第15.5話 ごほうび
カスターとコンラートが魔物退治から戻ると商隊は昼食を作り終えていた。
火が消されている。
シーラがいないが誰も気にしてなさそうなのでちょっと外しているだけなんだろう。
セリアがふたりに気づいて空の器を振り回した。
「あ、戻ってきた! どのくらい食べますか?」
「たくさんあるんですか?」
「普通です! はい、一人分」
「あざっす」
コンソメスープとパンだ。器になみなみと注がれて渡される。
どっこいしょと座るとマロウとパルモルに挟まれた。
「魔物がいたと聞きました。どうでした?」
「その辺飛んでるやつですよ」
コンラートが自分の食事を手に持ってやって来る。
「カラモドがいたので追い払いました。こっちは大丈夫でしたか?」
「僕とマロウも戦えないことはないので今回は英断でしたよ」
マロウが頷く。
コンラートの心配はカラモド退治のあいだ、商隊が無防備だったからだ。カスターもそれは思わないでもなかったがカラモドを退治しないと元も子もないとスルーしていた。
会話に少し間が開いたので尋ねる。
「お湯あります?」
男性陣がセリアと一号車に顔を向けた。
炊事系はふたりに聞いたらいいのかな。
シーラが一号車からお盆を持って出てくる。お茶を淹れてくれたようだ。
ヴィータがカスターの頭の上に移動する。
「中にありますよ」
「貰って良いですか。こいつにもお茶がいるので」
ヴィータを指して言うとシーラは不思議そうな顔をした。説明を付け足す。
「専用のお茶で。餌みたいなもんです」
「そうですか。緑のポットに入れてありますからお好きに使ってください。無くなったら教えてくださいね」
「はい! じゃ、ちょっと行ってきます」
カスターは水筒片手にその場を離れた。上司二人に挟まれて居心地良いわけないだろ。
カスターは勢いよく一号車に乗り込んだ。中程まで慣性のままに歩き中を見渡す。さっき入ってきた出入り口のすぐそばに目的のポットがあった。究極乗り込まなくても使えるところに置いてある。
カスターはポットの傍にしゃがむと水筒の蓋を取ってお湯を注いだ。それからメンダーのブレンドティーを入れる。蓋を閉めて振る。完成だ。
カラモド退治でナイスだったヴィータに物資の出し惜しみはできない。
カスターは機嫌良く一号車を出た。




