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最強の女戦士ここにあり  作者: 田仲真尋
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剣技大会~in BLAZE 2~

決勝トーナメント第二戦目の相手はアレックスという女性?男性?です。

ちなみに他の試合には興味がないので全く見ていません。


「それでは準決勝を始めたいと思います。アレックス殿とピート殿、こちらへどうぞ。」


会場の熱気は最高潮に達します。

きっとこの声援は僕に向けられたものなのでしょう。


「頑張れ、アレックス!」


「アレックス、素敵だ!」


「きゃあ、アレックス可愛い!」


まあ、外野の声は気にしないでよいでしょう。


「あの、ところでつかぬことをお訊ねしても?」


「なんですか?」


僕は躊躇いながらも、どうしても聞いておきたい事がありました。


「えーっと、アレックスさんは女性ですか?それとも男性?別に答えたくないのなら、無理して答えなくてもよいですけど。」


すると、アレックスの顔が真っ赤に紅潮していきました。

いや、照れた顔も可愛らしいですね――女性ならばね。


「……貴様は殺す。」


あれ?僕は何か怒らせるような事を言ったでしょうか?

よく、分からない人です。

まあ、おそらく僕の確信をつく質問に動揺したのでしょう。

これも作戦ですよ。


「それでは、始め!」


今回も先手をしかけたのは、アレックスでした。

剣を抜くと同時に突っ込んできました。

僕はそれに合わせて剣を振り下ろしました。

すると、アレックスは前のローラス戦と同じく寸前で半歩下がりました。

僕は振り下ろす剣を途中で止め、すかさず突きに切り替えました。

アレックスは、その突きを剣で払い、また前に突進してきます。

なかなか素直な剣士です。


「死ね!」


アレックスは僕に届く直前で跳ね上がり、上方から剣を振り下ろしました。

こういう直線的な剣士には、僕みたいな曲線的な剣士に利ありです。

チャンスはアレックスの刃が僕に届く、その時です。


今だ!


「鴉!タイプグラウンド!」


僕は体を半回転させて攻撃を避けます。

その回転は敵の攻撃を避けると同時に、その勢いのまま相手の胴体を斬ります。


「きゃあ!」


これで勝利です。

まあ、今回は試合なのでアレックスの胸当てを破壊するだけでしたが、衝撃は彼女?彼?の体に伝わったはずです。


「どうします?まだやりますか。」


「くそっ……降参だ。」


観客たちから、ため息が漏れました。

しかし、その後は勝者を讃える歓声に包まれていきました。


「決勝に進むのは、黒い剣を持つ剣士、ピート殿だ!」


さて、あと一勝ですね。

意外と簡単に優勝できちゃうかもしれませんね。


「あ、あの。ちょっといいか。」


声をかけてきたのはアレックスでした。


「……私は女だ。」


自称彼女は、そう言いましたが僕は簡単に騙されませんよ。

一度発生した疑念は、もはや確信に変わってしまったのです。

ですが、まあ本人がそう言っているので、ここは納得したふりをしておきましょうかね。


「そうですよね。貴女みたいな美しい女性が男性だなんて、僕はどうかしていましたよ。申し訳ありません。」


この言葉にアレックスは、きょとんとした顔を見せました。


「あの、そ、その……貴殿の強さに……惚れました。よ、よかったら私を貴方の――妻にしてください。」


こ、これは告白、というより逆プロポーズではありませんか!

しかも、こんな大勢の前で。

僕はパニックに陥りました。


「うわあ、プロポーズだ!」


「すごい、素敵!」


「これは断れないぞ、ピート!」


「そうだ、アレックスみたいな美女からのプロポーズ羨ましいぞ!」


観客たちは好き放題、言い放題です。

これは、まずい状況下に置かれています。

しかも彼女――いや、彼は男ですぞ!

オッケーなんて出来るはずありません。

しかし、変な断りかたをすれば僕は一気にヒールです。

考えろ――考えるんだ、ピート!

僕は様々なシチュエーションを思い描きました。

時間に、するとほんの一瞬の出来事でしたが僕には世界がスローモーションに流れているように見えました。


こ、これしかない!

僕が苦悩の末、出した答え。

それは――逃げる、でした。


僕は一目散に会場から逃げ出しました。

もちろんローラスも置き去りにしてです。


夕暮れの中、僕はただ走りました。

行く先も分からぬまま。

汗を大地に吸わせ続けました。

そして夕陽に向かって僕は叫びました。


「なんでだー!」と。


やるせない気持ちと、どうしたら良いのか分からない混沌とした気持ちに爆発しそう……いや、爆発したいとさえ思いました。


しかし、夜になって気温が下がるにつれ、僕の頭も冷静さを取り戻しました。そして、こっそりと宿へと戻るのでありました。





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