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戦争を語る仔  作者:
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44/80

44 過去 反乱?

「……実を言えば、ゼファがいぶかしんでる。僕達も数週間前からまったく動いていないから。軍からの命令が下りてこない」

「ゼファ?」

「隊長だよ、第二部隊の。彼は国内で反乱が起こったんじゃないかって言ってる」

「それこそ、まさか、だ。戦争も終盤のこの時期に。……でも、」

 秋比古は顔を上げた。

「あるかも知れない」

 空夜は声をひそめて言った。

「噂があったんだ。黒い髪の人間が、大量にザゼルで殺されたって。それは戦争だからだと思ってそう重くみてはいなかったけれど、ザゼルならあるいは」

「殺されるにしたって、誰にと考えていたんだ? あそこはすでに前線を外れて、ドニの軍が抑えている地区だ」

「近くに特殊部隊がいる」

「この国の、だぞ。クレア・エバじゃない」

「だから……ゼファは反乱だと言ってる」

「……どっちが?」

 秋比古は重々しく聞いた。

「ゼファは……彼は黒い髪の人間がクレッフェであるかも知れないなんて思ってはいないから、特殊部隊が反乱を起こしたと考えていた。でも、……あるいは、おまえが言う『魔女』かも知れない」

「案外ロマンチストなんだな」

「……悪かったよ。さっきはちゃかして」                                                                                                                             


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