54 魔女 焼き尽くされるべき罪の名
『魔女』
皆は私にそう名をつけた。
私が『鍵』を持っていたから。
あの子には名前があった。
私には名前がなかった。だから私は自分が『魔女』という名前なんだと思っていた。
それは磔にされるべき、過去の証。
焼きつくされるべき、罪の名前。
殺して下さい。どうか私だけを。
あの日私が殺した、あの預言者の言葉どおりに。
どうぞ赦さないで下さい。
存在さえ曖昧な私が、願ってしまったあの唯一の祈りを。
彼女の自由を願ってしまった私の思いは罪でした。
私が意志を持ってしまったことは、大きな過ちのひとつでした。
だから殺して下さい。
あの日、呪いの言葉を吐いて死んだ、聖者たちの言葉の通りに。




