第十二話。山本順子の野望。
第十二話 山本順子の野望
(企業五社の株式上場。電電公社の民営化に参画する事。)
あれから五年。(一九六九年)昭和四十四、年度替わり、三月末。ビルの六階で。帝国証券。丸山証券。幹部会が執り行われた。出席者。根津頭取。堤社長。佐野社長。山本順子相談役。の。四名。
根津頭取が挨拶した。
「私根津は。三月末、をもって。新日本銀行頭取を、退職する。依って、今後の銀行の運営に当たり。出席者のご理解を頂きたい。今、現在まで、億単位まで、株売り上げを伸ばした。最も功績の。有った。山本順子を社長に任命する。又、二社の証券会社を一社にし。「帝国証券」と命名する。社長は。堤英雄。佐野五郎は、取締役に、任命する。株は新日本銀行が、五十%。堤。佐野。が。それぞれ。二十五%。とする。あくまでも帝国証券は。今まで同様。新日本銀行の傘下に。登録する。今後は山本順子を筆頭に。邁進して頂きたい。俺も陰ながら応援する。・・・又、我が社は。二百名の所帯に成った。此れも山本順子の功績だ。・・・更に、若手十名を、相談役に任命し。太田幸一を常務取締役にした。今後は、此の十四名。で。金融と株を。操り。邁進して。頂きたい。・・
・以上。」今回。上場した四社の。証券取引は。一億株を、超えた。まだまだ上昇している。取引企業が増え。中堅企業に、のしあがって来た。
「頭取。・・・今後の。生活基盤は。どの様になされますか。」堤社長が聞いた。
「それは、申し訳ないけれど、御二方でも。明かすことは。出来ません。・・・ただ山本順子には。知らせます。・・・これからは一人で暮らします。今までの知人には。死に顔を見せたくありませんので。そう。決めました。」
「ところで、資産は、どうなされますか。」
「資産は。山本順子と、二人の名義に、してあります。ので。私が死ねば自動的に。山本順子の。名義に成るでしょう。」
「えー・・・」二人はびっくりした。室内は、静まった。
「堤。お前らにも分けて。上げている。じゃないか。」
「頭取。誤解しないでください。・・・変に思っている。訳じゃ無い。んです。私らも十分過ぎる位。頂いていますから。問題はない。んですが。・・・頭取と死ぬまで、一緒に。過ごしたかった。からです。・・・泣けてきます。」二人は泣いていた。
「有難う。お前ら、二人は。長かったな。・・・俺を、支えて。くれて。有難う。・・・俺は。(終わりよければ全てよし。) で。終わりたい。・・・それだけだ。・・・だから。この様に決めた。」三人は泣いている。今日決めた事は。全て。実印を押して決まった。
「ま。そう言う事だ。・・・ジョン社長と。四人で。世界一になってくれよ。」根津は帰った。順子には後で、電話をする。と言って。事務所を出た。三人は。下迄降りて、見送った。根津はキャデラックで帰った。三人は。八階で、寂しそうに、ヘネシーを飲んで、今後の話をしていた。堤と佐野は、順子に。
「そうか。我々も、此の六階の事務所を。三人で盛り上げなければ。・・・寂しく成っちゃうな。頭取が居ないと。・・・」二人は。本当に寂しそうだ。
三人は一時間位、話して別れた。
順子も、家に帰った。シャワーを浴びて。スッキリして、ソファーで、休んでいた。リリリリリ・・・電話だ。
「もしもし。順子です。あ。ご苦労様でした。はい。・・・はい。・・・分かりました。」
根津だ。プレジデントホテルに居るので。順子は、タクシーで、ホテルへ行った。ボーイが案内してくれた。ドアを開けた。
「パパ・・・」二人はハグした。その儘ベッドインした。一時間位で出てきた。シャワーを浴びて化粧して。ソファーで。休んでいた。
「お待ち同さまー・・・」ワゴンで。料理が運ばれてきた。テーブルにセットしてくれた。
「えーパパ・・・こんなに食べられる。・・・」
「良いよ。残しても。・・・豪華でないと何となく。」二人は特別のワインを開けて乾杯した。
「順子。・・・此れで良かったろう。此処五年間。有難う。よ。お前の。頑張る姿は、一番綺麗だよ。人間は。魚と同じで。活きが。良い、ければ。美味しい。ん。だよ。人間だって同じだ。これからは。四人で。力合わせれば。大丈夫だろう。二人は苦労しているから。ジョン社長とお前は。大きな夢を、抱いているから。世界一を目指して頑張れよ。・・・宇宙開発を見れば、分る通り。全て、コンピューターだ。何れ一人一人が、持つ時代が、来るだろう。ジョン社長と。組めば。成れるよ。・・・世界一に。・・・」
「来月から日本語を取り入れて、開発した、コンピューターの技術を。全て。アメリカに売るみたいですよ。ジョン社長も、認めてくれたみたい。・・・三年前から、開発に取り組んでいたのよ。・・・小林。て。優秀な部下が居るの。鈴木社長が。力入れている。(JFA)が。入よいよ、持って。世界に進出するのよ。パパ。根津も喜んでいた。
「順子。事務所で言わなかったが。・・・俺は、スペインのカナリア諸島に移住する。・・・一億円投資して有る。だからその街の長老たちは。俺を大歓迎。なんだ。何時でも来い。て。」
「えー・・・本当。・・・でも。・・・私一人ぼっちに成っちゃう。」
「順子なら、大丈夫だ。・・・アメリカと日本を股いで。行けば。楽しい事が一杯あるよ。俺も、カナリア諸島に、移住して。老後を送れれば。冥土に行けるだろう。・・・其処はね。順子。ヨーロッパの芸術家たちの。最後の楽園と。呼ばれている。・・・平均気温が。二十二度。で。人間にとっては、暮らしやすい温度だ。・・・毎日が。音楽とダンスで。楽しいらしい。皆プロだから。其れに豪華クルーザーで。島めぐり。・・・」
「そうかー。・・・決めた。んだ。・・・パパ。」
「順子。何時でも来れるじゃないか。・・・スペイン領だから。安全。なんだよ。」
「いつ行くの。・・・」
「今、手続き中だ。・・・済み次第。・・・身体、一つで良い。何も要らない。貯金して有るから。一銭も、要らない。」
「へー・・・そんな国。有る。んですか。」
「それから、俺が会長で、創った。「渋沢栄一をしのぶ会」と言う、社長達が居るから、紹介するよ。
※=五島。笹川。小佐野。堤。根津。横井。田中。銀座地元の親分。この人物らが。日本の発展に。貢献する人達だ。この人達と旨く付き合えば。順子は安泰だ。順子の武器は。金融。と。株。このグループと、共存できる筈だ。・・・この人達は、何千人と言う、社員の、
長だ。この八人と付き合えば、何万人と付き合っているのと同じだ。・・・分かるだろう。根津って。同じ苗字だけれど。この人は東武鉄道の、社長だ。この人に認められれば。東武鉄道の全社員たちが、山本順子を、知ることに成る。・・・人生。て。簡単だろう。・・・でも。これが出来ない。・・・順子には。八人も居るじゃないか。・・・鬼に金棒だ。」
「えー・・・私が。付き合えますか。そんな偉い人達。」
「順子。こう言う人たちは。偉ぶらない人達。だから。大丈夫だよ。」
「分かりました。」
その後、五日間。掛けて、根津と順子が会って。紹介された。・・・良い反応が、帰って来た。これからいつでも連絡を取れる。ことに成った。此れで根津は。安心して。カナリア諸島に行けることに成った。カナリア諸島の事は。根津と順子しか、分からない事に成って居るので。絶対禁句だ。順子もそれだけは守る決意だ。
※四月十日。
順子は。弘子にお店を任せて、地固めに動いた。鈴木社長と沢井社長と会った。
「この度私は。新日本銀行の社長に就任しましたので。報告に来ました。」
「えー・・・本当ですか。」二人はびっくりした様子だ。
「根津頭取が、私を指名してくれたのです。・・・今後とも。今まで通り、宜しくお願いします。」
「えー・・・すると、これからは、遣りやすく成りますね。・・・」
「はい。大丈夫です。」
「良かった。まだまだ設備投資が、掛かりますので。宜しくお願いします。」
「はい。承知しました。・・・それから。アメリカのジョン社長との。打ち合わせは、どのように進んで居ますか。」
「はい。日時は決めていない。ですが。近いうちに、来日します。その時。家の開発した製品の契約を済ませるそうです。・・・家の商品は。安いから、販売が楽に売れます。と言って。居ました。」
「鈴木社長。・・・株も今年は。四桁まで、行きますかね。」
「はい。・・・そうしたいです。アメリカで販売すれば、当然上がると確信しています。」
「そうですね。・・・」順子は。JFA。の株を少し買い付けようかと。考えて居た。・・・やっぱり買っておいた方が良い。と。堤に言って。(JFA)の株。三十万株増やして。五十万株に増やした。
※四月十五日。ジョン社長が来日した。
「順子さん。羽田に着きました。タクシーで、ホテルに向かうので。ロビーで、会えませんか。」
「えー・・・大丈夫です。・・・じゃ。行っています。」順子は支度して。銀座の、日航ホテルまで歩いた。二十分。ホテルのロビーで待って居た。
「順子さん。暫く、です。・・・元気なようですね。」ジョン社長が来た。
「はい。・・・」二人はコーヒーを、飲んで話している。
「順子さんあなたのおかげで。私は助かって居ます。・・・今度も鈴木社長と会います。いろいろ、開発した部品が有るので。契約をします。」
「ジョン社長・この度私は。新日本銀行の、社長に就任いたしました。・・・今まで通り。宜しくお願いします。」
「えー・・・そうですか。・・・益々。遣りやすく成りましたね。・・・こちらこそ宜しく。先ずは。鈴木社長と、会います。・・・帰る時。順子さんと会います。・・・」
二人は分かれた。順子は。時計を見た。四時か、取り敢えず、ビルに行った。八階に行った。ソファーでコーヒーを飲んでいた。弘子が来た。
「お早う。ママ・・・いた。」
「うん。今来たのよ。・・・どう。お店は。」
「はい。売り上げ。」百五十万円。
「ママ。置くところが無いので。金庫の脇の箱に入れて置いたのよ。どうしますか。これから。・・・」
「そうか。弘子を信用するから。金庫のカギを渡します。・・・此処に入れて置いてね。お金は、その都度、私が持って帰ります。ので、このビルには置きません。」
「あ。はい。その方が良いですよ。ママ。・・・私はごまかさないから。だって、ママに拾われたのだから。今こうして。」
「有難う頼むわよ。・・・はい。」二万円上げた。
「えー有難う・・・」順子も。さばさばして、いる。順子は任せても良いと思っている。
※四月十六日。根津から電話が有り、神谷町の自宅に来るように案内された。探して見つけた。古い門構えの家だ。チャイムを押した。扉が開いた。順子は恐る恐る入った。日本庭園だ。根津が玄関に立っていた。順子は入った。
「えー広い玄関。・・・パパ。・・・自宅。」
「あーそうだよ。此処が俺の本拠地だよ。」
「えー古いけれど。新しい。部分も。・・・」
「うん。・・・時々修理しているから。新しい所も有るよ。・・・平屋で四十五坪。五部屋有るから。おかあさんといっしょに。住めるよ。・・・」
「えー本当ですか。・・・此処も私が住んでも良いの。」
「あー良い。んだよ。俺が居なくなる。んだから。・・・此処は、渋沢栄一の。一派が住んで居たのを俺が後継いだ。んだよ。今度は順子が、後を継ぐ。順子は。運が良いな。」
「えー・・・有難う。・・・」順子は嬉しい。根津がテーブルに。書類を置いてあった。
「此れが、俺の遺産だ。全て順子の名義に成るようにしてある。・・・この家。強羅の別荘。軽井沢の別荘。銀座のビル。熱海の老人ホーム。が。土地と建物だ。・・・それに。株券と。投資して有る会社の一覧表だ。・・・現金は五億円。入って居る。・・・順子。俺の遺産を此の儘にして置くと。全部お国のモノに成ってしまう。・・・だから放って。置けない。んだよ。だから順子は俺と出会いて。運が良い。と言う。・・・あ。そうだ。二十日の三時。羽田発だ。」
「えー・・・どうしよう。・・・パパ、今日から此処に泊る。・・・良い。・・」
「あー良いよ。最後の別れだからな。」
「はい。・・・何と言えば、良いのか。・・・私。・・・」
「順子。気にする事ない。んだよ。・・・俺が、勝手に決めた。事だから。」
「はい。・・・それにしても。・・・」順子は、熱く成って居た。二人はベッドインした。そして順子は家に帰り。洋服を揃えて。タクシーで、根津の家に運んだ。五部屋ある。玄関入って、広いリビング。右側に応接室。裏に一部屋。寝室。と。風呂トイレ洗面所。リビングの西側に。三部屋が並んでいる。順子は西側の一部屋に洋服を置いた。
「順子。此の近所の料理店を。紹介するよ。後々楽だから。日本料理で。家族でやって居る。和食専門の、古い店だ。女将は綺麗だし。親父も物知りで。順子とは、会うと思うよ。」二人は歩いて行った。根津が、居なくなると言う。事は。喋らないように。した。
「お早う」
「はい。いらっしゃい。・・・今日はお二人ですか。・・・はい。二名様。」女将がおしぼりを持って来た。
「あら。根津さん。・・・今日は。・・・お連れ様と。」
「あー紹介するよ。女将さん。・・・順子。て。銀座の俺のビルで。クラブ「JUN」をやって居る。順子と言う。・・・これからも宜しく頼むよ。」
「そうですかー・・・道理で奇麗だと思った。根津さん。に。合いそうね。」女将が。
「そうですか。・・・こちらこそ宜しく。」親父が、にっこりしていた。この店は。メニューが無い。お任せ料理だ。御一人様。二、三千円の。コース料理だ。根津は、何時も三千円のコースだ。黙って居ても、出て来る。超高級ワイン。根津専用のワインだ。二人は乾杯した。
「えー・・・美味しい。・・・初めてです。こんな美味しいワイン。」
「それはそうですよ。日本じゃ。売っていない。ワインだよ。親父の知り合いが。持ってくる。フランスワイン。だよ。」
「美味しいです。」
「有難う・・・初めての、お客さんに褒められると。嬉しいです。」親父も。嬉しそうだ。一時間位居て帰った。そして、喫茶店に入った。此処も古い。叔父さん夫婦が経営している。二人は、コーヒーを頼んだ。
「えー・・・此のコーヒー。美味しい。」
「有難うございます。・・・」マスターは喜んでいた。女将さんが。
「今日は根津さん。お連れ様と。」
「ママ。紹介するよ。銀座の俺のビルで。クラブ「JUN」を、経営している。順子と言う。んだ。これからよろしく頼むよ。」
「そうですか。何時も、根津さんには。御贔屓にして頂いております。こちらこそ宜しく。」
「度々、お邪魔しますので、宜しくお願いします。」順子も挨拶した。
二人は、店を出た。散歩した。この神谷町は、根津が初めて、所帯を持った。場所だ。知り合いも沢山住んで居る。家に戻った。ソファーで休んだ。
「順子。この辺りは、子供の頃の、遊び場だった。この先の、六本木交差点が、俺の生家だから。道路は変わらないけれど。建物は、変わって居るよ。戦後復興で、人間も荒れ狂って居た時代だ。この前紹介した七人は、若い頃から一緒だから。絆は深いよ。順子の事は。大事にしてくれると思うよ。繋ぎの為に。七社には。三千万円。づつ。投資して有るから。証書も有るから。其れも、お前の名義に変わる。筈だ。皆良い奴。ばかりだった。
「終わりよければ。全てよし。」
「そうだ此処にお母さんを、呼びなよ。・・・そうしなさい。弟達も居るだろう。家族で暮らせば、良いじゃないか。」
「はい。弟は。早稲田に通っている。妹は青山学院。・・・そうしたいです。」
「おー・・・凄いね。・・・皆。頭良いね。・・・丁度良いじゃないか。」
「はい。有難うございます。・・・」順子は嬉しかった。
※四月二十日。朝九時に起きた。順子はソファーで休んで居た。根津も起きて来た。
「順子昨夜は、眠れなかったよ。あれから。・・・順子の熱が。体中火照って。冷めなかったよ。短い間だったけれど。有難う。な。必ず、友達七人が。助けて、くれるから。何でも相談して。・・・身体は大事にしろよ。・・・身体が資本だから。・・・そして根津は、金庫の前に行った。大きい金庫だ。」
「えー・・・大きい。幅一メートル。高さ一、六メートル。奥行五十センチ。此処に全部入って居るから。後で見れば、良い。・・・これは鍵と使い方が書いてある。誰にも見せては駄目だよ。午前0時から二十分間の、間に。開けないと。次日の、0時に成る。から。覚えて置かないと。・・・株券。謄本。金塊十キロ。現金は五億円。位。入っているだろう。三重扉だから、泥棒が来ても、開けられないし。一千度でも、燃えない。・・・はい。鍵。」
「えー・・・有難う・・・」順子は、目頭を熱くしていた。
「これからは。お正月は、スペインで過ごそうか。一週間ぐらい。・・・そうしよう。・・・それが良いよ。」
「はい。そうします。・・・楽しみに待ちます。」二人は。ハイヤーを頼んで、羽田行った。お昼前に着いた。空港内の、レストランで食事をして。フラフラ散歩しながら。時間を過ごした。
二時だ。フライトの音声が流れた。根津は小さなバッグ。一つだ。出国手続きをして中に入った。手を振った。順子は、涙が止まらない。・・・初めて会った時を。鮮明に思い出していた。順子は見送るロビーに行った。飛行機が見える。あの飛行機だ。そろそろ三時だ。
根津は日本を離れた。順子はタクシーで。家に帰った。一人ソファーで休んだ。うとうと寝た。七時頃起きた。店は弘子に任せて有るので、今後の事。いろいろ考えて居た。
投資して頂いた。人の株券。金額の整理。現金の確認。全て整理した。明日は新日本銀行。本社に挨拶に行く。順子は、会社も社員と会うのも。初めてだ。普通の会社じゃ在り得ない。話だ。根津だから出来たのだろう。とにかく明日行く、赤坂見附駅の近くだ。
順子は、築地の寿司屋へ入った。
「お早う。」
「いらっしゃい・・・早いね。」
「うん。私は用事で休みなの。」カウンターに座った。
「あー・・・疲れた。四月で。バタバタなの。・・・マスター。はい。名刺。上げる。」
「はい。・・・うん。・・・新日本銀行。代表取締役。山本順子。・・・えー・・・本当に。女将さん大変だ。ほら」女将さんに名刺を渡した。
「え。・・・順子さん。凄い。・・・知って居ますよ。此の銀行。赤坂に有るの。」
「宜しくお願いします。・・・今まで通り。」
「はい。こちらこそ今まで通り。宜しく。」
「取り敢えず。ビールを。ちょうだい。」順子は何時ものを頼んだ。ワインをボトルで入れた。
「ま。・・・大変だ。順子社長。・・・お店は。」
「此れから、続けますよ。・・・此処何日か行って居ないの。女の子に、任せて。・・・
でも、マスター・・・私の付き合い。接待は。お店を利用するのよ。会社だって毎日行かなくても。お店の奥は、応接室に成って居るから。」
「あ。そうか。・・・接待。・・・考えましたね。流石。」
「明日。会社初出勤なの。挨拶かたがた。」
「え。・・・まだ、入社式やって居ないの。」
「私はね。・・・常務たちで、遣っているみたい。・・・でもマスター。四月に入ってから。人事異動だから。」
「あ。そうか。・・・ですね。」
「今考えて居るの。何を話そうか。」女将が。
「順子さん。・・・凄い。こんな。のんびりして。」
「えー・・・女将さん。・・・慌ててもしょうがないから。この店で。落ち着かせてー。いま、考え中なの。・・・マスター。」
「はい。そうですね・・・今更慌てても。・・・分かります。頑張るしか、無いですね。」
「はい。頑張ります。」順子は帰った。直ぐ寝た。
※四月二十一日。順子はタクシーで。十時に。赤坂の新日本銀行本社に行った。
「お早うございます。・・・山本順子です。」受付が慌てている。
「少々お待ちください。」誰かを呼びに行った。男性の方が来た。
「はい。・・・わたくし常務の太田幸一。と申します。お話は伺っております。ご案内いたします。どうぞ」二人はエレベーターで、七階に降りた。
「此処が社長室です。」
「有難う。・・・随分広いですね。長いテーブルで。十人は座れますね。・・・ビル形態は。どうなって居ます。」
「はい。八階建てで。土地面積は。間口が四軒。奥行きが六軒で二四坪有ります。一階が一般受付に成っております。二三四五六階が、部署毎の。事務室です。ここ七階が、社長室です。八階が、多目的ホールで、社員たちが。自由に使用しています。それに地下一階が。防災の備蓄と成って居ます。あらゆる物資を。揃えて有ります。五百人分。七日分。」
「そうですか。・・・社長室広すぎますね。」
「はい。頭取も、あまり使用して、いなかったものですから。新しいです。」
「そうですか。・・・常務。今日。皆さんに挨拶。方々。今後の事など。お話。しようかと思うのですが。」
「はい。準備は、用意しておりますので。社長の意向に、従います。取り敢えず。役員だけ此処にお呼びしますか。」
「あ。そうね。・・・じゃ。準備して頂けますか。」順子は、待って居た。
「失礼します。」ゾロゾロ入って来た。テーブルを、囲んで、座った。順子が。
「初めまして。山本順子と。申します。・・・四月五日に。根津頭取と会いました。その時。新日本銀行の社長を頼みたい。と。言われました。・・・根津頭取との付き合いは。六年目に成ります。真か。この様な、お話に成るとは、考えても、居ません。でした。お断りしたのですが。・・・是非。と言う。頭取の熱意を、断れずに。引き受けました。堤社長達と、証券取引の勉強などしていましたが。金融は初めてでございます。でも。・・・根津頭取のお話によれば。社員たち。皆さん優秀なので。社長は居なくても良い。んだが。会社に、長を。置かなければ、世間の事も有るし。・・・又、社員たちの面倒を見て頂いて、外部の社長達との交流の事も有るし。まとめ役で良いから。と言う事。なんです。・・・引き受けた以上。私も。此の職務を全うし、会社の繁栄に努力しますので。宜しくお願い申し上げます。」
「有難うございました。」太田が執行役を務めている。
「皆さん。職務と。氏名を社長に。ご紹介願います。」
専務。其れに各部長たち。階毎に、六名。氏名を名乗った。総数八名が。幹部だ。
「それで、社長にお願いします。お帰りの際。各階の社員たちに。ご挨拶をお願いします。」
「はい。分かりました。・・・後日。皆さん八名の方たち。銀座七丁目の、クラブ「JUN」で。会合を開きたいので。ご出席お願いします。・・・日時を、決めたいと思いますが。若し明日でもよければ。・・・皆さんの意向を。お聞きしたいのですが。」太田が。
「どうですか。皆さん。明日。で。・・・何時からですか。・・・七時からだそうです。大丈夫ですね。・・・じゃ明日。クラブJUNで、七時から。ご参加お願いします。」順子は、皆さん。一人一人と。握手を交わした。そして。各階に挨拶して、帰った。少し緊張した。順子は、築地の寿司屋へ行った。
「お早う・・・」
「いらっしゃい・・・一人。」カウンターに座った。
「はい。・・・明日ね。家のお店に。お寿司。大きい桶。二つ。七時前に届けて。五人前、づつ。二つに。」
「はい、大丈夫です。・・・上ですか。・・・」
「特上で。十人前か。・・・幾ら。・・・」
「はい。特上だから三百円で。・・・閉めて。三千円です。」
「はい。三千円。先に払います。・・・忘れると。・・・」順子は三千円払った。
「後は何時ものね。・・・ワインと。」
「はい。毎度。・・・」
「マスター明日は。幹部達を招待するの。今。会社の帰りなの。」
「えー。旨く言った。・・・」
「はい。何とか。・・・八階建てで。地下が、災害用。物資を備蓄して有る。んだって。ビックリしちゃった。五百人分。七日分。生きられる。」
「へー凄い会社ですね。」
「そう。なんですよ。八階建てで。一階から六階まで事務所。社員は。百名位かな。」
「そうかー。忙しくなるね。」
「はい。頑張ります。」順子は帰った。順子は店に行った。誰も来て居ない。八階の金庫を開けた。五日分入って居た。百万。入って居た。直ぐカバンに入れた。弘子が来た。
「お早うママ。・・・・五日分。有ったでしょう。・・・」
「有ったわよ。有難う。ね。・・・はい。上げる。」一万円上げた。
「ママ。悪いから。気。使わないで、下さい。・・・」
「良いのよ。まだ用事が詰まって居て。お店に出られない時が、有るから。・・・頼むね。」
「分かりました。・・・随分忙しそうね。ママ。」
「弘子さん。これ。・・・名刺。今度。社長に成ったの。」名刺を見せた。
「えー・・・銀行の。・・・ママ凄い。」
「弘子さん。名刺は、上げられないの。女の子達に知られたくないから。弘子さんにだけは、知らせて置こうと。思って。・・・私の見方に成ってね。これからも。」
「あ。はい。・・・分かって居ます。」弘子は喜んでいた。女の子達が揃った。
ドアが開いた。ママが出た。
「いらつしやぃませ。・・・あら。佐藤さん。何名ですか。
「お早う。四人です。」奥の三番テーブルにセットした。
「お久しぶりね。お元気なようですね、佐藤さん。・・・お父さんも、お元気でしょう。」
「ママ。其れが。二月に亡くなった。んです。四十九日を、終えたから。今日。来たの。
・・・金庫を調べたら。株券がいっぱい出て来て。ママの会社の。ジャパンフューチャーアメリカン株式会社の。株が。十万株。有ったの。・・・」
「そうです。・・・すぐ付き合って頂いたから。上場してからだから。一株。百五十円。で。千五百万円。だった。と思ったが。・・・現在。五百円かな。・・・だから五千万円。に。上がって居ます。」
「えー・・・本当ですか。ママ・・・」
「本当です。・・・」
「佐藤ー・・・本当かよ。・・・」友達が、びっくりした。
「え。ママ。株って。儲かる。んですか。・・・」
「一概には、言いないですが。・・・上場したての。株を買えば。佐藤さんみたいになります。」
「えー・・・俺も買いたいな。・・・」
「でも。佐藤さんの。お父さんみたいな、お金持ちでないと。・・・一千万円。五百万円。以上買わないと。・・・」
「えー・・・無理だ。・・・良いな。佐藤。・・・」
「うん。家の親父は。投資家。だった。んだ。・・・でも知らないところでは。損して居たって。・・・おふくろが言っていた。・・・全部整理してみなければ分からない。」
「そうね。・・・相場だから。博打と言えば。そう。なんですよ。上場したてのを、借金して、買っても、儲かるのが有ります。」
「えー・・・それって、どう探しますか。」
「其処が。・・・大変です。・・・ま。私なら探せます。・・・私は、此れから上場したい会社を。探して。応援しているからです。」
「じゃ、ここにきて情報を集めないと。」
「そう言う事です。」ママも自信を付けて、話していた。皆帰った。店は、閉店して女子達は帰った。順子も帰って直ぐ寝た。
※四月二十二日。
順子は九時に起きて。シャワーを浴びて化粧して。テレビを見ながらコーヒーを飲んでいた。
リリリリリ電話が鳴った。
「もしもし、ジョンです。今家ですか。・・・私は今日、帰りますので、順子社長と会いたいです。・・・どこかで。」
「はい。・・・じゃ。ビヤホール・ライオン。て。分かりますか。」
「分かりますよ。四丁目交差点の傍でしょう。・・・順子さん。印鑑持ってきてください。契約しますから。・・・コンピューター販売の。」
「そうですか。分かりました。・・・十一時に。」あー良かった。時計を見た。家を出た。まだ来ていない。ライオンの前で待って居た。
「順子さん。・・・」手を振って、ジョン社長が来た。入ってテーブルを探した。何時もの奥が空いていた。順子は。ワインと、ソーセージセットを、頼んだ。
「どうも。順子さん。・・・全部終わりました。鈴木社長。素晴らしいです。社員が。日本語を入力出来る。部品を開発しました。ので。これから日本で。普及すると思います。順子さん。ミニコンピューター。オヒスコンピューター。パーソナルコンピューター。と言うのがどんどん、開発されています。「JFA」も発展していきますので。宜しくお願いします。鈴木社長達が開発した部品は、評判が良いです。」
「そうですか。頑張って居ますね。鈴木さん達。」
「コンピューターの開発は。無限です。人間を超えるでしょう。・・・アメリカの。宇宙開発が。証明しています。順子さんの。銀行はお金持ちと、聞いています。・・・投資しなければコンピューター開発は。進みません。早く投資して進めた会社が。勝利します。」
「はい。私も、そう考えています。」
「オーケー。其の考えが、正しいです。」
「ジョン社長。又、来日する時はお電話ください。」二人は分かれた
順子は、いろいろ、考えながら、散歩して。家に着いた。ソファーで休んだ。少し寝た。起きたら六時半だ。支度して店に向かった。店の前に男性達が居た。会社の幹部達だ。
「お早う。どうもお疲れ様。・・・どうぞ。」エレベーターで八階に着いた。ドアを開けて。
「どうぞ。・・・」三番テーブルにセットした。
「おまちどうー。・・」お寿司屋さんが来た。テーブルに、桶を二つ並べた。ワイン。ヘネシー。レミーマルタン。燻製つまみを、並べた。女の子達が来た。
「どうぞ皆さん。気兼ねしないで。ゆっくりして、行ってください。・・・十一時まで。大丈夫ですので。」ワインで乾杯した。
「どうぞ食べながら。飲みながら。ざっくばらんに。話しましょう。」
順子は気分が良い。この人達を、操らなければ。進まない。常務。専務。各階の部長たちだ。根津の教えは、知って居る筈だ。
「皆さん、此処は、七階と八階が、お店に成って居ます。二件とも私が経営しています。
六階は・堤社長が居ます「帝国証券」です。私は主に、八階にいます。各階、女の子が、十名。づつ。居ます。飲食代金は、お一人様。約。一万円かかります。安くは有りません。でも、何とか。お客さんが、途切れなく。来てくれて、いますので。経営は、安泰です。本日は、気楽にお話して、楽しく過ごしましょう。」
「此処では。・・ママ。ですね。・・・順子ママですか。」
「はい。普段は。ママと。呼ばれています。」
「ママは。綺麗ですね。・・・事務所で見た時と。全然違います。・・・まだ。会ってから、二度目です。けれど。・・・女優さんみたいです。・・・」
「本当ですか。有難うございます。」
「経営してから。何年ですか。」
「はい。六年目です。」
「此のつまみは、食べた事無いです。・・・何でしょうか。」
「はい。此のつまみは。殆ど貝です。水揚げして、即。蒸して、燻製にして真空パックで、包んで有ります。味付けは一切、していませんの。採れた儘。」
「えー・・・それでこんなに。良い味に成る。んですね。」
「東京でも。此処だけ、しか、食べられ、ません。」皆びっくりして居る。
「皆さんに知らせたい会社が有ります。・・・この度。私の友達がアメリカで。コンピューターの。部品。開発。製造し。アメリカのコンピューター会社に。販売しています。そして日本にも。提携している会社が有ります。その会社の、相談役に、成っております。
その会社は。千葉県市川市に有ります。私と堤社長達が、上場に。協力した会社です。社員も毎年増えて。全力で取り組んでいますので、皆さん注目して居てください。公開株も、上昇中です。これからの私の目標としては。あくまでも金融業なので。今回、四社の株上場に、全力投資して。成功しました。・・・よつて、これからも。上場したいと言う。企業を模索していきたいと思って居ますので。皆様もアンテナを高くして。ご協力をお願いします。」又。根津頭取より。東京に本社を構える。社長達を紹介され、会って。会談を済ませて。居ます。(笹川社長。堤社長。根津社長。五島社長。小佐野社長。岩崎社長。国会議員田中。)達です。私が社長達に、会って。・・・報告を兼ねた。対談でした。」順子は、力を見せた。
「はい。太田です。・・・今聞いて。びっくり、しました。流石。頭取の跡継ぎと、分かりました。家の会社も。今の、七名のお力添えが、有ったからこそ。此処まで来れ。ました。根津頭取が。退任したら。どうなるかと思っていた。ところです。・・・したがって山本社長には。根津頭取の。足跡をしっかり受け継いで。頂かないと。我々としても。頼るところは無くなりますので。山本社長の考案に。我々も就いて行きます。」専務も。
「私も。常務と同じ、考えです。先の七人は。日本の大物たちです。恐れ多くも。我々じゃ。対応できません。・・・それを、出来るのは。山本順子社長だけです。宜しくお願いします。」シーンとなった。順子が。
「分かりました。・・・根津頭取から教えられたのは。社員と。友達。仲間と。仲良く。大事に付き合って、行ってくれ。と言う。言葉を強く言われていますので。全うして、行きます。皆様に、約束します。」パチパチパチパチ。話は、終わり雑談に成り。祝宴に成った。
十一時まで飲んでいた。皆喜んで帰った。順子も家に帰った。直ぐ寝た。
※四月二十三日。十時に起きて、シャワーを浴びて化粧して、ソファーで休んだ。堤社長に電話した。
「もしもし、順子です。お早うございます。何時もご苦労様です。社長。今日、暇ありますか・・・」
「はい。・・・良いよ。・・・俺も気に成って居た。んですよ。佐野も一緒だよ。・・・じゃ。六階で。」
「はい。行きます。」順子は支度して。歩いて行った。
「お早う。・・・羊羹買ってきました。」大きいの。一本出して、順子が切って出した。事務員達にも上げた。
「おー。久しぶりだな。羊羹。食べるの。」全員で羊羹を、食べて居る。順子が。
「今後の事。なんだけれど。・・・良い案。有りますか。」
「うん。俺も其処を。気に成って。考えて居る。」
「やっぱり順子社長。上場したい、会社を。模索するしか、無いですよ。」
「皆、同じですね。・・・私もそのことを。・・・どうしたら、良いのか。二人の意見が欲しかったの。」堤が。
「俺は、頭取の友達。七八人居たのを聞いているけれど。・・・その人たちを知って居ますか。順子社長。」
「はい。・・・何日か前。紹介されて、有って居ます。七人と。」
「会って居た。んだ。凄いですね。じゃ。順子社長。その人達と、会って。上場したい企業を模索してくださいよ。・・・一から。骨折りを掛けるけれど。」二人は、順子に委ねた。
「はい。アタックして、みます。・・・御二方。前の四社で。大分浮いたでしょう。懐。」順子は探った。二人共に。
「助かったよ・・・今も続いて居るし。・・・進めてくださいよ。」
「俺は。一億超える。勢いだよ。まだ、上昇中ですし。」
「本当ね。・・・じゃ。此れで行こう・・・」決定した。三人は、ライオンに歩いて行った。順子が奢ると言うので。
「おー。此処も久しぶりだな・・・」二人は喜んでいる。順子が、つまみとビールを頼んだ。ビールが直ぐ来た。乾杯した。
「順子社長。・・・頭取は・・・何処に、住んでいますか。」
「はい。其れは秘密です。・・・と言うのは。知人たち。死に顔は見せたくない。て。以前から決めて居て。絶好調の時。引退して。現金で一億あれば。資産も金も要らない。誰かに全部上げる。て。引退したら誰も会わない。(終わり良ければ、全てよし。)で。この世を去りたい。という。」
「そうかー頭取らしいな。俺達二人は何十年も、面倒みて頂いて。自立も出来た。頭取の御蔭だ。終わり良ければ、全てよし。か。普通はヨタヨタ迄。会長とか。て。遣る人が多い中。・・・俺もそうしたいな。」
「うん。根津頭取みたいな人は。あとにも先にも出てこないだろうな。一人で、この世を去る。・・・猫。てさ。死に顔。見た事。有る。」
「え。・・・そう言えば。・・・見た事無いね。」
「でしょう。・・・今、思い出したよ。」
「そうだな。死ぬ姿を見せない。田舎で、猫。何匹も飼っていたが。そう言えば、いつの間にか。居なく成って居た。思い出した。」
「うん。そう言う人。だった。んだ。根津頭取は。」
「自宅は。神谷町の。・・・」
「はい。私が。貰ったと言うか。受け継いだと言うか。です。」
「えー凄いな。確か金庫も、大きいの。有った。筈だよ。」
「はい。有ります。」
「お金幾ら。入って居た・・・」
「まだ、開けて見ないの。怖くて。」
「順子社長。・・・此の儘行くと銀座の(女帝)に成るかも。」
「えーそんな事言わないでよ。なれる訳。無いでしょう。」
三人は。結束した。二時頃別れた。順子は家に帰った。順子は、未来像を描いた。
(神谷町の家に、母と兄妹たちを呼んで、一緒に暮らす。弟を六階の証券会社を継がせる。妹二人は。新日本銀行に入れる。母は、何れ熱海の老人ホームに、預ける。自分は、結婚はしない。遺産は兄妹達に、等分してやる。でも弟は結婚すれば。独立するだろう。今の遺産が有れば、これ以上は要らない。お金も、そこ、そこ。残して置けば。余分には要らない。根津の言う通り。金を廻して、様々な人と。付き合った方が。人生楽しい。ただ。生きた金を。廻さないと。ゼロに成る。七人の社長達は、他人の金は求めない筈だ。人派を広げるには。此の七人の侍たち。と。どう、付き合う。か。問題だ。日本テレビ佐藤。証券取引所の佐々木。ナベプロ、西川興業。の二人。・・・この人達。金に狡い人は居ない筈だ。あと。歌手の三人。)
順子は。自分と家族。人生を導いてくれる。付き合って行く人達の。リストを上げた。なるべく好かれるように、接して行かなければならない。しかし困難な壁に、ぶち当たる。事は。出て来るでしょう。生きると言う事は。大変だと実感している。今までは。麗さんと根津の力が。支えに成って居たから。・・・これからは、私の行動を。回りが。どう見てくれるか。が。順子の、器量。だけだ。・・・身に染みて感じている。母に電話した。
「もしもし、順子。・・・お母さん。大丈夫。今。」
「はい。何でしょうか。」
「弟達は寮に入って居るでしょう。」
「そうよ。・・・電話して置けば。伝えて貰えるよ。電話下さい。て。」
「分かった。最近連絡して、いないから。・・・忘れちゃった。」
「電話して上げて。・・・待って居るから。」
「はい。分かりました。」順子は、神谷町の事は話さなかった。二人の、大学の寮に、朝九時に、電話下さい。と。伝えてください。
「順子は。引っ越し運送に。電話して。引っ越しを依頼した。今、空いているので、明日でも。良いと言う。ので、頼んだ。朝九時に来る。小型トラック一台で来る。そうだ。後電話局に。電話の移動を、申し込んだ。直ぐ出来ると言われた。順子は。荷物をまとめた。主に着るものだけだ。台所用品は何もない。テレビと冷蔵庫。ベッド。三面鏡化粧台。此れだけだ。取り敢えず神谷町にタクシーで行った。玄関を開けた。広い・・・根津も、家事はしていないので、サッパリしていた。何もない。ベッドと。冷蔵庫とテレビだけだ。五部屋あるから。一人一部屋に、成る。近所に出た。喫茶店に入った。
「お早うございます。・・・」
「はいどうぞ。・・・あら。根津さんとこ。」
「はい。順子と。言います。」
「はい。・・・ぱっと。分かったけれど。・・名前が出てこなかった。ごめんなさい。御一人ですか。」
「はい。一人です。」
「根津さんは。・・・」
「はい。引っ越しました。・・・伊豆の方へ。」
「えーそうですか。・・・あそこ一人で。・・・貴方が。」
「はい。そうです。・・・お世話に成ります。」
「いいえ。こちらこそ。宜しく。ね。・・・家は狭いから。近所の常連さんばかりなの」
「そうですか。・・・明日。引っ越してきますので。」
「あ。そうですか。・・・お友達が増えましたね。」
「宜しくお願いします。」此処はコーヒーが直ぐ出て来る。コーヒーしか、無いからだ。サンドイッチ。トースト。だけだ。戦後から経営している。上品なママだ。
「根津さん家は。広から大変ね。庭師の方がチョコチョコ見えて居ましたね。中には入ったことは無いけれど。凄く立派なお家だ。て。皆さん。言っていますよ。」
「有難うございます。」順子は。ゆっくりコーヒーを飲んでいた。
「開店は何時ですか。」
「あ。そうね。朝十時から午後四時までです。月曜日は、定休日です。・・・住宅街だから。近所のお休み所。です。の。」
「チョコチョコ来ますので。宜しくお願いします。」順子はコーヒー一杯飲んで帰った。少し歩いて、タクシーを拾って。コージーコーナーでケーキを十一個買って六階に行った。
「お早う・・・」
「お早う・・あ。社長。いらっしゃいませ。」
「はい。ケーキ食べましょう。」二時だ。丁度良かった。
「一休みしましょう。」皆でケーキを食べて居る。
「ご苦労様です。・・・どうですか。問い合わせは。」
「はい。忙しいです。ので。やりがいが有ります。」
「そうですね。暇だと。逆に疲れますね。良かったですね。又忙しく成りますので。頑張りましょう。・・・八階に遊びに来て。・・・貴方達は無料だから。私が、居ますから。・・・今晩。来て見ます。・・・二三名、づつ。分けて、来てくださいね。七時から十一時まで。」
「へー。見て見たい。夜の。華やかな。世界。」
「そうでも無いのよ。マスコミが、騒いでいるだけで。・・・お邪魔しました。順子は八階に行った。ソファーで休んだ。起きたのは五時過ぎだ。在庫を点検した。少ない。つまみ屋さんに電話した。ヘネシー。ワイン二十本。づつ。つまみ。五十箱。店も順調だ。
ドアが開いた。ママが出た。
「いらつしやぃませ。何名様でしょうか。・・・」若い人が。
「笹川の者ですが。・・・山本順子さんですか。」
「はい。私ですが。」
「家の、社長が見えて居ますので。下へ迎えに行ってきますので、宜しくお願いします。」
「は。はい。・・・」順子は。あわてて用意した。直ぐ来た。二名だ。
「お早う、笹川だが。・・・」順子が出た。
「どうぞこちらへ。」三番テーブルにセットした。ワインとヘネシーとつまみを用意して置いた。二人は座った。
「どうも、前日は。お邪魔させていただいて。有難うございました。わざわざ来て頂き。ご苦労様です。今後とも。御贔屓に、宜しくお願いします。」
「とりあえず。初めましてだな。じゃ乾杯。」社長が音頭取った。
「順子さんね。紹介するよ。(松尾コーポラス株式会社)の社長で松尾博と言う人だ。ちょっと前。根津から聞いていたのだが。山本順子が。上場に関する手続きを遣ってくれると聞いて来たのだが。」
「はい。その通りです。遣っております。」
「おー。そうか。・・・松尾。話してみたら。」松尾社長が名刺をくれた。順子も、帝国証券の名刺を出した。
「はい。実は。私どもは。ワンルームと言う。十階建てのマンションを販売しています。四月で五年目に入ります。売れ行きは。急成長しておりまして。絶好調です。依って。上場して。もっと、飛躍したいと計画中です。笹川社長に山本社長の事を聞いたので伺った次第です。」
「はい。分かりました。五年の実績があると言う。事でしたら。実績表。謄本。会社の残高。負債の有無。現在の、社内株。発行数。投資者人数。氏名を提出して頂ければ。私どもいで。手続きに入らせて頂きます。・・・お願いが有ります。私ども、役員三名を社外役員として。登録させて頂き。株の取得に参加させて、頂きたいのですが。そうさせて頂ければ手続き手数料は頂きません。」
「あ。そうですか。・・・社外役員で家の株主に成る。と言う。事ですか。・・・それは構いません。・・・手数利用は無料。・・・成る程。分かりました。先程の書類と。社員契約書ですね。三名分。分かりました。・・・二七日。にでも、専務に届けさせます。」
「はい。分かりました。事務所は此の六階です。・・・朝、九時から五時まで営業しています。」
「はい。じゃ。二七日の朝。十時に、六階に来ます。・・・宜しくお願いします。」
「最後に。現在の投資株数。を。増やした方が、実績として、優遇されますので、私ども三名の他に、投資者を、増やさなければ。ならないかもしれません。・・・その時は。社員誰でも良いですので。今までの例だと。そうしています。」
「あ。そうですか。基準。て。有る。んですか。」
「はい。多い程。会社の評価が上がります。」
「そうですか。・・・分かりました。」
「よし。・・・決まり。松尾。・・・二七日、十時六階。はい。手打ち。」
「有難うございます。ただ。一年位掛かります。証券取引所。次第、なんです。早く調査して頂ければ。早いですが。・・・調査官、次第です。」笹川が。
「何。・・・調査官。・・・分かった。・・・これは俺の仕事かな。」
「そうでしょうね。会社を丸裸にするわけですから。・・・分かります。」
「松尾。・・・これ。ただの仕組みだけだ。と言うか。決まりだ。」
「そう。なんですよ。笹川社長。」
「ここだけの話だが。・・・決め事は、破る為に有る。・・・冗談だよ。」静まった。
「じゃ乾杯。さ。飲もう。」順子は時計を見た。九時過ぎていた。ずいぶん話していた。
「しかしママは。綺麗だな。・・・生き生きして、話、している姿は、実に良いですね。惚れ惚れ、するよ。」
「まあまあ。社長。鼻の下長くして。・・・」
「えー・・・バレた。・・・この辺も早い。んだよ。根津が惚れ込むのも当たり前だ。な。」
「またまた恥ずかしいですよ。社長。」
「話終わった。んだから女の子読んで。・・・十一時まで、だろう。」ママは、女子達を五名。連れてきた。弘子も来た。
「はい。お邪魔します。」皆座った。
「此処は。大きい女の子。ばかりだ。貴方は足長いね。名前は。」
「はい。弘子と言います。宜しく。ね。」
「ママ。皆。綺麗だよ。松尾。良い女。唾つけて置いた方が。」
「通ってみないと。分からないですよ。社長。」
「そうだな。松尾は。色好みが厳しいからな。・・・ママは駄目だよ。根津が居るから。
「まあまあ。社長。人の性に。して。」
「又。見破られちゃったよ。・・・ハハハハハ。今日は松尾も安心。したな。此れで。念願叶えば。松尾の人生が。変わる」
「はい。順子社長に託します。」
「有難うございます。頑張ります。」順子は軽くお辞儀した。二人は帰るので。下まで見送った。運転手が車で待って居た。リンカーンのツードアだ。二千万円したと言う。
笹川が、順子に封筒を渡した。お金だ。順子は。有難うと言って受け取った。
店は閉店した。家に帰った。明日は引っ越しだ。封筒を開けた。五万円入って居た。直ぐ寝た。
※四月二十四日。九時だ。順子は起きてシャワーを浴びて化粧して、ソファーで休んで居た。玄関のベルが鳴った。引っ越し屋さんだ。
「お早うございます。引っ越し屋です。三人来た。」
「はい。どうぞ、入って。」順子は。ジュースを上げた。運び始まった。手伝わなくても良いので、見ていた。リリリリリ電話だ。弟だ
「もしもし。強。・・・近いうちに会おう。有楽町。て。言う駅が。有るから。改札口。数寄屋橋出口に。出るの。其処で待って居るから。今度の日曜日。二十六日。十時ね。・・・あと陽子も連れて来て。お願いね。じゃね。」
引っ越し屋さんが、どんどん運んでいる。もうすぐ終わりそうだ。順子はタクシーで、先導した。神谷町に着いた、十一時だ、ジュースを買って上げた。少し休んで直ぐ始まった。順子は置き場所を指示した。十二時に終わった。順子は。お礼として千円。運賃として、一万円を払った。引っ越し屋さんは帰った。
あー・・・何となく疲れた。整理するのは洋服だけだ。その儘にして、置いた。喫茶店に行った。
「お早うございます。」
「あら。いらっしゃい。もう引っ越しました。」
「はい。今終わったの。疲れた。・・・コーヒーとサンドイッチ。下さい。」ママ一人で、のんびり。やって居る。ので、時間が掛かる。仕方がない。順子には、もどかしい。
「御待ちどうさまー。」順子は、モリモリ食べて居た。お腹が透いていた。もう一杯。コーヒーを頼んだ。
「今度は、ご近所さん。ですねー・・・宜しく。ね。」ママがやさしく声をかけてくれた。順子は、清算して家に帰った。今度は門がある。少し歩く。ロビーが会って。ホールが有って。芝生の庭が有って。大邸宅だ。でも庭の手入れも大変なようだ。時計を六時に合わせ寝た。リリリリリ。起きた六時だ。何となく、ぐっすり寝られた感じがした。タクシーで、店に、行った。まだ誰も来て居ない。八階のソファーで休んでいた。
「お早うございます」弘子達が来た。
皆。ソファーでコーヒーを飲んでいた。ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。・・・あら。社長。」鈴木。沢井社長だ。三番テーブルにセットした。
「久しぶりね。お店に来るの。」
「そうですね。・・・忙しいからね。ずーと。・・・二人で。店に、行こうか。て。相談してきた。ですよ。・・・良いね。雰囲気が。」乾杯した。仕事の話はジョン社長から聞いているので。おおよそ分かって居る。
「ママ。今。新しい機械を導入している。んです。ロウ付けって。はんだ付けみたいなもので。機会で遣る。んですよ。0、三ミリを。ロウ付け。て。二千万円位掛かる。んですけれど。株投資資金を。使えるので。助かります。」
「やっぱり、企業にとっては。良いんでしょう。」
「そうですよ。ママ。新しい機械が出て来るので。追いかけて行かないと。遅れますので。」
「そうね。・・・結局。小型化を目指しているから。もちろん新しい機械を、開発する。工場ではそれを追いかける。又、それによって。生産が上がるし。・・・旨く回って居ますね。株も四桁まで行くかもね。て。噂ですね。社長達が頑張って居るから。」社長達は。仕事が好きで。自身に満ち溢れている。様子が見える。本気度が違う。看板まで居た。店も終わって皆帰った。順子も帰った。今日からは方向が違う。直ぐ寝た。
※四月二六日。八時に起きて。シャワーを浴びて化粧して。少し休んで。フラフラ歩いて、数寄屋橋に向かった。有楽町駅で待って居た。
「お姉さん。…」勉と、陽子が走って来た。
「良く分かったね。・・・」
「目立つよ。大きいから。」
順子はタクシーを拾った。神谷町に着いた。降りた。
「此処よ。勉。陽子。・・・」
「え。お姉さん。古い家だね。」三人で入った。上がった。
「えー広いね。お姉さん。・・・此処の家。」
「うん。知って居る人が住んで居たの。でも急に。外国に行ったの。其れでお姉さんが借りたの。」
「へー・・・こんな広い。んじゃ。俺も、住めるかな。」
「え。勉。此処に住む。良いわよ。陽子も、来ても。三人で。・・・本当は。お母さんを呼びたいよね。」
「えー・・・そうか。おかあさん。・・・でも、来ないよ。・・・この前来たでしょう。その時。ごみごみしているから。東京には。住めない。て。言っていたから。」陽子が言った。
「そうか。・・・じゃ三人で、住もうか。・・・どう二人共。」
「私は、良いと思ったけれど。・・・よく考えたら。寮の方が、毎日楽しいから。遠慮する。・・・お兄ちゃんは。」
「陽子と同じく、広くて良いかと、思ったけれど。寮の方が、友達と、居られるから。寮の方が良い。」順子は。弟たちの言い分も分かった。
「そうか。・・・楽しさの方が優先だよね。分かった。じゃ。これからご飯食べに行こう。」
三人で、タクシーに乗って。千疋屋の三階に、行った。
「へー・・・フルーツパーラー。見た事無い。食べ物ばかりだ。お姉さん。」・・・メニューを見たが。どれにするか、分からない。
「そうね。お姉さんに任せて。」順子は。牛たんシチュー。パスタ。生ハムサラダ。フルーツパフェを三人分。注文した。そして、封筒に入れて、お小遣いを上げた。
「有難う・・・」二人は直ぐ開けた。
「え。二万円だ。・・・お姉さん。て。お金持ちなの。」
「え。お金持ち、と言うか。・・・働いているからよ。・・・勉強して、良い会社に入らないと。高額なお給料は。貰えないのよ。・・・まずは勉強だね。」
「でもさ。お姉さん。高卒でしょう。」
「あ。そうか。・・・でもね。東京。て。いろんな人が居る。の。たまたま。良い人達に巡り合えて。証券会社に勤めて。会社の株に、関わる仕事をしているの。だから、普通の会社とは違うの。給料は、仕事をしただけ貰えるの。」
「へー・・・そんなの、有る。んだ。・・・株。」
「おまちどうさまー・」
「はい。食べましょう。・・・美味しそうね。・・・食べて。二人は、何だか分からないで食べて居る。
「お姉さん。料理の名前、分からないけれど。美味しい。」
「お姉さんも初めは。分からなかったの。・・・シチュー。バスタ。生ハム。パフェ。分かった。でも美味しいね。」
「生ハム。て。美味しい。シチューの肉も美味しい。」
「パフェは。食後よ。」
「あーそうか。・・・一緒に食べて居たよ。なんか変だな。と。思った。」
「良いのよ。好きなもの食べても。自由にね。」順子は、久しぶりに、和を感じていた。三人は店を出て。三越に入った。
「えー・・・凄いね。何。此れ。・・・化粧品。・・・こんなに沢山ある。」
「陽子も、務めるように成れば。欲しくなるもの、ばかりよ。」弟は興味無さそうに見ていた。三人は三越を出て、有楽町駅まで散歩した。
「じゃね・・・毎朝九時に、電話。ちょうだいね。」
「うん。・・・有難う。」陽子は私と同じ背丈に成って居た。勉は一八〇センチ。と。言っていた。お互いどんどん。成長しているのを感じた。私も頑張らないと。・・・そうか。まだ。一人の方が。気楽に仕事出来るかもね。・・・弟達は。其処を見抜いたかも。・・・順子は。弟たちの優しさと。思いやりを。感じた。タクシーで神谷町に帰った。洋服を整理した。
順子は少し休んで。店に七時前に着いた、
「お早う。・・・」女の子達が来ていた。ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。何名様ですか。・・・あら。」佐々木さんだ。順子は三番テーブルにセットした。ボトルが有ったので。出した。
「どうもお久しぶりですね。」
「うん。今忙しいですよ。・・・ママ。調査官も増やして、対応しています。・・・忙しいけれど前よりは。スムースに、流れています。上場企業が多くて。景気が、上向きだから。暫く此の儘続くでしょう。・・・上場するなら。・・・今ですよ。」
「本当ですか。・・・相談は受けていますが。・・・足踏みしているの。」
「え。・・・早い方が、良いですよ。・・・何故ならば。バタバタしていて、真剣さが無くなって。居る。状態です。
「分かりました。勧めるのが、四五件、有りますので。その時は。宜しくお願いします。」
「この前みたいに。私の名前を書いて。左上に、進展と言う。赤い押し印を押してください。私に、直通で届きます。ので。」
「はい。分かりました。・・・仕事の話は、此れで、終わりにして。飲みましょう。」順子は。弘子を指名した。
「あら。佐々木さん。又、会いましたね。」
「弘子さん、此処へ来れば、会えることに。成るでしょう。」
「あ。そうですね。・・・いらっしゃいませ。・・・改めて。」順子が。
「最近。会って。居ないの。」弘子が。
「佐々木さんに、振られちゃったの。」
「えー・・・弘子さん。・・・振って居ないよ。・・・今まで忙しかった。だけだよ。」
「本当。・・・電話が。出なかった、から。」
「今は、一寸、暇になったから。・・・来て見た。の。」弘子が。
「じゃ。復活ね・・・佐々木さん。」弘子は、佐々木さんの顔に。チュウした。
「弘子さん。私の前で。・・・嫌ね。」佐々木さんが。
「ママ・・・私は弘子さんを。好き。なんです。・・・」本気なようだ。
「弘子さん。・・・どうする。・・・返事しないと困るわよ。佐々木さんだって。ね。」
「でもさ。・・・ま。良いか。・・・じゃ。楽しく行きましょう。」弘子は。あっけらかんといていた。三番テーブルは、未来を占う。予感が走った。十一時まで居た佐々木さんは。弘子を誘ったようだ。順子は知らないふりをしていた。店は閉店した。皆帰った。順子もタクシーで家に帰った。今度はタクシー代が。掛かる。神谷町まで。ワンメーターぎりぎりだ。超える時が多い。
※四月二七日。六階。
堤と佐野と順子が、待って居た。
「お早うございます。松尾コーポラスです。」
「いらっしゃいませ。どうぞこちらへ。」順子が出た。応接室で。
「専務の、山田と言います。」名刺交換をした。
「ご苦労様です。」順子が応対した。
「此処に全て入って居ますので。見てください。」
「はい。有難うございます」順子は受け取って三人で見ている。事務員がコーヒーを入れてきた。
「どうぞ。」山田さんがコーヒーを飲んでいる。社外役員の三枚に。堤。佐野。山本のサインと、実印を押して。山田さんに渡した。
「はい。確かに。・・・三人は、複写を、貰った。順子が。
「山田さん。・・・企業売り上げが。二億円超えています。会社の投資株。一株=二百円。
持ち株が。五十万株=一億円。・・・では。少々。少ない。ので。・・・私達三人で。六十万株=一憶二千万円。投資します。・・・合計で。百十万株=二億二千万円。と成ります。けれども。・・・四十万株。足して頂けると。百五十万株=三億円に成れば。ベストな評価が得られます。・・・申請する前の日まで。決定すれば良いです。」
「そうですか。・・・電話貸して、頂けませんか。」
「はいどうぞ。使ってください。」松尾社長に電話して居る様だ。
「変わって頂けますか。・・・」順子社長に変わった。
「はい。電話変わり巻いた。山本順子です。松尾社長ですね。他の書類は、大丈夫です。ただ。会社の持ち株が。少々。増やした方が。宜しいかと。・・・四十万株=八千万円です。会社に関連している業者でも大丈夫です。ただし、代表者、個人の名前で。・・・大丈夫ですか。はい分かりました。」専務さん変わってください。
「はい変わりました。はい。・・・はい。・・・分かりました。」電話を切った。
「社長が出せると言って居ましたね。じゃ。ですね。此処に書類。十枚有りますので。何名でも良いので。株数と投資金額を記して。会社の台帳に。記して提出すれば有難いです。其の書類が届き次第。申請できます。私どもの力にもよりますが。一年以内で、承認されたら。審査に入ります。承認されるのが早ければ、早い程。進みます。承認されてから二か月ぐらいで。公開となります。・・・今話したこと。は。此処に、記してありますから。もう一度目を通してください。早い程良いです。」
「分かりました。有難うございました。・・・失礼します。」帰った。
「流石。順子社長。・・・お見事。」
「相手は、分かったかな。・・・社長。切れすぎる。て。言うか。早すぎる。て。言うか。」
「だから、書いた書類。あげたでしょう。・・・読んでいただければ。」
「それはそうだ。」
「御二方。・・・何処か。無いですか。上場したい企業。」
「大変ですよ。・・・探すのが。・・・今回は誰からですか。」
「うん。笹川社長です。・・・」
「えー・・・それじゃ俺達は無理ですよ。あんな大物の社長じゃ。・・・順子社長だからですよ。・・・凄いな。」
「ところで、四千万円。・・・大丈夫でしょう。」
「今度は大きいな。・・・又。前回と同じく。して貰おう、かな。」
「それは良いけれど。利益が減りますよ。」
「良いですよ。参加させて頂けるだけで。・・・俺達は。・・・でも四千万円。残るでしょう。・・・それだけで。良いです。」
「はい。分かりました。」それでは終わりですね。・・・お寿司。奢りますので。タクシーで行きましょう。三人はタクシーで。築地の寿司屋へ、入った。
「いらっしゃい。・・・あれ。順子社長。・・・何名ですか。」
「三名。だけれど、カウンターで良いです。奥の端っこへ、座った。」真ん中じゃ。お客さん見えたら。
「はい。有難う。気使って頂いて。・・・助かります。」
「順子社長は。気が利く。んですよ。マスター。」
「はい。・・・何時も。気。使ってくれます。」
「何よ。皆で。・・・とりあえず。ビールで、乾杯。何時もの三人前。アナゴの白焼き。三本。とり貝。三個。・・・ワイン、ボトルで。有ったよね。」
「はい。有ります。・・・」女将さんが持って来た。
「今日はお三方。・・・」
「証券会社の社長達です。宜しく。ね。マスター。」
「はい。助かります。・・・何時も。」順子も、間に座った。つまみの、とり貝が出てきた。
「ぉー・・・美味しい。」二人はびっくりして食べた。
「何ですか。・・・社長達。」
「順子社長。・・・こんな美味しい。とり貝。初めてだよ。本当。」
「そう。なんですよ。皆さん。順子さんだけ。特別に、食べて貰うの。今日、は築地で、十個。分けて貰ったの。・・・数が無い。んで。配給。なんです。」後。七個あります。」
「へー・・・順子社長は。大物だ。・・・マスター。この人は。あの大物の。笹川社長と友達。なんだよ。」
「あら。駄目よ。社内の事は。・・・外に漏らしちゃ。」
「でも。此処は常連みたいだから。と。思って。ごめんなさい。」
「そうですか。・・・あの競艇の。」
「まあまあ。・・・先行きは分からないですよ。・・・何処まで就いて行けるか。」
「順子社長なら。大丈夫だよ。其の美貌で。笹川社長も、一ころ。でしょう。」
「駄目よ、マスター。・・・この人達は。銀座赤坂六本木。ネズミの。住処迄。知って居るのよ。・・・だから怖いのよ。」
「でもさ。マスター。順子社長は、本当に、綺麗だよ。・・・皆が。十朱幸代だ。て。言っているから。・・・あの人は。十朱久雄の。娘だから。お父さんも良い男だよ。」
「何やっている人。」
「俳優だよ。・・・男前で。迫力、有るし。俺は、あの俳優好きだな。」
「それより今日のお客さん。ワンルームマンション。て。見て見たいね。」
「そうですよ。広さが気になるね。八階建て。十階建て、・・・高さ制限で、八階までとか。・・・法律も変わるでしょう。二十階とか。五十階まで立てても良いとか。」
「五十階までは、行かないでしょう。・・・倒れたら。どうする。」
「そんなの。倒れないように造れば。百階までも。建てられるでしょう。
「順子社長は言う事が。違う。んだよな。・・・発想が。」話も弾んで四時だ。三人は。解散した。順子はタクシーで、帰った。直ぐ寝た。リリリリリリ電話だ。六時だ。
「もしもし。・・・はい。・・・あ。笹川社長。はい。・・・はい。直ぐ開けます。」
社長から電話だ。今、向かっているから、店を開けてくれ。と言うので、順子は。支度して、タクシーで、急いだ。店を開けて、待って居た。
「お早う・・・悪いねー・・・」
「いいえ。どうぞ。」松尾社長と二人だ。コーヒーを出した・
「ママ。山田から電話が有って。八千万円の事聞いて。松尾が俺に相談に来て。全部俺が出す。事に決まった。・・・ですよ。・・・その後どうなるか。聞きに来た。・・と言う事だ。」
「はい。家の事務所から電話しました。件。ですね。松尾社長と私も話しました。八千万円の事。・・・ですね。・・・はい。そうですか。・・・笹川社長が。何人かの、名義にして出しますか。」
「社員。八人です。書類書いて、持って来ました。」書類を渡された。
「はい。八名ですね。・・・と言うと。一人五万株=一千万円。づつ、ですね。分かりました。とすると。上場が認められて、株式公開。と。成ります。現在の二百円が。・・・評価が三倍に成って。六百円に成ったとします。五万株×六百円。=三千万円に成ります。その差額分。二千万円は。笹川社長の取り分です。残りの一千万円は。名義を貸した人に、上げます。何故ならば。名義を使って二千万円を、頂いた。のですから。」
「おー・・・そうか。・・・社員と俺が得をした。と言う。事だな。・・・誰が考えた。」
「私です。お互いお金を廻して、得を掴む。」
「えー・・・順子社長。・・・頭良いね・・・素晴らしい。・・・分かった。とすると。俺は、一人から二千万円。で。八人だから。一億六千万円。貰える。・・・よし。分かった。」
笹川社長は、松尾コーポラス株式会社。の。準備資金を、全部。小切手を切って、順子に渡した。
「はい。じゃ。明日申請します。・・・ただ。情報によりますと。申請が山ほどあって。審査順番が。分からないそうです。・・・取引所の人に聞きました。書類が重なっているので。順番に見るそうです。其処で第一回の審査。を通って。株価と公開日を、決めるそうです。・・・ですから第一次審査を。早くすれば。早く成ります。」
「うんー。そうですかー。・・・そんな事簡単だろう。明日、出したら。二三日中に見れば。直ぐだろうが。」
「ハハハハ。其れは無理ですよ。証券取引所の決まりですから。」順子が言った。
「だから。・・・決めごとを替えれば。良い話だよ。此れをグレーゾーン。て。言う。んだよ。裁判でも。決着がつかない。・・・審査官が。うっかりミスでした。で。済む。」
「松尾社長。・・・それ出来れば。最高ですよね。」順子が言った。
「はい。・・・難しいでしょうね。」
「分かった。・・・順子社長の手解きを、見ましょう。・・・一杯やろう。」笹川社長は、気分が良い様だ。
「はい。只今準備します。」五人指名して。テーブルにセットした。笹川が。
「とりあえず。乾杯・・・」順子も肩の荷が下りた。笹川社長は。根津とは、違う。単純と言うか。ざっくばらん。と言う。か。普通のおじさんだ。難しい。感じはする。けれども。遣りやすいかも。順子は、自問自答していた。
「此処は、若くて良いね。・・・他の店は。気取って居て。つまらない。一流のホステスだと。鼻が高いから。・・・その点此処は。田舎のお姉さんの。集まりだから。」
「何。おっしゃいますか。社長。・・・私達だって。銀座の女性よ。・・・ねー。」
「そうですよ。社長。私は、浅草生まれよ。・・・千束で。」
「えー。千束か。昔は。遊廓が。有った。」
「うん。今でも。チョロ、チョロして、居ますよ。怖い、姉御みたいな人。」
「おいおい。チヨロ、チョロとは。失礼じゃない。・・・赤線。て言って。春を売る女たちだ。・・・こういう人達が。居たから。男は頑張れた。」
「春を売る女。て。何ですか。」
「年の差。だな。・・・女郎。て。男のはけ口を癒してくれる。女性。二時間とか。一晩とか。一泊とか。」
「えー・・・分かんない・・・」
「んー。何て言うか。な。・・・ま。宿題だな。今度来るまで。」順子も分からなかった。
楽しく飲んでいた。十一時過ぎた。
「笹川社長。そろそろ閉店です。」社長は、順子に封筒を渡して、帰った。皆解散した。順子も、タクシーを拾って据えった。
「あー疲れた。・・・」封筒を開けた。五万円入っていた。直ぐ寝た。
※四月二十八日。
「松尾コーポラス株式会社」を、株式上場の審査会に。帝国証券相談役。山本順子。親展で。佐々木さん宛て、に。申請した。佐々木さんが来る筈だ。順子は六階で、四季報を、読んでいた。事務員たちは忙しく電話の、対応に追われている。お客さんは現金じゃ無く。小切手を、持ってくるようだ。順子は事務所を出た。新橋方へ、歩いた。十一時だ。烏森出口は、待ち合わせの人達で。大勢、居た。会社の事務所が多いから、人の出入りも多いのでしよう。順子は六階に行った。
「お早う。・・・はい。ケーキ買って来たよ。」皆で食べた。
「今日申請した。松尾コーポラスの複写ね。」事務員に渡した。
そして、カレンダーも。
※五月一日に。なった。順子は、何時もの様に、九時頃、起きてシャワーを浴びて化粧して。ソファーで、横に成って居た。リリリリリリ電話だ。
「もしもし・・・はい。・・・はい。・・・はいそうです。・・・はい。直ぐうかがわせていただきます。」えー。五島。堤。根津の三名が、ホテルニュージャパンの。喫茶室へ来てくれと言う。電話だ。順子は支度して。直ぐ出た。神谷町からは、近い。玄関入ったら、ガラス越しに、見えた。一度会ったので知って居る。
「お早うございます。山本です。」
「おー。ご苦労さん・・・其処に座ってください。」一席空いていた。順子は座った。
「順子社長。・・・笹川から聞いた。んだが。株式上場の事で。詳しく知りたい。んで。此の三羽烏が。集まった。んですよ。・・・どの様にすれば。良いのか。聞かしてくれないかな。」
コーヒーが運ばれてきた。順子は頂いた。
「はい。そうですか。・・・ご苦労様です。わざわざ。呼んでいただいて。・・・どの様な事業を、行って居ますか。・・・」
「あ。三社とも。建て売り住宅だよ。・・・近年。忙しく成って。来ているので。株式上場を、考えて居たのだが、俺達も、面倒くさいから。伸び、伸びに成って。今日まで来ちゃった。んだよ。笹川から電話が有って。根津。とこの。山本社長。なら、直ぐ出来ると聞いたので。」
「そうですか。・・・建て売り住宅。ですか。以前五年前。私が。手掛けた企業で。三ツ星不動産。と。城南開発。が有ります。やっぱり建て売り住宅販売です。」
「えー・・・あれを立ち上げたのが。山本社長。ですか。・・・我々と同時に。開業した。んですよ。・・・一歩、遅れた。・・・あの会社がどんどん伸びて居て。・・・我々の沿線で儲けている。順子社長。我々三社も伸びている。んですよ。・・・実績も五年有るし。」
「そうですか。・・・それは、それは。・・・でも大丈夫です。実績が有るなら。早いです。五年間の決算書と。持ち株数。金額。(一株=何円か。発行株数=何株価か。投資者=何名か。)を。提出して頂ければ。捕捉しなければ、成らない事が、出てきますから。私から、指導します。又。私と他二名を、社外役員として、登録させていただきます。理由は。株に対する指導を行なっていく。と言う。理由で。」
「此の三社に入ってくる。」
「はい。そうです。・・・私達も、参加させて頂きます。もちろん投資します。我々は一社に二十万株。投資します。」
「えー。二十万株。・・・」
「はい。長年付き合って頂く。投資ですので。」
「そうですか。分かりました。・・・書き方は。」
「此処に書類持って来ました。(会社名。創立した時の資本金。五年間の決算書。現在の一株何円。発行数。投資者名。金額。会社の持ち株です。)を。六階の事務所に持ってきて頂ければ。精査して、補助して頂くものを伝えます。・・・此の持ち株を、二三億円に。しておいた方が。評価は高いです。
申請してから。第一回目の、審査が行われます。その後。公開株価格が、決まり。公開日時を決定します。・・・故に。一回目の審査官、審査室を、早く通れば。早いですが。・・・此処が遅れると。最後まで遅れます。審査室の情報によると。山程、有って。審査日は何時に成るか分からない。と言う。情報が、入っています。」
「うんー・・・決まり、規定か。必ず出て来る。奴らの、威張る権利だ。・・・順子社長。此れね。・・・早いとか遅いとか。法律には、無い。んですよ。・・・スムースに進行する事に成って居る。筈だ。・・・此処がグレーゾーン。だな。・・・分かりました。其れじゃ明日。九時に三社の書類を専務たちに届けさせます。」
「はい。有難うございます。お待ちしております。・・・これ、私達。三人の書類です。書いて頂く、箇所を、記してありますので。三社ともに。お願いします。」終わった。
「よし。順子社長有難う。・・・早いけれどお昼にしましょう。・・・熱が上がったから、冷たいビールにしよう。・・・皆それで良いでしょう。・・・熱くなっているようだから。」五島社長が。全部注文した。ビールが来た。
「とりあえず乾杯。」五島社長が、仕切っている。
「順子社長は。何処で取れたの。・・・あ。生まれたの。
「はい。福島県の、阿武隈山です。」
「えーそんな町、有るの。山。」
「えー・・・社長。山の中の、村です。」
「でしょう。・・・山。ん中で取れた。・・・あ。生まれた。五六年前に。銀座に入り込んで。・・・あ。住んで。クラブに努めて、・・・うん。・・・根津と会って。」
「それ以上は。聞くのは。野暮だよ。堤さん。」三人は、お互い、気心を知って居る様だ。
「でもさ、さっきから頭を過っている。けれど。第一回目の、審査だよな。・・・笹川なら簡単かな。」
「大丈夫だよ。俺達七人居れば。・・・知恵は余っている。から。・・・そうだ松尾が。申請した。と。笹川に。聞いているが。」
「はい。先月、二八日に、私が申請しました。」
「そうかー・・・でも。・・・一緒になるだろう。」
「そうかもね。・・・二三日の、差。だから。」順子は。佐々木の事は、伏せている。四人は解散した。順子は神谷町に帰った。少し休んだ。シャワーを浴びて化粧して、お店に行った。
「お早う。・・・ご苦労さん。」皆、来ていた。順子はコーヒーを飲んでいた。ドアが開いた。
「いらっしゃいませ。・・・あら。・・・社長。」ナベプロの社長だ。順子が三番テーブルにセットした。案内した。
「どうぞ。いらっしゃいませ。」
「おー暫く。・・・お客さん連れて来たよ。三人。」
「はい。テレビで見ています。・・・直ぐわかりました。ハナ肇。植木等。谷敬さんでしょう。分かりますよ。・・・社長ワインとヘネシー。入れて、置きました。・・・おつまみ食べて下さい。美味しいですから。・・・はい。植木さん。」ママは、剥いてあげた。
「おー・・・美味しい。・・・美味だ。」谷さんも食べた。
「本当だ。・・・何だ、こりゃ。・・・よっと。」ハハハハ。谷さん面白い。女の子達五人指名した。
「いらっしゃいませ・・・あれ。・・・何だっけ・・・誰だっけ。」
「おいおいお姉さん達。・・・誰、だっけ、は。無いでしょう。ハナ肇。だよ。」
「あー・・・そうだ。・・・バンドコミック。て。クレイジー・グループでしょう。」
「わー・・・本物だ。・・・顔も面白そうだ。」大騒ぎだ。
「ママ。ちょっと・・・顔も面白そうだ。て。言っている。よ。」ナベ社長も笑っている。
「植木さん。今日は。はしご酒、しないでしょう。」
「今日は。ナベ、社長が居るから。・・・この店で終わりだ。」
「でも皆さん。毎日楽しいでしょうねー・・・」
「ママね。其れが違う。んだな。・・・毎日次の事。考えるので。楽しくないの。こう言うギャグは、世間がすぐ飽きちゃうから。次々と。新しいギャグを考えないと。」
「そうかー。分かりますねー。・・・大変だ。」ナベ社長が。
「ママさ。芸能界の裏。て。厳しいですよ。寿命が短いから。」
「そうね。でもさ。バンド。て。考えましたね。うまく、遣った。り。間違えた。り。でも、間違いが有った方が。面白い。・・・ナベさん。人間。て。他人の間違えを。楽しむ。て。言う。悪い短所を、持って、いますからね。」
「ママも思うだろう。だから。其の絡み合いを。調整するのが。俺の役目。なんだよ。こいつらは。ただ演奏しているだけだから。」ハナが。
「社長。ちょっと、言い過ぎじゃない。・・・ママ。ね。」
「ハハハハ。聞いて居ました。・・・私もそう思った。」
「ハナ。・・・酒の場だよ。此処で正直に、話しても、しょうがない。じゃん。夜は嘘ばかり。て。歌があるように。」
「えー・・・社長。・・・私達は全部。嘘ですか。」
「全部とは。言わないけれど。・・・ママだってさ。・・・思わせぶりが。半分。以上でしょう。・・・表向きは。好きと言って。心は。なんとも思っていない。」
「えー・・・社長。・・・でもさ。確かに。・・・お客さん全員とは。付き合えないでしょう。」
「ハハハハ。ママも。むきになって居るよ。此れも冗談だよ。」ハナが、笑った。
盛り場は、何時もこの話が。出て来る。確かに。嘘の恋愛話だ。・・・これも人生のドラマにすぎない。順子も、此の世界に入って。分かった。十一時だ。閉店だ。ナベ社長は。五万円払って。帰った。順子も帰って寝た。
※五月二日。順子は。起きてシャワーを浴びて化粧して。コーヒーを飲んでいた。リリリ電話だ。
「もしもし山本ですが。・・・はい。そうですか。じゃ。事務所に来て頂けますか。」三社の、専務たちだ。六階に来ると言うので。堤と佐野に電話して。・・・直ぐ出た。事務所で、事務員たちと、談笑しながら、待って居た。堤と佐野も来た。十時だ。
「お早うございます。・・・五島の、使いです。」
「はいどぅぞ。」応接室に案内した。お互い名刺交換した。書類を揃えてきたようだ。
「はい。有難う。」順子と佐野と堤が。書類を見ている。
※東急産業株式会社。(土地住宅、分譲販売)
資本金=五千万円。投資株数=二百万株。
一株=二百円。
会社持ち株=五十万株。=一億円。
社員。二十人の名義。=一人二万株=四百万円。
二十名×二万株=四十万株。八千万円。(社長貸し出し分。)
山本。堤。佐野。達が。一人。二十万株×二百円=四千万円。三名=一億二千万円。
会社持ち株。五十万株=一億円。
社員持ち株。四十万株=八千万円。社長の貸し出し分。(合計一億八千万円。小切手払い。)
山本。堤。佐野。持ち株=九千万円。
総額=三億円。
※東武産業株式会社。(土地住宅、分譲販売)=(小切手支払い)
※西部産業株式会社。(土地住宅、分譲販売)=(小切手支払い)
順子は、三社の小切手を貰った。
「以上。この三社で。同等の内訳の書類で。作成しますね。・・・松尾コーポラスも。ほぼ、同じ内容です。じゃ。今日中に、纏めて申請します。」
「はい。お願いします。・・・社長達に伝えます。」三人は帰った。
「堤社長。お昼にしましょうか。・・・お寿司頼みます。から。事務員さんも、十三人分。」
順子は。寿司屋に電話した。三百円の。特上寿司だ。八階に集まった。事務員たちも来た。
「えー・・・初めて。・・・高級クラブ。・・・凄い。豪華な造りだ。薄暗い。暗くもない。明るくもない。」十人は、興味深く見ている。丁度十二時だ。
「おまちどうさまー。」テーブルに並べた。大きな桶。三個。
「なにこれ・・・」事務員たちは。びっくりして居る。
「此の桶は五人分入ります。けれども。いっぱい詰まっているので。十五人分。有ります。お寿司屋さんがサービスしたのでしょう。・・・私の奢りです。どうぞ食べて下さい。四個。づつ。種類別に並んでいるから。間違わないように。」事務員たちがお茶を用意してくれた。皆で。ガヤガヤ食べて居る。美味しそうだ。
「こんなお寿司食べた事無い。・・・家の。頼んでいる。お寿司屋さんと。味が違う。美味しい。・・・何違うのかしら。・・・何処か違う。」
事務員たちが喜んで食べて居た。皆六階に戻った。お昼休憩だ。順子は八階で休んだ。一時過ぎ、書類作成が始まり。一時間位で終わり。順子が。佐々木宛に。親展を記して。出した。此れで、四社が、終了した。後は待つだけだ。佐々木さんが、店に来るでしょう。
※五月十日。何時もの様に、七時に店を開けた。
「いらっしゃいませ、何名様ですか・・・あ。・・・佐々木さん。」佐々木が、来店した。
「お早うママ・・・」順子は三番テーブルにセットした。
「佐々木さん。お世話になります。」
「四社分・・・ママ。笹川さん。五島さん。堤さん。根津さん。て。知って居る。んですか。」
「はい。根津頭取の紹介です。」
「あ。・・・そうか。・・・分かりました。あの、五人達だ。」
「え。何か・・・」順子は、探った。
「家。何でもないです。・・・ママは、凄いですね。・・・あ。仕事のことですが。書類としては。ほぼ、合格です。・・・あの人たちが絡んでいるので、私の上司にも、話しました。上司が、OK。してくれましたので、五か月の、猶予を下さい。と言う事に成りました。何故ならば。マスコミも、チョコチョコ入ってきているので。五か月以内は無理です。」
「はい。分かりました。・・・先方にも、そのように伝えます。藪蛇に成らないように。」
「そうです。・・・ママ。ご存知ですね。その通りです。」
「はい。有難う。・・・弘子さんを呼びましょう。」ママは弘子を呼んで。ヘネシーをボトルに入れてくれた。
「佐々木さん。・・・」順子はハグした。
「まーまー。お二人さん。・・・」ママは、席を外して二番テーブルに移動した。美輪が。
「あら。ママ。・・・」
「たまに。・・・皆さんと。・・・」美輪が。
「ママね。今。私の常連さんが来るの。」テーブルごとに、お客が違う。それぞれチーママが、仕切っている。
「えー・・・会って、みたいですね。」美輪が出た。
「いらつしやぃませ・・・どうぞ。・・・家の、ママです。」
「どうぞ宜しく。お願いします。・・・あれ。・・・大阪の、あの寿司屋さんで。」
「暫くです・・・チョコチョコ来ていた。んです。・・・ママに内緒で・・・じゃ無く。何時もママは、忙しいから。会えなかっただけ。・・・」
「どうも。御贔屓に有難うございます。・・・それぞれ好みが有りますので。その為に、三つに仕切ったの。・・・東京は。・・・」
「そう。・・・二か月。毎に。来ますよ。」
「えー・・・今日は、半年ぶりよ。・・・何処か、浮気していた。でしょう。」
「あ。そうか。今回は、半年ぶりや。」十一時だ。閉店だ。皆帰った。順子も帰った。
※五月十一日。順子は、起きてシャワーを浴びて化粧して、テレビを見ていた。
リリリリリリ。電話だ。
「もしもし山本です。」
「小佐野だが。・・・山本順子社長ですか。」
「はい。そうです。」
「五島から聞いた。んだが。・・・株式上場の、事で。計理士連れて行くから。ニュージャパンで。会えないかな。・・・」
「え。・・・はい。大丈夫です。」
「じゃ。会おう。待って居るよ。」順子はびっくりした。急いで家を出た。タクシーで。直ぐ着いた。この前の喫茶室だ。二人居た。
「お早うございます山本です。」
「おー・・・ご苦労さん。・・・家の計理士だ。」順子と名刺交換した。
「実はね。五島から誘いが有って。・・・山本順子に。協力する様に。言われて。計理士が、書類を纏めて来たから。眼を通してくれ。・・・良かったら。その儘。今日、申請できるから。」順子は、書類を見た。
「はい。大丈夫です。・・・ただ。一つお願いが有ります。・・・私達三人を参加させて頂きたいのです。二十万株。づつ。」
「うん。・・・三人。・・・」
「堤と佐野です。」
「あー根津の。若い者で。」
「はい。証券会社を、立ち上げておりますので。」
「そうか。其処で全部やる。・・・分かった。」小佐野は計理士に指示していた。
「じゃ。三名分の書類は。」
「はい。何時も持って歩いているので。」順子は。書類を三枚出して。社判とサインを頂いた。
「はい。五島さんと。同じ内容に成って居ますね。・・・後は家の事務所で。整理して。提出します。これから帰って整理して直ぐ申請します。」
「オー.頼むよ。・・・五島の話だと俺の取り分は。・・・一億。て。」
「はい。内容が一緒ですので、そうなります。」
「貴方は。上手い事。考えたね。自分も参加して。・・・社外役員。とは。考えたね。居ても居なくても、良い役員だ。・・・でも社員だから。じゃ。・・・麻布十番で。ステーキ奢るから、行こう。」計理士は車を取りに行った。リンカーンだ。・・・大きい。順子は、話は聞いていた。二十社ぐらい会社を持っている。・・・まだ上場していないのも。有るのかな。麻布十番で降りて歩いて店に入った。高級感がある店だ。店員が来た。
「任せるよ。・・・」小佐野社長は面倒なことが。嫌いなようだ。計理士が肉を焼いてくれている。
「順子社長。家の計理士は。何でも出来る。税金の事も。明るいよ。・・・何か有ったら頼んでよ。・・・今回も五島の資料見て。作ってくれた。アメリカの、パーソナルコンピューターの、代理店を、四年前から。提携しているから。直ぐ作れたよ。」
「じゃ新日本銀行の経理に。参加して、頂きますか。現在二人で、遣っているけれど。追いつかない。て。聞いているので。参加してください。経理担当に、私から言われた。と言って、頂ければ。大丈夫です。伝えて置きますので。」
「はい。有難うございます。・・・明日にでもお邪魔します。」
「順子社長ね。笹川も、俺達も。皆。根津のおかげで。此処まで来た。・・・根津の強みは。何て言ったって。渋沢栄一。一派で。・・・全て、根津が金を貸してくれたから。どんどん開拓して。此処まで来れ。た。・・・ニュージャパンもそうだ。根津は笹川と組んだから。・・・笹川は、現在。一日。五千万円。儲かるって。その金全部。新日本銀行に預けてある。」
「えー・・・そうですか。・・・まだ。任せ。放しで。詳しい事は。分からない。んです。」
「そうか。・・・就任したばかりだからな。・・・俺達が、協力するから。頑張れよ。順子社長さ。人間。てさ。誰かを持ち上げて、看板を作る。芸能界を見れば。直ぐ分る。野球も。相撲も。プロレスも。企業も。・・・我々七人は。関東の企業のトップに。のし上がった。此れも根津が金を出してくれたからだ。・・・渋沢栄一の考えを。頑なに。守って来た。・・・根津は。ただ金を貸すだけじゃない。企業同士、を結びつけてくれる。・・・それで金を廻す。・・・それだけだが、非常に難しい。それを成し遂げてきた根津は、凄い。普通の金融業社は。面倒くさいから。すぐ。乗っ取っちゃう。・・・自分は儲かるけれど。相手は、死んじゃう。・・・俺達は身体を張って。此処二十年。乗り越えて来た。・・・土台を造った。これからが本番だ。・・・東京。銀座を世界一の繁華街にする。其れには。貴方達。ホステス、コンパニオンが。大事だ。職業として。認めて貰う事だ。巷ではお前たちを。不良だと思っている。輩が多い。鹿鳴館が有った。が。一般人は入れない。銀座は中間層が入れるようにして、お互いの交流を深めていかなければならない。だから・あなた達は。絶対必要だ。
順子社長。貴方を、銀座の蝶として。持ち上げてやるよ。そうすれば、銀座は。益々盛り上がり。ホステスが増え。飲食店も増え。知名度が上がる。そうなれば。順子ママは。(銀座の女帝)と成る。どうですか。俺の構想。」
「えー・・・私が。・・・」
「だから、さっき話したように。・・・山本順子を持ち上げて。・・・女だって。男以上に稼げる。んだ。よ。て。・・・日本国中に。広めれば。・・・女優と同じで。抜擢されなきゃ。幾ら綺麗でも。宝の持ち腐れに成る。・・・俺達七人協力すれば。必ず成れる。・・・今日は、これぐらいで。終わり。」
「はい。・・・分からないけれど。努力します。」三人は。店を出て。六階の事務所まで送ってくれた。順子は六階に行って、書類を作って。親展を押して、佐々木宛に送った。
「ジャパン・コンピューター販売、株式会社。」
※五月十五日。
「お早う」
「いらっしゃいませ。・・・あら。・・・どうぞ」三番テーブルにセットした。
「届いだでしょう。」
「だから来た。んだよ。・・・小佐野さんも知って居るの。・・・上司も。ママを、気にして居るよ。・・・五社。一緒にする。て。・・・その報告に来たの。」
「ご苦労様です・・・これ、少し、だれも見て居ないから大丈夫よ。」十万円入りの封筒を渡した。
「えーこんなに。・・・給料三か月分だよ。・・・」
「良いの・・・佐々木さん。・・・又良い時。有るから。今回で、終わりかもね。でも。相談が来れば。・・・お願いするかもね。」
「有難う。ママ。・・・依頼が有ったら、連絡ください。」佐々木は、涙出るほど喜んでいた。
「弘子さんと変わるね。」順子は弘子と変わった。順子は。七階に行った。佐々木は看板まで弘子と二人で話していた。十一時だ。閉店で皆帰った。順子も帰った。
※五月三十一日。夜。十一時。閉店して、女の子達を八階に。集めた。
「皆さん、今日は給料日です。・・・一律。5万円です。今月も手当を、一万円付けて。6万円支払えます。皆さんには何時も頑張って頂いて。お店も助かって居ます。明日から、六月です。・・・お店も趣向をこらして。一日。二千五百円に、引き揚げます。そして、ご同伴を、お願いします。・・・ご同伴とは。お客さんを、誘って頂ければ。九時。出勤にします。・・・そして飲食代は。一万五千円で、飲み放題です。・・・ワインとヘネシーは、何時もテーブルに置いてください。・・・つまみはお高いので。追加は五千円です。
従って、客単価が。少々上がります。・・・ご同伴についてですが。お店の中の、お客の取り合いは。絶対。厳禁です。・・・店で揉めるようなことはしない様に。・・・若し。揉めた方二人は。辞めて、頂きます。・・・この店は、銀座で一番高いです。皆さんの給料も、飲食代も。・・・ただ、それなりの皆様のサービスが、活かされますので。宜しくお願い申し上げます。・・・明日らも宜しくお願いします。」順子は。皆に封筒を渡した。銀座は。殆ど貸店舗なので。他の店で。此のやり方では。倒産してしまいます。・・・これが順子の強みです。お客さんの接待は。高い程、相手に喜ばれる。・・・順子の目論見です。
これ。システムが、評判と成り。クラブ「JUN」は。同伴しないと入れない。何時も満員だ。・・・お客さんに食事を頂いてから店に来る。と言う。女の子達の考案が、実って居る様だ。七階八階。ともに大繁盛だ。
※十一月一日。九時に起きて。シャワーを浴びて化粧して、テレビを見ていた。
リリリ電話だ。
「もしもし山本です。・・・」
「佐々木です。順子社長。・・・吉報です。今、私が。五社の書類を。提出してきたので。十五日頃には。公開に成ると思います。・・・安心して居てください。・・・弘子さんに宜しく。・・・」
「はい。分かりました。ご苦労様でした。・・・お店にどうぞ来てください。」佐々木は、自信をもって電話してきたようだ。皆には。喋らない方が。良いだろう。・・・あー肩の荷が下りたようだ。順子は。近所の、和風料理屋さんに、出かけた。
「あら。いらっしゃい。・・・確か。根津さんとこの。」
「はい。山本と申します。・・・」
「どうぞ。どうぞ。・・・暫く、でした。ね。」
「中々。来れ。ません。でした。・・・」
「いいえ。気兼ね、しないで、おいでください。・・・寒気がする時期に、成りましたね。」
「松。で、お願いします。」松竹で。三千円。二千円。なって居る様だ。お茶が出た。抹茶だ。
「えー美味しい・・・」
「有難うございます。・・・私が。点てて、居ますのよ。・・・習っていたから。」
「へー・・・美味しいです。お腹に良さそう。」料理が運ばれてきた。
「どうぞ。サバの味噌煮。鯛の刺身。湯葉の御吸物。お漬物。タイ茶漬けでも美味しいですよ。」
「美味しいです。最近、洋食ばかりで。」
「皆さん。おっしゃいますね。」この様な、ちょっとした。和風料理屋さんはあまりないので。久しぶり美味しい。順子は精算して帰った。近所を歩いた。静かだ。銀座通りとは、全然違う。風紀を感じる。家で休んだ。何となく安心だ。




