プロローグです。2 社長は・・・
一話からそんなに空いてませんが、続きをどうぞ。
「えー。でも、そう聞いてますよ。」
「なんでそれを知ってるんですか。ていうか、だれですか!人の名前を間違えて教えたのは!」
「社長ですよ。こう見えても私、秘書なので。」
「え・・・・・・。社長?」
「そうです。社長です。あなたの上司。会社のトップ。ほかになんと言えばいいかはわかりませんが、社長です。それにこれはコスプレではなく社長の趣味です。」
「アッ、ハイ。」
なんだろう、今のでなんかバカにされたような気がする。実際、バカにしてるんだろうな。だって、さっきまでの営業スマイルからゴミを見るような目で見てるもん。『こいつ、社長もわかんねーのかよ。』ってゴミを見るような目で見てるもん。違うんです、秘書さん。心の準備ができてないんです。それだけなんです。だから、その眼をやめてください。
というか、心の中が読まれてないか?なんか、今のでさらに目つき悪くなったし。コスプレのことも言ってきたし。まあ、コスプレのことは誰からでも言われそうだけど。あっ・・・・・・、ごめんなさい。せめてパーにしてください。グーは痛いです、シャレになりません。
「とにかく、社長室に行きましょうか。社長が待ってます。」
そう言われて手を掴まれてしまった。女性の手なんて何年振りだろう。じゃなくて、秘書さん良い匂いするなー。でもなくて、
「今から、行くんですか?」
「ええ。あなたのことは最重要案件ですから。今すぐ、一分一秒が無駄です。」
「いやでも、アポぐらい取った方が・・・。」
「何か言いましたか?」
「・・・・・・なんでもないです。」
だから、殺気をしまってください。死んでしまいます。
・・・・・・・・・・
「さて。・・・・・・失礼します。社長。中野様をお連れしました。」
「通せ。」
もう中野で通すのね。分かったよ。あの目には勝てない、仕方ない。諦めろ、俺のプライド。
秘書さんが扉を開く。普通の会社とは言っても社長室。目に入るものはすべて高そうだ。焼き物、絵画、うわっ花も活けてあるよ。案外儲かってるんだなー、うちの会社。全然、実感ないけど。っと、睨まれた。気を付けよう。下手をしたら死ぬ、ショック死で。
確か、社長は男性だったよな。ホームページでしか見てないけど。なかなか、渋いミドルだったはずだ。しかし、あんな見た目で秘書にコスプレをさせるなんて、セクハラで捕まるんじゃないの。そしたら・・・、なんて考えていると、これまた高そうな皮でできた椅子が不快な音もなく、回り止まる。
そして俺の思考も止まる。今、俺の目の前に椅子がある。もちろんそうだ。そして、背もたれがある。ここまでは普通だ。だが、ない。決定的に、足りない。これは・・・
「社長、またその姿なんですか。見つかったらどうするんですか。このまえだって大騒ぎになったですよ。どれだけ、大変だったと・・・。」
ウソ、いつもこんななの。というか、実体なんてあるの?なんか、寒くない?声だけ聞こえるとか、もう、その線だよね。帰っていいかな、もう会社辞めるから。いいよね。
「待って、辞めないで。せめて、話だけでも。」
キャーシャベッタ。また、心を読まれた。帰らせろ、もう家から出ない。だから帰らせろ、我が家が恋しい。ずっと、家を警備するんだ。
「君がニートになってもいいけれど。話だけは聞いてくれ。」
秘書さんが文字通りおろしたその人物の姿を見て、俺の思考がまた止まった。
初ブクマ、初評価ありがとうございます。




