41 消えた部隊
「お前たちの部隊のここ数カ月の戦況はどうだ?」
「……そんなこと、言えるわけないだろう」
「ここにカメラなんて仕掛けてあると思うか? 俺がカッセルのスパイだと思うか?」
そうして一つ息をつくと、自分からマシンガンのように話し出した。
「心配なら俺から言ってやる。第一部隊は先月までにふたつの作戦司令部の破壊活動に参加して、それをどちらも成功のうちに終わらせた。カッセルは中央に鼻が高くてならない様子だったさ。これで自分の計画の有用性を証明できたと思っていた。クレッフェが正規部隊のエリートとして世に出る日が近付いたってわけだ」
ふん、と空夜は鼻を鳴らした。
「黒い髪の子供ばかりを集めて、よく言うよ」
「まぁ、聞けよ」
秋比古は続けた。
「戦況はここ数カ月かなり良い。クレア・エバももう一年も経てばおちるだろう。ドニは完全に勝利に向かって走っているといっていい」
「……そんなことが言いたいのか? そんなことならカッセル参謀から嫌というほど聞いて、吐き気がするほど聞き飽きた」
帰りかける空夜の腕をつかんで、秋比古は声をひそめた。その声色があまりにも真剣だったので、空夜は思わず息を飲んだ。
「待てって、」
「何だよ」
「第四部隊以下の人間に最近会ったか?」
「なんで?」
「会ったか?」
「……二か月前に会った。第五、六部隊と同じ司令部だったから」
「それ以後は?」
「会ってない。お前とだって、三か月ぶりだろ?」
「そうじゃないんだ。そうじゃない」
秋比古は首を振った。




