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戦争を語る仔  作者:
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41/80

41 消えた部隊

「お前たちの部隊のここ数カ月の戦況はどうだ?」

「……そんなこと、言えるわけないだろう」

「ここにカメラなんて仕掛けてあると思うか? 俺がカッセルのスパイだと思うか?」

 そうして一つ息をつくと、自分からマシンガンのように話し出した。

「心配なら俺から言ってやる。第一部隊は先月までにふたつの作戦司令部の破壊活動に参加して、それをどちらも成功のうちに終わらせた。カッセルは中央に鼻が高くてならない様子だったさ。これで自分の計画の有用性を証明できたと思っていた。クレッフェが正規部隊のエリートとして世に出る日が近付いたってわけだ」

 ふん、と空夜は鼻を鳴らした。

「黒い髪の子供ばかりを集めて、よく言うよ」

「まぁ、聞けよ」

 秋比古は続けた。

「戦況はここ数カ月かなり良い。クレア・エバももう一年も経てばおちるだろう。ドニは完全に勝利に向かって走っているといっていい」

「……そんなことが言いたいのか? そんなことならカッセル参謀から嫌というほど聞いて、吐き気がするほど聞き飽きた」

 帰りかける空夜の腕をつかんで、秋比古は声をひそめた。その声色があまりにも真剣だったので、空夜は思わず息を飲んだ。

「待てって、」

「何だよ」

「第四部隊以下の人間に最近会ったか?」

「なんで?」

「会ったか?」

「……二か月前に会った。第五、六部隊と同じ司令部だったから」

「それ以後は?」

「会ってない。お前とだって、三か月ぶりだろ?」

「そうじゃないんだ。そうじゃない」

 秋比古は首を振った。


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