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6.僕とシオン

 神殿の控え室にもどると、ほっとため息をついた。椅子に座り込み、礼服をくつろげる。やっと、半分終わった…。

 先ほど、母から月王を受け継いだのだ。母がやたらとウキウキしていた。どうせ、この後が楽しみなんだろう。


 僕は、21歳になっていた。兄の王太子は、2年前に父から日輪王を譲位され、立派な青年王として知られている。母は、同時に譲位したがったが、一度に両王が代わると混乱が起きるとして、兄と僕とで説得し、2年ずらしたのだ。

 (兄は、自分のときもごねてたけど、母に押し切られたらしい)


 兄と僕に王位しごとを押し付けた父と母は、のんびり、この国をまわるんだそうだ。うん、まあ、王位簒奪事件から即位して、ずっとこの国を立て直すのに忙しかったからね、ちょっとは、のんびりしたいのもわかるよ。わかるけどさ~、僕の一生の問題けっこんを、勝手に決めないでくれよ!


 思えば、僕とシオンの婚約が発表されたのは、父の譲位の1年前。あのときには、すべてのスケジュールが決まってたんだろうな(母の頭の中で)。


 誕生日にいきなり発表されたときは、頭真っ白になったよ、ほんとに。

 招待客の手前、否定もできず、きれいに着飾ったシオンの隣で、挨拶を受けるハメに…。


 ああ、そうだよ、シオンは綺麗だったよ。ていうか、どんどん綺麗になった。まさにつぼみから花ひらくようにって、あ゛~!!

 自分が信じられないから、距離を置こうとすると、シオンが寄ってくるんだ!あれは、絶対母の入れ知恵があるに違いないっ!!シオンは真面目だから、母の言うことは聞いちゃうんだよ~。母親のカルラ先生も、後押ししてるっぽし。父親であるライト神官の笑顔がこわかった…。


 3年間、よく我慢したな~。自分の理性をほめてあげたい。


 父上はニヤニヤ笑ってるし、兄は甲斐性無しって小馬鹿にするし、シュウはからかうし。

 シオンの年を考えてよ!

 ヤトに視察に行ったら、カイさんに大爆笑された。スオウだけは、長い冬の後には春が待っていると慰めてくれた。妙に実感こもってたな~。今度、カサネとの詳しい話をきこう。


 まぁ、それも今日で終わりだ。


 さて、そろそろ、身支度を整えないと。なにしろ、一世一代の晴れ舞台だからね。あ、主役はシオンだけどさ。

 ああ、シオンが待ってる。花のような笑顔だよね。白いドレスがまぶしいくらいだ。




 ほら、僕の花嫁シオンは、世界一綺麗だろう?




fin.




 

これにて、終了でございます。なんやかんやで、シオンにベタぼれなユーリでした。以後は両親のようにラブラブになることでしょう。

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