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戦争を語る仔  作者:
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24 酒 軍縮の兆し

「軍が動いたってことはないんだな?」

「動くも何も、先週末にやっと軍縮協定がドニとクレア・エバの間で結ばれたばかりなのに、今このタイミングでドニが軍を動かせば、問題になることは必至よ。そんなこと中央政府が許すわけないじゃない」

「……結ばれたのか。軍縮協定」

「一応、双方の合意があったみたい。もっとも、クレア・エバのほうがかなり譲歩した結果らしいんだけど。だからこそ、ドニ中央政府は今、これまでにないほどおとなしくしているのよ。クレッフェの試験部隊のことなんて思い出したくもないし、今それについてつつかれることは、クレア・エバに譲歩してもらった手前、非常にまずいわけ」

 つまり、クレッフェに関わり合いたくないの極致、というわけだ。この大切な時期に彼らを集めることは、危険きわまりない。身の危険を感じたクレッフェの生き残りが、クレア・エバに駆け込めば、それだけで事実の隠蔽だと軍縮の譲歩を取り消されるだろうし、最悪の場合、条約の破棄、再戦とあいなる。

「あるいは、もしかしたら、この時期に試験部隊に出てこられるとまずいから、今度こそ完璧に口を塞ごうとしているのかも知れないけど」

「拉致されてるらしい。はっきりと殺害されているわけじゃないんだ」

 リンは酒がまわって心地よさそうに笑った。

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