりで七十億円。・・・ピンキリで。造る会社によって、大分違います。何十年後を見据えて、造る会社と。その場その場で。形だけ造って。金儲けする、会社と、別れます。・・・だからママ。気を付けないと。・・・これだけの山を崩して。造る。雑工事が出て来る。・・・ま。手抜き工事。て。奴ですよ。変な会社に投資したら、一発で。潰れちゃいますよ。・・・又。完成させないで、社長が逃げた。とか。ぼちぼちそう言う。噂が流れて居ます。」

「えー怖いですね。・・・引っかかったら。・・・良い情報有難う。家も、株の投資者が、多いのよ。」

「え。・・・そう言う人。探して居る。んですよ。・・・丁度良かったね。」

「そうね。・・・これから話題に成りますね。・・・そのからくりが、気に成りますね。」

「そうですか。今度資料を、持って来ますよ。・・・謄本。経歴。役員名簿。が。しっかりしていない会社は。危険ですね。」

「でしょうね。全て。どの会社でも。・・・ただ話題になれば。集まりますよ。社長。私どもも、堤社長と五島社長との付き合いが有るから。・・・聞いてみますよ。」

「えー。鉄道の。御二方。・・・お願いしますよ。今度。ゆっくり話を聞いて下さい。」

「はい。・・・分かりました。頑張ってください。」順子は、素直に受け止めた。

 ※二月二十七日。九時に、起きて、シャワーを浴びて化粧して、支度して、フラメンコ教室に行った。先生が居た。

「はい。お早うございます。・・・山本さん。頑張りますね。」

「はい。・・・奥が深いですね。先生。」順子は、支度して、鏡の前に立った。大分痩せたようだ。もう一カ月過ぎた。今日は、まだ誰も来て居ないので、先生がつきっきりで。

「其処は持つと。早くても良いんじゃない。・・・リズムも合って居ますよ。山本さん。言う事なしです。・・・あとは、練習のみ。強いて言えば。・・・メリハリを強調すれば。」

「はい。有難うございます。・・・強弱か。」何回も踊っている。六種類あるので。中々。今日は十二時まで居た。

「はい。素晴らしい。山本さん。・・・体操やって居たから。動きが軽いし。地に就いて居て。見る人が安心するよ。・・・ふらつきが無いから。」

「ありがとうございました。」順子は教室を出た。タクシーで家に帰った。シャワーを浴びて化粧して、ソファーで休んだ。うたた寝していた。目が覚めた。三時だ。支度して。タクシーで、ホテルの前に着いた。ボーイに聞いた。案内された。入った。

「おー。成る程。キャバレークラブ。麗さんと来たこと。有ったね。此処。」ロビーで名刺を出した。案内人が着て。案内された。

「どうぞこちらへ。・・・」ちょっと薄暗い感じに、してある。すると。

「おー。ママ。・・・こっちへ来たら。」声がした。横井社長だ。

「あら。社長。いらしたんですか。・・・安心した。どうしようかと。心配していたの。これ。何処に出します。」順子は袋を出した。

「あ。受付が有ったんだが。」ボーイを呼んでくれて、一緒にカウンターに行って。袋を出した。受取票を貰った。席に戻った。

「店に来た。・・・親父が。・・・」

「はい。其処で招待されたの。・・・でも雰囲気は良いですね。・・・一番前でしょう此処。目立ちますね。社長。あまり立たない方が、良いかもね。」

「うん。此処に座っている人達は。超一流だよ。順子社長も。・・・皆はそう見ているから。ママは目立つよ。・・・皆、見ているから。あの人。誰。て。」

「えー・・・」

「後ろを見れば。分かるでしょう。段になって居るし。」

「本当だ。ま。良いか。」此れも経験と思って。挨拶して。幕は開けた。何かのショウみたいだ。ダンサーが躍った。日本舞踊。民謡。歌謡曲。第一部終わりで幕が閉じた。そして、ボーイが順子の所へ来た。

「順子さんですか。楽屋の方に来てください。と言われ、連れていかれた。楽屋で待って居た。のは。振付師だ。順子さんですか。横井社長の指名で。フラメンコの企画を、用意して有りますので。衣装は。私どもで用意させていただきました。あと十五分ありますので着替えて準備をお願いします。

「えー・・・横井社長が。・・・」ま。遣るしかない。順子は着替えて。心を落ち着かせた。曲を見た。練習と同じだ。十五分続く。衣装も悪くはない。心を落ち着かせた。幕が上がる前にステージの真ん中に立った。

「ただいまより、特別ゲストによる。フラメンコ踊りが始まります。ダンサーは。

 銀座の女帝。山本順子です。フラメンコは。まだ、馴染みが薄いですが、此れから夜の銀座を煌びやかに、全国に発してして行きます。どうぞ。ご覧あれ。音楽が始まり幕が開いた。順子が、立っていた。真に女帝だ。大きく見える。タップが鳴り音楽が大きくなった。動きも早くなった。タップと踊りが。舞台一帯に広がる。「オー。レー」順子が声を高く上げて。幕が下りた。十五分位、踊った。順子は幕が下りるまで立っていた。客席は、総立ちで。拍手喝采だ。

「あー・・・ドキドキだ。誰も知って居る人が居ない。順子は着替えた。すると。ボーイが来て。席へ案内された。親分たちが居る席だ。歌手達も、居た。安心した。

「おー。ご苦労さん」パチパチパチ皆喜んでいた。順子は座った。親分が。

「ごめん。ごめん。横井が。企画した、んだよ。俺じゃないから。・・・でもさ。プロだね。ママ。素晴らしい。・・・プロで通るよ。」すると一人の歌手が。順子さんと言いますか。

「家の社長が。お邪魔して居るでしょう。ナベプロの。」

「えー。はい。御贔屓にさせて頂いております。・・・そうですか。」

「でも素晴らしい。日本人で。このくらい踊れるダンサー。居るかしら。本当に上手です。」

「有難うございます。・・・褒められると。涙が出ちゃう。」

「プロポーションも良いし。・・・社長に伝えて置きます。」

「有難うございます。」順子は、今まで、こんなに褒められたのは初めてだ。眼が潤んでいた。歌手達とも名刺交換した。順子は、元の席に行った。

「社長―・・・心の準備が。・・・有るのよ。」

「ごめん、御免。順子ママなら。出来ると思ったから。・・・悪かった。でも。結果オンリーでしょう。あんな盛大な拍手喝采で。」

「うん。成功したから、良かった、けれど。・・・これから出演料取るわよ。」

「はい。分かりました。でも良かった。」パーティーは。大成功に終わった。

 順子は。親分に挨拶して。帰った。

 店に行った。お客も入って居る様だ。八階に行った。弘子達は賑やかにやって居た。三番テーブルで休んでいた。ぐったりだ。うとうと寝た。

「ママ。お客さんが来ましたよ。」

「えー。・・・寝ていた。・・・どうぞ。・・・あら。社長。あ。さっきの方。」

「お早う。凄かったらしいね。」ナベプロの社長と。中尾ミエだ。

「ごめんね。・・・社長に。今日のママ事。話したの。そしたら、直ぐ行こうって。」

「飛んできた。よ。ママ。何処で習った。・・・・」

「正月スペインに行って居たの。其れで一週間。特訓で。・・・帰って来て。スペインの先生の。教室が有って、今は、其処で習っている。まだ一か月です。・・・横井社長が企画した。て。地元の人のパーティーで。断れなかったし。一か八か。遣っただけ。」

「ぇ。そうですか。まだ一か月。・・・へー・・・凄い。しっかりできて居たみたいですけれど。」

「はい。まだまだなのよ。皆知らなかったから。良かったの。・・・でも知って居る人が居たら。五十点。行かないでしょう。」

「そうか。・・・でも明日。家のホールに遊びに来てよ。いろいろやって居るから。丁度良かったよ。来てよ。」

「えー。じゃー・・二時に伺えます。」

「良し。決まり飲もう。・・・社長は気分が良い様だ。女の子三人呼んだ。

「お早うございます。」すると歌手が。

「えー皆さん。お綺麗で。若くて。こんなところで働いているの。」

「おい。・・・こんなところは無いでしょう。」

「あ。ごめん、ごめん。つい。・・・ママごめんなさい。つい滑っちゃって。」

「ハハハハハ。この人は何時も滑る。んだ。許してね。ママ。

「いいえ。私の田舎でも言いますよ。こんなところ。て。別に悪気で行って居る訳では無いから。大丈夫です。・・・あ。お名前。」

「はい。中尾ミエです。・・・」

「ごめんなさい。こちらこそ。知らないで居て。失礼だったわね。」

「もういいから。飲もう。」

「私ワイン飲むわ。・・・此のアワビ美味しい。」ミエは食べて居る。

「歌手の方たちも、大変ですね。移動が。」

「そう。なんですよ。・・・此処で私を使ってくれない。歌手は、嫌い。」

「軒並み、キャバレーが、出来たから。忙しい。てんやわんやで。歌手もスタッフたちも。」

「そう。社長だけが、儲けているの。」

「ミエは、何時も、愚痴るから。俺が付き人。なんだよ。飲み過ぎるから。」

「そう。ワインが恋人なの。」すると順子がワインを一本持って来た。

「此れ。スペインの先生が送って来たの。一本あげる。三百年前のワインらしい。」

「えー。話してみる。もんですね。・・・有難う。」二人は帰った。明日はナベプロか。  

 順子も帰って直ぐ寝た。


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